突発現パロSS、第十一話

重要なエピソード
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鉢植えホットケーキ @in_KabeWall

「その反応......本気なのね」 「鹿島は苦難の道のりを敢えて選ぶヒトなんだね」 「大丈夫、困ったら雷達に頼っていいのよ」 「電たち、応援するのです」 「わ、私......うぅっ」 暁たちは団結する。鹿島が頭を抱えていると、ようやく球磨が到着した。 「こら何いじめてるクマ」 「出たわね球磨!」

2018-06-09 18:32:06
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追って大井も戻って来たが、鹿島は直視できなかった。 「鹿島、しゃがみ込んで......気分でも悪いの?奥に行って座っておく?」 「いっいえ大丈夫です、非常に元気が有り余ってます」 そう言うが、顔は赤いし目は潤んでいる。 「もしかしてあのコらに何か嫌な事でも言われた?」 「皆良いコ達です!」

2018-06-09 18:37:35
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暁は一歩球磨に近づいた。 「今日こそ私たちを艦娘として働かせてもらうわ」 「何度もダメって言ってるクマ」 「適正あるんだから良いじゃない」 「あの時はあんまりうるさいから測定したけど、子供は雇えないクマ」 「何よ、球磨だって子供みたいな見た目のくせに」 「球磨はちゃんと歳とってるクマ」

2018-06-09 23:20:01
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「ほら、貴重な休日を無為にするんじゃないクマ、遊んだり勉強したり休んだりするクマ」 「やだ、私も誰かを助ける仕事がしたいの!のん気に学校なんか通ってられない!」 「気持ちは充分伝わったクマ。十年経っても心が変わらないようなら、いつでも雇うクマ」 「だから......」 「暁、もう帰ろう」

2018-06-09 23:36:29
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涙ぐむ暁を響が促して去る。 「あの、ご迷惑おかけしました」 「でも絶対十年待ってよね?学校は卒業するから」 電と雷も二人の後を追って去っていった。 遠くから球磨のわからずや、と大声が聞こえたので、落ち込みはしなかったようだ。 「はぁ、心が痛むクマ」

2018-06-09 23:41:52
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鹿島は結局しゃがみ込んだまま顛末を見守った。 「あいつらの諦めがつくまで断り続けるしか無いけど、泣かれるとキツいクマ」 複雑な表情で球磨はため息をついた。 「さて鹿島、プールの準備ができたって大井に伝えに行かせたんだけど」 球磨の視線に大井は頷く。 「もうこそこそする必要無いクマ」

2018-06-09 23:49:56
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「プールに張った水を海にかえすからほんの少し待つクマ」 そう言って球磨は奥へ駆けていった。 「待たせてばかりでごめんなさいね」 「あっ、いえ......」 相変わらず鹿島は挙動不審だ。 「ねぇ、本当に大丈夫?具合が悪いなら早退して良いわよ?」 「本当に、身体は全然問題ないんです!」

2018-06-09 23:54:25
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大井は横で同じ姿勢をとって、鹿島の背中を優しく叩いた。 中のプールの取水口はあの辺りにあるの、と背中に手を添えたまま岩場の方を指差すが、鹿島の頭に入って来ない。 とにかく体調不良では無いことを示したいのだが、大井が傍に居ることを意識すればするほど、体温が上がっていくような気がした。

2018-06-10 00:00:37
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「おまたせクマ〜」 「香取さんのと同じモデル持ってきたわよ」 数分しないうちに、球磨が夕張を伴って戻ってきた。 「姉さん、鹿島の体調が良くなさそう」 「そんな事は」 「顔が赤いクマね......当社は体調不良者には容赦なく帰宅を命令するクマ。夕張!」 「はーい」 夕張は何か機械を取り出す。

2018-06-10 00:04:36
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「明石さんお手製のメディカルチェッカーですよー。はいこっち向いて」 鹿島は一瞬光を見た。 「うん、健康状態に問題なし。感染症でも無い。えーと、ちょっと興奮気味なだけね」 夕張は鹿島を見てにこりと笑った。 「鹿島、気分はどうクマ?」 「大丈夫です、きっと緊張しているんだと思います」

2018-06-10 00:10:21
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「夕張、それ信用できるの?」 「大井が風邪ひいた時とか薬飲んでても感染症だって当ててたでしょ!その時から更にアップデートしてるの、成人ならかなり正確に測れるし」 「ストップクマー、ほっといたら絶対あと三十分は語り続けるクマ」 三人が会話をする間に、鹿島は深呼吸をして心を落ち着けた。

2018-06-10 00:15:42
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「あ、もう大丈夫そう?」 立ち上がった鹿島は、普段通りの彼女に戻っていた。 「じゃあ早速足の艤装をここでつけて、サイズとか微調整したら海に出ましょう」 「はい!」 鹿島は艤装を付けて、夕張から細々とされる質問に答えていく。その最中も、大井に触れられた感触がずっと背中に残っていた。

2018-06-10 00:25:30