アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、F-エフ-6話脚本:生き甲斐を提示する側の「責任」

まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きで始めた、カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。 今回は、F-エフ-6話脚本。 前回は、同作5話脚本。 ブログ:makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/06/… 上記ブログのtogetter版: togetter.com/li/1238103 他: togetter.com/id/makimogpfb

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高屋敷氏脚本F-エフ-6a アニメ・F-エフ-は、六田登氏の漫画のアニメ化作品。 破天荒だが天才的な運転技術を持つ青年・赤木軍馬が、レーサーとなって数々の熱い勝負を繰り広げていく。 監督は真下耕一氏で、高屋敷氏はシリーズ構成・全話脚本を務める。 今回のコンテは真下監督で、演出は杉島邦久氏。

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高屋敷氏脚本F-エフ-6b 詳細は、ブログに書きました: F-エフ-6話脚本:生き甲斐を提示する側の「責任」 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/06/… #はてなブログ 上記ブログの、F-エフ-についての記事一覧: makimogpfb2.hatenablog.com/archive/catego…

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高屋敷氏脚本F-エフ-6c 今回の話: 前回、免許取得直後に公道をレースカーで走った軍馬は一発免停。 そんな軍馬は、純子(同じアパートの住人)の恋人・龍二が、2年前、レースで事故死したことを知る。 軍馬は、龍二が死の間際に見ていた「何か」を自分が見せてやると純子に宣言、今日から仲間だと言う…

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高屋敷氏脚本F-エフ-6d 軍馬は、親友のタモツと共に、純子の部屋でレースのビデオを見る。 軍馬は、月をダシにして純子を口説く(アニオリ)。月や太陽は、高屋敷氏の作品では大きな役割を持つ。 画像は三日月シリーズ。今回、チエちゃん奮戦記脚本、空手バカ一代演出、蒼天航路・チエちゃん奮戦記脚本。 pic.twitter.com/p5UfDLSnIL

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高屋敷氏脚本F-エフ-6e タモツ(軍馬の親友であると同時に、天才的メカニック)が軍馬の免停を嘆くのだが、原作よりも軍馬とタモツのやり取りが幼く、可愛い友情描写が得意な高屋敷氏の特徴が出ている。 めぞん一刻脚本、元祖天才バカボン演出/コンテ、忍者戦士飛影脚本、エースをねらえ！演出と比較。 pic.twitter.com/MuYostVhjA

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高屋敷氏脚本F-エフ-6f 純子は、軍馬とタモツに、最終目標を尋ねる。 軍馬は「当然、F1だ」と宣言。一瞬深刻な顔をし、己の限界を知れと言う純子に対し、「そのうちモナコのお月様見せてやるぜ」と、軍馬は軽口を叩く。この台詞はアニオリで、「お月様」というのが実に、月を重視する高屋敷氏らしい。

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高屋敷氏脚本F-エフ-6g 純子は、そんな軍馬を強く諌める。驚いた軍馬は、みかんを落としかけるも、バランスを取ってみかんをモグモグする。高屋敷氏の特徴である、食いしん坊描写が出ている。 ルパン三世3期・MASTERキートン脚本と比較。 pic.twitter.com/s18I9hwy09

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高屋敷氏脚本F-エフ-6h 純子は、「命を落としたらどうするの」と言うが、軍馬に「“心の底から軽蔑してる(前回、純子が宣言)”男がどうなろうと知ったこっちゃないんじゃねーのか」と言われる。 ここも、みかんをモグモグしながら物を言う軍馬が幼い。とにかく高屋敷氏は、「幼さ」の表現に長けている。 pic.twitter.com/LeImBbkkfL

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高屋敷氏脚本F-エフ-6i 翌朝、軍馬は、さゆり(アパートの大家で、純子の叔母)から、純子の部屋で資料映像を見ておくように、とのタモツの伝言を聞く。 少々遊ぶも、しばらくビデオを見ていた軍馬だったが、次第に飽きて、他のビデオを漁る。すると、棚の奥にある1本のビデオを発見、再生する。

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高屋敷氏脚本F-エフ-6j 一方純子は、電車の窓に顔を映しながら、過去を回想する(アニオリ。原作では喫茶店)。 「自分と向き合う鏡演出」は、高屋敷氏の演出・脚本作ともに多い。 めぞん一刻脚本、ベルサイユのばらコンテ、忍者戦士飛影脚本と比較。 pic.twitter.com/0Q61xzIz0x

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高屋敷氏脚本F-エフ-6k ここからは純子の回想と、軍馬の見るビデオが、平行進行する。アニオリ演出で、うまくできている。 ビデオには、純子の恋人・龍二が映っていた。彼はF3レーサーで、純子とは結婚寸前の仲だった。

