2018-06-14のまとめ
推計値には相応の幅があるが、これらを踏まえて総合的に判断すると、最近の自然利子率は、概ね0%程度の範囲内で推移していると考えられる。
2018-06-14 22:59:12自然利子率の変動における最大の要因は、技術進歩率である。例えば、1980年代から直近までの自然利子率の低下幅約4%ポイントのうち、2%ポイント強が技術進歩率の変化に起因する。
2018-06-14 22:59:16次に重要な要因は、金融仲介活動の機能度である。ただしこの要因は、自然利子率を趨勢的に押し下げるのでなく、押し上げにも作用している。
2018-06-14 22:59:16わが国の場合、他国と比べて顕著な少子高齢化が今後も進展していくことが確実視されており(図6)、こうした人口動態要因が先行きの自然利子率に及ぼす影響を評価しておく意義は大きい。
2018-06-14 22:59:20少子高齢化の自然利子率への影響は、理論的には押し上げと押し下げ双方があり得るため(図7)、ネットでみた評価については、こうした精緻なモデルを用いることが必要になる。
2018-06-14 22:59:21OGモデルによる先行きの自然利子率のシミュレーション pic.twitter.com/FmadbhOavC
2018-06-14 22:59:22技術進歩率などの経済構造については、直近と同水準で推移するとの想定を置いている。これによれば自然利子率は、今後、2040年代にかけてごく緩やかに低下するものの、0%以下まで落ち込むことはなく、長い目でみれば近年と概ね同水準で推移する。
2018-06-14 22:59:23人口動態要因はネットでみて自然利子率を押し下げる方向に寄与していること、また、押し下げ寄与の主因は、寿命要因であることが確認できる。
2018-06-14 23:00:53これは、長寿化を予想した家計が将来に備えて貯蓄を増加させることで、マクロ経済全体でみた資本ストック量が労働供給量対比で過剰になり、自然利子率が低下するというメカニズムが働いた結果であると考えられる。
2018-06-14 23:00:54技術進歩率が上振れたケースと下振れたケースの自然利子率 pic.twitter.com/oaViwgWzzd
2018-06-14 23:00:55技術進歩率の先行きが、図9のシミュレーションで用いた直近時点の値の1.1%から2%に上振れたケースと、逆に0%へ下振れたケースについてシミュレーションを行うと、前者では自然利子率が2%近くまで上昇する一方、後者では自然利子率が明確なマイナスで推移するなど、結果は顕著に変化する
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