日向倶楽部世界旅行編第21話「あらわれるもの」

伊勢とザイアン、思惑を孕んだ両者がタッグを組んで日向達に襲い掛かる。 海賊の襲撃やザイアンの変化もあって窮地に陥る日向達、果たして活路は見いだせるのか…
0
三隈グループ @Mikuma_company

【前回までの日向倶楽部】 シドニーを発った日向達の前に謎の航空戦艦娘伊勢と、以前日向達に敗れた深海棲士ザイアンが現れる。 鈴谷とのタッグで戦況を優位に進めた日向だが、戦いの最中でヒューガリアンが攻撃を受ける。 そして更に、ザイアンが二人の前でその姿を変えた…!

2017-10-31 21:30:16
三隈グループ @Mikuma_company

【前回までの日向倶楽部2】 やっほ、私は伊勢!好きなお菓子はきな粉餅! 良い子のみんな、放送日とハロウィンが奇跡的にマッチしたのにごめんねー、日向達は私と殺し合いの真っ最中でそれどころじゃないんだ。 でも姿形は変わるから、お楽しみにね! という事で、第21話始まり始まり〜!

2017-10-31 21:31:08
三隈グループ @Mikuma_company

日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第21話「あらわれるもの」

2017-10-31 21:31:39
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 「オレはザイアン…深海棲士ザイアン! いまのオレは、とてもツヨい!」 姿を変えたザイアンは雄叫びを上げて両手の砲を構える、右腕の砲は相変わらずだが、左腕の砲は砲身が二つある連装砲だ! 「さあザイアン、行くよ?」 「ウオォ!」 ザイアンは唸りながら砲撃を開始する。

2017-10-31 21:32:07
三隈グループ @Mikuma_company

そしてそれに合わせて伊勢が突撃!再び日向の方を狙い始める! 「もう一度だよ日向!」 「チッ、砲を使わせないつもりか…!」 至近距離では身軽な伊勢に分がある、接近を許すわけにはいかない。 「させないってさ!」 故に鈴谷が間に入った! 彼女は弾幕で伊勢の足を止めにかかる!

2017-10-31 21:32:51
三隈グループ @Mikuma_company

「隊長さん、こいつは引き受ける、ザイアンを!」 鈴谷が話す間にも伊勢は弾幕をかいくぐり距離を詰める、日向も支援を行おうとするが、猛烈な砲撃を続けるザイアンを無視は出来なかった。 「すまない、そいつは危険だ、無理はするなよ!」 「へへっ、引き際は分かってるつもりだよ!」

2017-10-31 21:33:38
三隈グループ @Mikuma_company

日向は鈴谷との距離を保ちつつザイアンの方へ照準を合わせる。 伊勢の方はというと、日向を早々に諦め鈴谷の方に目を向けた 「あの日向の相手をしたいけど…まずは貴女かな?」 「軽く見てくれるじゃん?妹はぶっさいくなツラだったけど、アンタは何処が良い?」

2017-10-31 21:34:36
三隈グループ @Mikuma_company

鈴谷は義手を振りながら挑発する、だが伊勢はニタニタ笑うだけだった 「くくくっ、腕はともかく、首って換えが効くのかなぁ?」 伊勢が二本の刀を一つに繋げ空いた手に甲板を持つと、鈴谷は一層警戒と弾幕を強める、向こうは盾を構え事で無理にでも距離を詰めるつもりなのだ。

2017-10-31 21:35:28
三隈グループ @Mikuma_company

水上機同士の戦いも泥沼化している、最早接近戦は避けられないだろう、鈴谷はアームをソードに換装し、備え、呟く。 「…効くと思うよ、試してみる?」 伊勢は言葉の代わりにニタっと笑い、得物を大きく振り回す、戦いは砲撃戦から接近戦にもつれ込んだ! 〜〜

2017-10-31 21:36:16
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 ちょうど同じ頃、ヒューガリアンは海賊船の攻撃にさらされていた。 「くそッ、海賊船からも艦娘が出てるみたいだし、こっちも艦娘を出さないと!」 最上はそう言いながら海上保安艦隊に連絡を入れる、だがどんなに早く対応されてもこのままでは何かしらのトラブルが起きるだろう。

2017-10-31 21:37:06
三隈グループ @Mikuma_company

あきつ丸と初霜は格納庫で待機している、装備も既に整っている、だが周囲に砲撃が飛んできている今、外に出るのは不可能に近かった。 「どうしたら…!」 「モガミン、落ち着いて下さい。」 捻挫の痛みも忘れ焦る最上を三隈が諌める、彼女も繰り返し通信を送り救援を求めていた。

2017-10-31 21:37:55
三隈グループ @Mikuma_company

そしてそんな中、操縦者である扶桑は誰よりも冷静だった。 「…仕方ありません。三隈さん、出撃の準備をお願いします。」 彼女が落ち着き払って言うと、三隈は通信の手を止める。 「分かりました、でもこのままでは出られませんわ。」 「うんうん」 三隈の言葉に最上も同調する。

