日向倶楽部世界旅行編第52話「予選二回戦 VS TGS艦娘チーム」

一回戦を勝利で飾ったあきつ丸と鈴谷のチームアイアンクロス、二回戦の相手はTGS艦娘チームである。果たして彼等は勝てるのだろうか…!?
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三隈グループ @Mikuma_company

「アタシは千鳥」 「私は白鷺」 「Teddy Guard Service…」 「ああいう新興企業ってのは競争だもんなァ」 「ブスが調子に乗りやがって!」 「ゴミはゴミって事、決着で教えてあげるわッ!」 「TGSの艦娘チームがなぁ、負けるわけねえでしょッ!」 日向倶楽部、この後21:00! pic.twitter.com/yKu5hfw1Ty

2018-06-26 20:44:43
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【前回の日向倶楽部】 扶桑です。 闘技大会、始まりましたね、私は初霜さんと共に皆の応援をしています。ただスタジアムが二つある為、同時に試合があると片方を見られません、ちょっと困りますね、私がもう一人いたら良いのですけど。初戦は皆勝利でスタートを切っているので、この調子で二回戦も頑張

2018-06-26 21:00:11
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【前回の日向倶楽部その2】 あきつ丸と鈴谷は、予選リーグ一回戦をカウントアウト勝ちで飾った!彼等の次なる相手はTGS艦娘チーム、果たしてどんな相手なのだろうか…?

2018-06-26 21:01:07
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日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第52話「予選二回戦 VS TGS艦娘チーム」

2018-06-26 21:02:06
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〜〜 さて、一回戦の翌日、あきつ丸と鈴谷のチームアイアンクロスは、二回戦を迎えようとしていた。 時刻は午後0時、試合開始まであと1時間。早めの昼食を済ませておいた二人は、会場となる第二スタジアム控え室で待機している。 基本的な事は昨日で確認済み、今は精神的な落ち着きをする時だ。

2018-06-26 21:02:59
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「ネイルねェ…」 鈴谷は置いてあった雑誌を読みながら、自分の右手を冷めた目で見て呟く。その直後、鋼鉄の左腕を見て鼻で笑う。 「こっちにつけた方が、使い道あるかぁ?」 義手がガシャガシャ動き、ソードアームに換装される。この腕に付けるなら何なんだ?そんな事を考える。

2018-06-26 21:04:17
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一方、あきつ丸はストレッチなどをして身体をほぐしていた。 「んぬぬ…!」 自分は鈴谷に比べると未熟者、だから100%の力をきちんと出せるようにして、少しでも差を埋めようというわけだ。 が 「ふっ、ふっ、ふぐぁっ!?」 勢い余ってすってんころりん、あきつ丸は床に叩きつけられた。

2018-06-26 21:04:57
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「いたた…」 「だいじょぶ?」 鈴谷は雑誌を読みながら、うつ伏せの彼女に声をかける。とその時、不意に控え室の扉が開いた。 「ここか?鋼の鈴谷がいるっていう控え室は」 開くと同時、キザったらしい女の声と 「じゃない?もう居るのかは知らないけど」 キツそうな女の声が入って来た。

2018-06-26 21:05:46
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そして入るなり、女はあきつ丸を嘲笑する 「あら白鷺、あの娘床で寝てるわ、田舎者だからタタミが恋しいのかしら?」 するとすかさず、キザの方も彼女を笑う。 「やめろよ千鳥、人のコンプレックスをつつくのは失礼だろ?」 言い放題の二人に、言われたあきつ丸は怒るよりも困惑した。

2018-06-26 21:06:29
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というかそもそも、この控え室は選手専用、他人が入ってくる所ではない。 「…変わったスタッフだな、試合はまだだぜ」 雑誌を開いたまま、鈴谷は顔を向けて訊ねる。視線の先には、長身で眼鏡をかけたキザったらしい女と、おかっぱ頭で目つきのキツい女が、なんともふてぶてしい態度で立って居た。

2018-06-26 21:07:20
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すると、キザったらしい女が、眼鏡をクイっと動かして言った。 「フッ、自己紹介しておこうか。我々は、テディ・ガード・サービスの艦娘チームさ。」 「テディ・ガード・サービス…Teddy Guard Service…ああ」 名乗られた名前に、鈴谷は呟きながら頷く、二人の正体は完全に理解した。

2018-06-26 21:08:08
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していると、まずおかっぱ頭が名乗った 「アタシは千鳥(チドリ)、TGS艦娘チーム千鳥班の隊長」 続いてキザ眼鏡が名乗る 「私は白鷺(シラサギ)、TGS艦娘チーム白鷺班の隊長さ」 千鳥、白鷺、両者は不敵に笑い、鈴谷を目で笑う。対する鈴谷は、興味ゼロといった具合に、雑誌へまた目を向け始める。

2018-06-26 21:09:04
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そんな彼女に二人は顔を見合わせる、そして白鷺が言った 「おい、君は鈴谷だろ?」 「そうだけど」 鈴谷の返事は適当、だが白鷺は続ける 「なんだって、こんな冴えない田舎者と組んでるんだ?」 白鷺はそう言って、あきつ丸を心底バカにしたような目で見る、冴えない田舎者を見る目だ。

