突発現パロSS、第九話

カップリング書いたらネタバレになるんだろうか?
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鉢植えホットケーキ @in_KabeWall

球磨に指示された三日間が過ぎる。 定時連絡を受けながら報告書を読んだり、大井と話したり。その間に色々出入りする何人かと仲良くなり、鹿島は会社に居心地の良さを感じていた。 なんとなく良い気分で出社すると、鹿島の席には球磨が座っていた。

2018-06-06 20:41:35
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「おはよークマ、えーと三日ぶりクマ?」 「おはようございます球磨さん、月曜日にお会いして以来だから、そうですね」 「ふむ、では座るクマ」 球磨は椅子から立ち、鹿島の腕を引いた。 「姉さん、始業前ですよ」 隣から大井がたしなめる。 「あっ大井さん、おはようございます」 「おはよう」

2018-06-06 20:46:02
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「このチョコやるから構えクマ。で、本題だけど」 有名ブランドのチョコを手渡し、球磨は鹿島の両肩に手を置いた。 「艦娘、なってみないかクマ」 「......ええと」 「もちろん事務のままでも良いクマ。それに今きいたのに今決めろなんて言わないクマ。考えが固まったら答えをきかせて欲しいクマ」

2018-06-06 20:55:22
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艦娘は艤装とよばれる専用の機器を身につけて海上で自由に行動する事ができる。ただし慣れるまでには訓練が必要で、期間はかなりの個人差がある。 一人立ちしたあとは依頼を受けたり自分で仕事を取りにいったりする。 これが大井との雑談のうちにされた艦娘職の説明だ。

2018-06-06 21:04:18
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「もちろんだけど、訓練期間中も給料は出るクマ」 「あの、球磨さんは艦娘やってるんですか?」 「うん。球磨は軽巡なんだけど、社長だから現場にはあんまり出られないクマ」 「そう、ですか」 球磨は明らかに鹿島が艦娘を選ぶ事を期待している。 「姉さん、そろそろ時間では?」 「あ、もう行くクマ」

2018-06-06 21:12:37
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「答えはいつでもいいクマ。何かあったら電話するクマ〜」 じゃ、と手を振って球磨は走って部屋を出ていった。誰かとぶつかったのか、こら球磨ちゃん!と声が聞こえた。 「鹿島、ゆっくり考えなさいよ」 「はい、大井さんも艦娘やってるんですよね?」 「ええ......手が足りない時たまにね」

2018-06-06 21:19:32
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「香取姉も、ですよね」 「ええ、そうね」 鹿島は一瞬、どこか遠くを見た。 「大井さん、私が艦娘になったら、先輩後輩として指導をお願いしても良いですか?」 「......ええ、いいわ。私は鹿島達と艦種が違うから少し勝手も違うのだけど、香取はあなたと同じ艦種だから、彼女にもお願いすべきかもね」

2018-06-06 21:24:48
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始業のチャイムが鳴った。 「社長に電話する?」 「少し落ち着いてからにします」 「賢明ね。さて、鹿島が自分の席で初めてする仕事なんだけど」 大井は紙束が入ったカゴを机に置く。 「手書きの報告書の入力をお願いするわ」 「わぁ」 書いた時疲労していたのだろう、文字の解読に苦労しそうだった。

2018-06-06 21:34:41