小池百合子都知事が 東京都にもたらした《自律改革》

それは、都民にとって歓迎すべき変化です。 上山信一元東京顧問によるロングツイートまとめ。
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上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

東京都に限らず、企業でも役所でも改革は、全員がすぐ同意するものではない。反発はあって当然です。何の反発もなければあまり意味のない改革とすら言ってよい。とにかく当初はいろいろな混乱がありました。我々もわかっていてあえてかき混ぜたことがある。

2018-06-05 00:12:29
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

私は改革へのエネルギーの源泉は共感でも怒りでもいいと割り切っています。過去よりも今後に向けた中長期の動きが大事です。今回の都政改革では全体として次第に「新しい考え方に変えなくてはいけない」という気運が醸成できました。

2018-06-05 00:13:10
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

ちなみに特別顧問への反発だの支持だのなんてどうでもいいんです。我々は所詮は組織の構成員ではない。職員や知事には寄り添うけれど改革の触媒役です。だからあちらから見たら使い捨てでいいんです。その役割は十分に果たせたし、今の都庁はいい方向に反応しつつあるのではないでしょうか。

2018-06-05 00:13:23
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

知事選挙の直後からオリンピック予算や市場移転の見直しにかけての頃は職員の間に抵抗と戸惑いがあった。しかし都政改革本部が機能し始めるにつれ、改革の狙いを理解し、変えることに対して納得する人が増えました

2018-06-05 00:13:45
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

利用者の生の声やデータを集め公開する。そこから改革の方法を考えるやり方にだいぶ慣れていただいた。事業分析の対象になった部局のほかにも監理団体や局のヒアリングを行う中で「世の中の常識はこうではない」「数字をみて費用対効果を見直す」ということを考えてもらうようになったと思います。

2018-06-05 00:14:25
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

やり残しはありません。『2020改革プラン』に全て反映してあります。これまでもやるべきことを順番にやってきました。ただ、都庁改革を車にたとえていうと、知事お一人ではなかなかエンジンがかからなかった古い高級車を、私たちが蹴飛ばして無理やり動かしたようなものです。

2018-06-05 00:14:46
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

蹴飛ばし続けたら、とうとう反応して動いた。それで最近は近所なら言うとおりに走れるようになったという程度です。 たとえば、公園や美術館などの現場に行って、目に見える形で都民サービスの改善やコストダウンがどんどん進んでいるかというとまだまだです。

2018-06-05 00:14:58
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

前任の過去二人の知事が任期を全うせずに辞められた組織です。そんな中、都庁はやっと小池さんという真っ当でパワフルな知事を得ました。大臣のご経験もあって安定感がある。寸暇を惜しんで職員の話を聞かれるし、ろくに都庁に来ない知事の時代とは隔世の感があるでしょう。

2018-06-05 00:15:32
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

だから職員は知事に相談しながら、『2020改革』をちゃんとやってほしい。その意味でいうと「しごと改革」「仕組み改革」は順調に進んでいますが「見える化改革」は心配です。自分でどこまで事業のあり方が見直せるか。限界への挑戦です。あれは少しでも手を抜くと絶対に失敗します

2018-06-05 00:15:48
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

現場は現状肯定に走りがちですから特に副知事、局長が率先して改革案を作らないと枝葉末節の改善作業に終わるでしょう。ただ、都庁はオリンピック開催を控えた特殊な時期にある。その準備で忙しい。そして前の二人の知事の退任や議会勢力の激変に伴う混乱もあったので、他の自治体とは状況が違う。

2018-06-05 00:16:01
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

情報公開や内部統制などは最優先課題ですが、その他の改革は優先順位を考えながらやるべきでその見極めは知事の采配にかかっていると思います。

2018-06-05 00:16:09
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

役所の改革はまずは美術館や公園などサービス系の分野から取り組むのがよい。利用者の反応が得られ、励みになります。

2018-06-05 00:16:36
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

今の都庁は住民ニーズに向き合うよりも議員の顔色ばかり気にしている。何をやる前にも必ず「一部の議員が何か言ってくるかもしれない」と気をもむ。過去の知事の力が弱すぎたのか、組織が巨大すぎて都民の声が直接聞けないからかわかりませんがもっとプロとしての自信をもって仕事をしてほしい

