【羅生門】何故わからないのか? 何処がわからないのか? いや、それがわかれば、わからない作品ではない。 何が何だかわからないから「わからない」のだ。

当時、この映画は一般人にとってもそれほど難解だったのだろうか?
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三一十 四四二三 @31104423

「羅生門」 大映社長永田雅一は、この映画が理解できず、興行も不振であったために関係者を左遷したりしたが、後にベネツィア映画祭でグランプリを取ると掌を返して絶賛し「わしが作ったんや!」とふれてまわった。(よく知られるように、永田はグランプリの意味すら知らず、映画祭には関係者が誰も参加 pic.twitter.com/EXBtT97rgb

2018-05-06 16:05:22
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しなかったため、そのへんを歩いていたアジア人の男性が呼ばれ、代理としてトロフィーを受けるという珍事もあった。海外では長く、このアジア人男性こそが黒澤明その人だ、と信じられていたという) ところで永田雅一の知的レベルがどの程度だったかはわからないが、当時、この映画は一般人にとっても pic.twitter.com/lI1yBHTrXj

2018-05-06 16:05:26
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それほど難解だったのだろうか? 興行的失敗は作品が難解だったため、とどの文献にもあるが、今日の目で見れば、これはむしろ非常に懇切丁寧に語られた作品であり、わかりやすすぎて、ややクドい、ウザい、と感じる人もいるのではないか? これを難解と感じた日本人は、いつ、変わったのか? pic.twitter.com/pSOBnWw8f6

2018-05-06 16:05:29
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何によって変わったのか? 私の叔母は学生時代「太陽がいっぱい」でアラン ドロンの熱狂的ファンになったが、作品自体は「難しくてよくわからなかった」という。 これもまたアバンギャルドな表現があるわけでなく、懇切丁寧に語られた1960年の作品だ。 叔母は70年代のリバイバルで見直して pic.twitter.com/KWK8DiHo8x

2018-05-06 16:05:33
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三一十 四四二三 @31104423

「こんなにわかりやすい映画だったのか?」と驚いたらしい。 人生で最も知的に安定した学生時代ではわからず、わずか10数年で「わかる」ようになる。 こうなると、叔母は初見時、何がわからなかったのか?何がわかるようになったのか?と疑う。 同じく、永田雅一も、どこが理解できなかったのか? pic.twitter.com/5SorTI8zRT

2018-05-06 16:05:36
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三一十 四四二三 @31104423

しかし「わからん」と言う人に、それを訊くことは出来ない。 何故わからないのか? 何処がわからないのか? いや、それがわかれば、わからない作品ではない。 何が何だかわからないから「わからない」のだ。 だから難解と呼ばれる作品の「難解さの意味」を知ることは常に難しいのだ。 pic.twitter.com/Vt7MDgN34D

2018-05-06 16:05:40
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