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高屋敷氏脚本F-エフ-6l アニメでは、純子の回想として、純子と龍二の仲睦まじさが追加描写されており、龍二は純子の手を握る。手から手へ「心」を伝えるのは、高屋敷氏の大きな特徴。 ルパン三世3期脚本、カイジ(シリーズ構成)、ワンナウツ脚本と比較。他も多数。 pic.twitter.com/03M8d44Z3G

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高屋敷氏脚本F-エフ-6m 回想の中で純子は、ビデオカメラを構える。生きているような、レンズのアップ・間があるのだが、「魂を持つような物」のアップ・間は、高屋敷氏の作品には頻出。ロボットも、無口型が多い。 1980年版鉄腕アトム・花田少年史・MASTERキートン・1980年版鉄腕アトム脚本と比較。 pic.twitter.com/E12xVdL7oG

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高屋敷氏脚本F-エフ-6n 純子のビデオカメラは、龍二のマシンを捉える。だが龍二のマシンはトラブルでクラッシュ、爆発炎上してしまう。軍馬も、その瞬間をビデオで見て、衝撃を受ける。 後から入ってきたさゆりは、龍二が純子の中に住みついている限り、純子を手に入れることは出来ないと指摘する。

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高屋敷氏脚本F-エフ-6o 翌朝、ランニングに出る際に軍馬は、龍二の名を呼ぶ、純子の寝言を耳にする。何故か腹が立った軍馬は、純子の部屋の窓ガラスを叩き割る。 一方その頃、聖(軍馬のライバル)はジムでトレーニング。ここはアニオリで、極力、聖を出しておきたいという、構成の意図が感じられる。 pic.twitter.com/Rg81gJ2gFu

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高屋敷氏脚本F-エフ-6p 免停講習を受けに行った軍馬は、様々な自動車事故の写真を見ながら考え込む。ガムをふくらますのは原作通りだが、ガム風船が意味深に割れるのはアニオリ。ここも高屋敷氏特徴の、「意思を持つ物」の描写。めぞん一刻・蒼天航路・忍者戦士飛影・マッドハウス版XMEN脚本と比較。 pic.twitter.com/ZUjm0iTjUR

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高屋敷氏脚本F-エフ-6q 講習後、森岡モータース(タモツの知人の店)に、愛車の改造トラクターで寄った軍馬は、タモツを拾うと走り出す。 免許を取り戻した軍馬は、レースに必要なライセンスを一刻も早く取得してレースをやりたいと言い出す。 ここはアニオリで、軍馬の焦りが、よく表れている。

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高屋敷氏脚本F-エフ-6r アパートでは、軍馬へのプレゼントを服の中に隠し持って、さゆりが軍馬の帰りを待っていた。高屋敷氏は、味のある老人描写が上手い。画像は、味のあるおばあさん集。 今回と、チエちゃん奮戦記・めぞん一刻・MASTERキートン脚本。 pic.twitter.com/LK5YSEDdMb

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高屋敷氏脚本F-エフ-6s 帰宅した軍馬は不機嫌で、純子に、「惚れた男が死んだのに、なんで死ななかったんだ」と、問い詰める。また、ビデオを見たことや、寝言を聞いたことも告げる。 場は険悪なムードになるが、さゆりは機転をきかせ、プレゼントのヘルメットを軍馬に被せる。

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高屋敷氏脚本F-エフ-6t ヘルメットには、軍馬とタモツのイニシャルであるGとTがデザインされていた。 ところで、原作通りではあるが、「贈り物」は高屋敷氏の作品で強調される。贈り物は、「意思がこもった物」であるためと考えられる。

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高屋敷氏脚本F-エフ-6u 軍馬のフラストレーションは治まらず、彼はヘルメットを被ったまま純子を押し倒し、先ほどの質問を繰り返す。 純子は「死にたかった」と言う。 それでも純子が死ねないのは、龍二が死ぬ直前、「得体の知れない何か」を見ていたからで、それを自分も見届けたいからだと言う。

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高屋敷氏脚本F-エフ-6v この、純子の言う「得体の知れない何か」についてだが、ジョー2脚本で、丈やホセが常人には見えないものを見ていたのが思い出される。限界を越えた、命を賭けた勝負の先にある境地というか。 pic.twitter.com/vpzYVAE7hv

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高屋敷氏脚本F-エフ-6w 軍馬は、純子の気概も、ヘルメットも気に入ったと言う。ただ、足りないものがあると言って、純子の唇に口紅を塗り、そこにヘルメットを押し付け、口紅の痕をつける。 原作通りだが、口紅描写は高屋敷氏の作品に多い。ルパン三世演出/コンテ、蒼天航路・めぞん一刻脚本と比較。 pic.twitter.com/JuZ0kmimlV

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