陸前高田の高校生の訴え

津波から一ヶ月あまり。4/16未明、避難所で暮らすひとりの高校生が呟きました。高校生の目を通じて被災地の現実を。 (被災地の状況は日々変わります。最新情報はツイッター等で) [関連] 良記事(日経):届かぬ被災地の声、支援阻む「情報断絶」http://t.co/LG9LXSI 2011/4/16(日経)
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naomi fukuda @naoming830

薪拾いをSと一緒に手伝いました すると家がすぐ近くでわたしが小さい頃から知っている 消防団の方(Kさん)が来ました わたしは体裁など気にせず近より 「お父さんは うちの父をしりませんか!?」と 半分叫ぶように聞きました

2011-08-13 00:51:31
naomi fukuda @naoming830

Kさんから返ってきた返事は 「わからない 父さんとは途中ではぐれてしまった」 私の目からは性懲りもなくまた涙が溢れだしました Kさんはそんな私に「きっと大丈夫だ」と力強く 背中を叩いて言ってくれました

2011-08-13 00:53:34
naomi fukuda @naoming830

そのあとは マイナスな事は考えないようにして 強がりでもなんでもいいから笑ながら 木を集めました まだ3月 まだ高田は夜に凍える寒さになります 暗くなる前に… と思い 木を引っこ抜き 丸太を運び 友達が私に抱いていたイメージを打ち壊しながら木を集めました

2011-08-13 00:57:14
naomi fukuda @naoming830

"火事場の馬鹿力"もあったのでしょう でもそれ以上に 不安を隠し続けているSを笑わせたくて 私のせいで心配を増やしたくなくて 体裁も気にせず 全力を尽くしました 信じてくれないかもしれませんが 取ろうとした気はまだ根付いていた木で

2011-08-13 01:00:17
naomi fukuda @naoming830

運んだ丸太は私の身長の2倍くらいはあったんですよ!(笑) 元々力はありましたし!うち農機具屋なので小さい頃から重いもの運ばされてて… 脱線しましたが とにかく笑顔でいなきゃと心をあんなに強く持ったのは 生まれて初めてだったと思います

2011-08-13 01:02:45
naomi fukuda @naoming830

薪拾いもあらかた終わり みんなはそのあと水の引かない町をみたり 親が迎えに来て自分の家や親戚の家に帰っていきました 親が迎えに来る光景は 私の目にはどうしても羨ましく映り 心に曇りを生んでいきました

2011-08-13 01:05:44
naomi fukuda @naoming830

私とSは私の家がある東の方向を眺めていました この頃には不思議な心の余裕が生まれ 流されたであろうペットたちに心の中で何度も謝り 生きているかもしれないという希望も捨てきれずにいました そのとき 私の耳にしっかりと 「なおー!!!」と叫ぶ父と母の声が飛び込んできました

2011-08-13 01:11:55
naomi fukuda @naoming830

声がしたのは屋内練習場の方からです 私は咄嗟に振り向きました 姿はみえません でも私の耳には私を呼ぶ聞き慣れた父と母の声がしっかりと聞こえています 目が飛び出すのではないかというほど 泣き腫らした目で父たちの姿を探しました

2011-08-13 01:14:28
naomi fukuda @naoming830

「なおー!!福田なおみはどこだー!!なおー!!」 手には杖がわりの木を持った母と いつもは大きい声を出さない父が消防のはんてんを着て必死で叫ぶ姿が目に飛び込んできました

2011-08-13 01:18:02
naomi fukuda @naoming830

私は声がでない程の喜びを身に染みて感じ 同時に震災後初の安心を感じました 私は父と母の間に飛び込んできました 2人もそれを受け止め しっかりと抱き締めてくれました

2011-08-13 01:20:35
naomi fukuda @naoming830

その後父と母がここまでどうやって来たのかを聞かされました 父は水門が閉まっているのを確認してすぐ 波が防波堤を越えるのを見て消防車で山側へ車を走らせました

2011-08-13 01:24:14
naomi fukuda @naoming830

しかしT字路のところで車が渋滞しているのを見て そこで交通整備をしていたそうです そのとき私の幼馴染みが走って海側へ行こうとするのを見て引き留めたそうです すると幼馴染みはお婆さんを担いで避難したが親が心配だから店を見に行きたいと