2018-06-26 21:09:49
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すると、すかさず千鳥が言う 「もしかして、組む相手がいなかったんじゃないの?ほら、片腕無いし、あんなぶっとい腕、キモいし。」 「おい千鳥失礼だろ、出来の良い義手が買えない人間だって、世の中にはいるんだ。」 千鳥の暴言に、白鷺は半笑いで答える、二人のそれは鈴谷に対する中傷だった。

2018-06-26 21:10:31
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それから二人は反応を伺うように、ニヤついた顔で鈴谷の方を見る。しかし彼女は呑気に雑誌を読んでいる、反応はない。 だが、鈴谷への中傷に、あきつ丸が怒った! 「あ、貴女達さっきから…」 食ってかかろうとするあきつ丸、だが 「…なあ」 彼女が大きく出る前に、鈴谷の低い声が響いた。

2018-06-26 21:11:40
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彼女が反応した、その事実に白鷺と千鳥は口角をさらに上げる。 「なんだい?鈴谷」 ニヤニヤとする白鷺、その顔はキザというより性悪。そこへ、鈴谷は淡々と言い始めた。 「…あんたら、随分と余裕がないみたいだな」 「あ…?」 彼女の予想外のセリフに、白鷺の笑みが固まる。

2018-06-26 21:12:23
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一方の鈴谷は雑誌を置き、半笑いで続ける 「わざわざこんなところでゴチャゴチャと…やり口が女々しいが随分周到だ、よっぽど勝ちたいんだろ?」 口を噤んだままの二人の前で、鈴谷はふてぶてしく足を組む 「…いや、勝ちたいってよりは"負けるのが怖い"って感じだな、それも結構切実に」

2018-06-26 21:13:09
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彼女の淡々と言う言葉に、白鷺と千鳥の顔からは笑みが消える、図星のようだった。 「フ、フン…強がりを…」 「TGSってよ、あのGO(Grizzly Organization)の子会社っしょ?ああいう新興企業ってのは競争だもんなァ…大変なこった」 吃り、強がる二人に、鈴谷は淡々とまくし立てる

2018-06-26 21:14:23
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そして鼻で笑うと、自身の履くローファーを眺めて言った。 「どうしてもって言うなら良いぜ、ちょうど靴の汚れが気になってんのよね」 それは遠回しな表現、しかし鈴谷の表情は、それが何を意味するかを千鳥達にハッキリと伝えていた! 「どうよ?」 念を押すように鈴谷は訊ねる

2018-06-26 21:15:21
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すると、千鳥達は顔をしかめて舌打ちする、その表情は先程までの余裕も嘲笑もない、矮小な器を表す顔であった。 「…チッ!行くわよ白鷺!」 「ブスが調子に乗りやがって!必ず後悔させてやる!」 二人は吐き捨てるように言うと、荒っぽくドアを閉め、控え室を後にした。

2018-06-26 21:16:31
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やがて部屋が静かになると、鈴谷は肩をすくめて笑う 「ハハッ、面子が大事なら、それらしくしときゃあ良いのにな」 だろ?といった風に、彼女はあきつ丸に笑いかける。 「え、ええ…そうでありますな?うむ…」 一方のあきつ丸は、目を瞬かせながらそれらしく頷いた。

2018-06-26 21:17:17
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やがてしばらくすると、試合が近付いて来ていた。鈴谷は襟を整え、伸びをしながら立ち上がる。 「まあ、ああは言ったが相手は企業の艦娘だ、油断はせずにね」 「ええ、そのつもりです。」 「っしゃ、なら良いよ。じゃあ行こうぜ」 二人は控え室を出て、戦いの準備に向かった… 〜〜

2018-06-26 21:18:03
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〜〜 ここはブルネイ泊地水上スタジアム、第二スタジアム放送席 「どうも皆さんこんにちは、こちら第二スタジアムの放送席。実況は私下田悠次郎、解説は三隈倫子さんにお越し頂いております。」 下田がそう言うと、三隈倫子…もとい三隈は軽く会釈する。

2018-06-26 21:19:27
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「はい、今日も第二スタジアムの解説は私が務めさせて頂きます。どうぞ皆さん、最後までよろしくお願いしますね。」 解説というよりはウグイス嬢的な、通り良く品の良い声。ともあれ、こっちは今大会のスポンサーでもある三隈が解説なのだ。 ちなみにこれ、予選においては8時間解説という激務である。

2018-06-26 21:20:13
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ともあれ、彼等はプロなので平気なのだ。 「さて昼休憩明けのスタジアム、二回戦第2試合のカードは鈴谷、あきつ丸のチームアイアンクロス対、千鳥、白鷺のTGS艦娘チームとなっておりますが、三隈さん、このカードをどう見ますか?」 実況の下田が訊ねると、三隈は小首を傾げて答える。

2018-06-26 21:21:02
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