2018-06-05 00:16:48
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

そのためにはヒアリングやアンケート調査で普通の都民の反応を直接自ら取りに行く。それをしておけば一部の議員の思い付き的な発言に右往左往することもなくなるでしょう。

2018-06-05 00:16:59
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

美術館などは監理団体の東京都歴史文化財団が指定管理者となっています。そこの学芸員は優秀で、展示の中身も高く評価されています。しかし都からの出向職員が担う建物の管理や来館者サービスはいまひとつです。

2018-06-05 00:17:12
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

ハコモノの管理や来館者サービスは百貨店やイベント会社に再委託すべきです。専門性のない都庁職員が副館長などに出向する慣行も廃止すべきです。理想的には財団形式をやめて企画と学芸部門は独法化し、サービスや管理はノウハウがある民間企業に任せたらよい。

2018-06-05 00:17:22
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

仮に財団が全部を担当し続けるなら、ハコモノ管理については民間からプロの人材を雇ってくるべきです。そしてその人の下でプロパー職員を育てるべきです。

2018-06-05 00:17:34
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

小池都政には劇的な改革を期待する方が少なくない。知事選と都議選は劇的な勝利だったし、五輪の工事や豊洲への移転を見直したのも劇的だった。10年前から始まった「大阪維新」の成功が先例としてある。遅れて始まった東京の改革でも大阪のような劇的な改革を期待される向きがあるのはわかる。

2018-06-05 00:23:41
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

だが、今の東京、そして都庁は10年前の大阪とは違った状況にある。財政状態はまだ悪くないし、五輪の準備が最優先課題である。都市問題への取り組みという意味では同じだが、今すぐに大阪と同じ手法による改革を期待すべきではないだろう。

2018-06-05 00:24:06
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

小池知事の庁内組織の動かし方や政策の見直しは、現場の意向をくみ上げながら知事の方針を浸透させていく堅実なものが多い。要所では抜本的な見直しや課題提起がされるが具体の政策の見直しではまず宿題を出して原局に考えさせ、いいものが出てきた場合はそれを尊重する。

2018-06-05 00:24:29
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

その他の改革にしても、自律改革の手法に代表されるように「まずは現場に考えさせる」というスタンスである。 こうした(我慢強い)姿勢は2回の大臣職の経験や知事個人のリーダーシップのスタイルに由来するものだろう。だが、現在の東京都が置かれた状況に沿ったものでもある。

2018-06-05 00:24:46
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

何しろ石原元知事の退任後、知事が短期間に3回も替わった。それにもかかわらず(あるいは、それがゆえに)都庁は五輪と豊洲の疑惑という大きな問題を抱えていた。だから小池知事は当初は劇的ともいえる手法で3つの公約課題に取り組んだ。

2018-06-05 00:25:08
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

しかし、同時に2020年夏の五輪開催に向けては国や組織委員会、他県との関係を含め、安定した庁内準備体制を作る必要があった。そこで知事は一気呵成に病根を取り除いた後は、関係者が心を合わせて五輪の準備に取り組める体制づくりに腐心した

2018-06-05 00:25:12
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

このような状況にあわせた素早いスタイルの転換は、経営者に重要な資質だろう。こうした事情を背景に、小池知事の誕生とこれまでの経過は、いろいろな目まぐるしい変転を伴うものだった。しかし、多くの東京都民にとってはベストな展開だったといえるのではないだろうか。

2018-06-05 00:25:24
上山信一 Ueyama @ShinichiUeyama

「自律改革」は文字通り、各局が自ら課題を探し、解決の方法を考え、取り組んでいく。内容は局によって異なり、新規施策や技術導入もあれば、規制緩和や事業の廃止もあった。途中経過は本部会議で局別に発表してもらった。ノウハウを冊子にまとめてマニュアル化し、広く全庁で横展開できるようにした

2018-06-05 00:26:24