2011-08-13 01:25:36
naomi fukuda @naoming830

いったそうです 父はやむを得ず足じゃ絶対に逃げ切れないから最悪のことも考えて車で行けと言ったそうです 父はそのあとすぐ小高い場所 つまり私が消防車を見つけた場所へ避難しギリギリで難を逃れました 幼馴染みは自信発生から1週間ちょっとした頃高田の市街地の方で発見されました

2011-08-13 01:28:59
naomi fukuda @naoming830

母は車で会社から同じ職場の人を乗せて山側を通って高田へ向かったそうです 町の方へ降りようとすると 消防団に止められ一旦引き返し旧国道45号線を通っていたそうです

2011-08-13 01:34:21
naomi fukuda @naoming830

すると海の方に白い煙のようなものが見え 目を凝らしやっと巨大津波であることを悟りました その後父と同じところへ避難していた祖母と合流し 午前授業ですでに家にいるはずの私がいないことに気づきました

2011-08-13 01:34:59
naomi fukuda @naoming830

祖母に聞くと 高校の山にいるらしい と聞かされたそうです 母はそれを聞き安心し 私のいる第二グラウンドに向かおうとしました しかし第二グラウンドまで車で行く術がないため 歩いて山を越えなければいけませんでした 道に迷いながら林を掻き分けて歩いていると後ろから 父の声が

2011-08-13 01:37:52
naomi fukuda @naoming830

どこかもわからないような山のなかで 父と合流したそうです その後父から軍手を片方貸してもらい 2人で山のなかを歩いて私の元へたどり着いたとのことでした

2011-08-13 01:39:38
naomi fukuda @naoming830

その夜は土の上に敷いたブルーシートの上でシーツ1枚を私 S 母の3人で使い体を寄せあいながら寒さをしのいでいました するとどこからか私を呼ぶ声が聞こえそちらを向くと 私の再従兄弟のお母さんが布団に入るようにと促してくれました

2011-08-13 01:46:38
naomi fukuda @naoming830

私たちは4人で1人用の布団に入り 無理矢理体を折り曲げ寝返りは一切うてない状態でしたが 体温で暖まった布団で一夜を過ごしました しかし 外で焚き火にあたりながら寒さをしのいで一夜を過ごした人 石油ストーブを8人くらいで囲みシーツを方にかけ一夜をすごした人

2011-08-13 01:48:42
naomi fukuda @naoming830

8人で掛け布団1枚を使い一夜をすごした人など 私たち以上に過酷な夜を過ごした人たちがいたのも事実です ましてあの日は外で暖もなく一夜を越した人もいました

2011-08-13 01:51:25
naomi fukuda @naoming830

翌日の朝 どこから来たのかはわかりませんが かんぱんとミニエクレアが届きました 配分はどちらかを1つです 私は乾パンを1つ食べました 氷砂糖のみの人もいました 朝になると 町の様子がはっきり見え 津波の壮絶さが目の当たりになりました

2011-08-13 01:54:20
naomi fukuda @naoming830

その日の9時頃 おむすびが1人ずつ配られました 塩も何も味のついていないおむすびでしたが あんなに美味しいと感じたのは初めてで おむすびを食べて涙が出そうになったのも初めてでした 私たちは2〜3日は何も食べれないことを予想していたのでとても驚いたのを覚えています

2011-08-13 01:56:59
naomi fukuda @naoming830

その日おむすびはもう一度配られましたが 私は食料がなくなったときを気にしてそれを食べずにしまっておきました 父はその日から消防で生存者と遺体の捜索に行っていました 一日中いない父が不安でしょうがありませんでした

2011-08-13 02:00:24
naomi fukuda @naoming830

津波の情報が入るたび 父の身に何かあったらと思い ただ祈るばかりでした 避難者は一般の方はいつの間にか減り その日の晩は同級生の男の子が拾ってきた スーパー等で売っているタッパー入りの鰯を割り箸に刺して焚き火で焼いて

2011-08-13 02:06:45
naomi fukuda @naoming830

高校生数人で食べました コメリから劇物が流れだし側溝やマンホールの中から流れ出した汚水と一緒に流れた鰯でしたがあのときはそんなことは一切考えていませんでした 考えたとしても笑い飛ばしたでしょう 私は余った鰯を夜遅く帰ってくるだろう父のために1尾焼いて大事に持っていました

2011-08-13 02:09:07
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