2017-10-31 21:38:50
三隈グループ @Mikuma_company

扶桑も承知の上頷く、頷いた上でこうも言った 「ですから、この状況を打破します。」 その言葉を三隈は受け入れ駆け足でブリッジを後にする、その後すぐ扶桑は最上の方を向いて言った 「最上さん、電探の確認…周囲の警戒をお願いします。」 「は、はい!分かりました!」

2017-10-31 21:39:49
三隈グループ @Mikuma_company

いつになく毅然と振る舞う彼女に圧倒され、疑問を呈する間もなく最上はコンソールを見る。 「…あまり使いたくなかったのですが、始めましょう。」 扶桑はそう呟くとゆっくり目を閉じる、すると船内放送に無機質な声が鳴り響いた 「フソウ、戦闘モードを起動します。」 「戦闘モード…?」

2017-10-31 21:40:43
三隈グループ @Mikuma_company

その直後!船全体が振動を始めた! 「な、なんだ!?」 最上は仰天し近くの手すりに掴まる、ブリッジからは見えていないが、この間にヒューガリアンの船体のあちこちを金属の装甲が包み始めていたのだ! そしてそんな事が起きている間も、扶桑は動じずジッと目を閉じている!

2017-10-31 21:41:45
三隈グループ @Mikuma_company

やがて振動が収まると、今度は別の振動が船体を揺らす! 「こ、今度はなんだ!?この船なんだ!?」 最上はまたも仰天した! ヒューガリアンの甲板にはだだっ広いプールがある、大きな広場がある、そこが!その甲板が! 「開いた!?プールの水が抜けてるし、なんだよあれ!?」

2017-10-31 21:42:38
三隈グループ @Mikuma_company

だがそれだけではない! 開いた底から三つの物体が現れた! 「あ、あれは…!」 そしてそれぞれが変形し… 巨大な大砲となったのだ! ヒューガリアンは豪華客船から、戦闘艦にその姿を変えたのである! 「ふ、扶桑さんこれは!?」 あまりの出来事に最上は狼狽える、当たり前だ!

2017-10-31 21:43:26
三隈グループ @Mikuma_company

だが扶桑は 「…最上さん、掴まっていて下さい。」 とだけ言い、目を見開き、叫んだ! 「…主砲、撃てェーッ!」 掛け声と共に三基の主砲が一斉に火を噴く!砲弾は海賊船の目の前に着弾、水飛沫を上げた! 直後!無抵抗だった客船からの突然の砲撃に怯み、海賊船の攻撃が一瞬止んだ!

2017-10-31 21:44:22
三隈グループ @Mikuma_company

すかさず扶桑は叫ぶ 「あきつ丸さん、初霜さん、三隈さん、今ですッ!」 格納庫の扉が開き、三人が海へ飛び出す! 状況は打破された! だがすぐさま敵の砲撃も再開される、油断はできない! 「撃ったのだから、やめなさいよ!」 海賊からの反撃に対し、扶桑は哀しげに呟いた。 〜〜

2017-10-31 21:45:15
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 海上に飛び出した初霜、あきつ丸、三隈の三人は、爆音鳴り響く戦場を駆け抜けていた。 「数は少し多いけれど、艦載機は多く無いでしょうね。」 三隈は冷静に状況を見る、現状もそうだが、艦娘の艦載機はならず者が大量に保有出来るほど安いものでは無い、という考えが彼女にはあった。

2017-10-31 21:46:06
三隈グループ @Mikuma_company

そしてすぐに彼女は指示を出す 「初霜さんは日向さん達の援護に、あきつ丸さんは私と共に海賊の迎撃を行なってもらいます。」 それに従って初霜は日向達の元へ向かう、今この場で指揮を執れるのは最も階級が高く、指揮官としての適性もある三隈であった。

2017-10-31 21:46:56
三隈グループ @Mikuma_company

「瑞雲、行ってください!」 「ダイハツ!カ号!烈風!行けッ!」 三隈は瑞雲を、あきつ丸はダイハツ達を繰り出しつつ海賊と交戦を始める。 それを見送りつつ初霜は日向達の元へ急行する 「こちら初霜!救援に向かいます!」 主砲を構え、今日の海に感覚を慣らす、波が気持ち強かった。

2017-10-31 21:47:49
三隈グループ @Mikuma_company

こういう日は必中より命中を心がけるのが吉である 「援護射撃はし辛いわね…同士討ちが怖いわ。」 そうぼやくとすぐに通信が返ってきた 「日向だ、私は良い、鈴谷を頼む!」 「了解です!」 初霜は最大戦速でぶっ飛ばす、伊勢と交戦する鈴谷の姿はすぐに見えてきた。

2017-10-31 21:48:52
三隈グループ @Mikuma_company

彼女が向かう間も、鈴谷は義手の刃を頼りに伊勢と激しい打ち合いを演じていた 「くっ、やっぱり本職相手はキツいかな…!」 冷や汗をかきながら無理な体勢で剣撃を弾く、義手に一応付いている剣と本物の刀、その差は一目瞭然であり、伊勢の猛攻を凌ぐのがやっとであった。

2017-10-31 21:49:46