日向倶楽部世界旅行編第53話「予選三回戦 VS美少年艦隊」

二回戦も無事突破したあきつ丸と鈴谷。三回戦の相手、美少年艦隊は、TGS艦娘チームとは違い友好的な態度で接してくる。果たしてあきつ丸たちは、三回戦を勝ち抜けるのか?
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三隈グループ @Mikuma_company

「なあ君…何処かで会ったかな?」 「…あんた、参加者だろ」 「折角の縁は大事にしたいからね」 「頑張りましょう鈴谷殿!」 「今日を3勝0敗で終えられなかったチームは厳しいと言って良いだろう」 「鈴谷殿の顔は、綺麗だなと思ったので」 「やっぱり無能だな、君は!」 日向倶楽部、この後21:00! pic.twitter.com/NWFPwnUdNW

2018-07-04 20:45:01
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【前回の日向倶楽部】 扶桑です。 あきつ丸さん達の戦いは白熱でしたね、観客席の上の方で見ていましたが、とても楽しい試合でした、初霜さんも私の肩の上で随分とはしゃいでいましたよ。そんなこんなで、皆さん順調に二回戦を勝ち抜きました。この調子で行けば全員が予選を突破する事が出来ると思

2018-07-04 21:00:19
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【前回の日向倶楽部その2】 二回戦の相手はTGS艦娘チーム!暴言作戦を仕掛ける悪辣な彼等は、実力も相応にある実力派チーム。しかし鈴谷の機転により同士討ちを起こした彼等は、そのまま呆気なく敗北、あきつ丸達は二回戦も勝利に終えた!そんな彼等に迫る三回戦の相手は…?

2018-07-04 21:01:41
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日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第53話「予選三回戦 VS美少年艦隊」

2018-07-04 21:02:57
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〜〜 二回戦を終え、あきつ丸達はホテルで夕食を取っていた。試合が夕方を過ぎても続くチームもあるため、普段は皆で食事をする事が多い日向倶楽部も今回は各々である。 「今のところ、知ってる顔はみんな二連勝だな」 ピザをつまみ、スマホをいじって鈴谷は話す、行儀が悪い。

2018-07-04 21:03:56
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「もほもほ…やはり皆さん強いでありますな」 あきつ丸も同じくピザを食べる、マルゲリータと四種のチーズピザの二枚を、二人で食べていた、美味い。 「ったくなぁ、ていうか殆どノックアウト勝ちって、ちょっとストレート過ぎやしない?」 鈴谷は四種チーズに蜂蜜を垂らして言った

2018-07-04 21:05:26
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予選リーグのルールはカウント戦、基本的にはカウントを0にする事を目指す。だがどうにも強いというか気性の荒い人達が多く、半分ほどの試合でノックアウト勝ちが起こっていた。 「まあ、あたしらも今日やったから人の事は言えんかァ…」 鈴谷はそう言うと、蜂蜜たっぷりのピザを口に運ぶ

2018-07-04 21:07:25
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モッツァレラチーズとパルメザンチーズの絡んだピザに、蜂蜜独特の甘さが加わる、美味いのだ。 「ここのふぃざおいひいであひまふな」 「あ?」 と、そんな風に二人がピザを食べていると、二人の隣の席に、身なりの良い少年が二人現れた。

2018-07-04 21:09:17
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「レモンティーで」 「コーヒーを頼む、ブラックだ」 座るなり、二人は飲み物だけ注文した。その注文を耳にし、鈴谷は思わず二人の方を見る、こんな夕食どきに、レストランでコーヒー紅茶だけというのは不自然だったからだ。 (他の店行くのか?こいつら…) 鈴谷は二少年を横目に見る

2018-07-04 21:11:07
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「鈴谷殿、どうかしましたか?」 「…いや、なんでもねェ。それよりデザート持ってきて貰おうぜ」 赤の他人をジロジロ見るのも趣味が悪い、鈴谷は視線をあきつ丸の方へ戻し、食事へと戻る。 やがてデザートが来た、鈴谷はブルネイ式あんみつ、あきつ丸は季節のタルト、どちらも美味しそうだ。

2018-07-04 21:13:14
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「レモンティーとコーヒーです、お待たせしました。」 隣の席は変わらず、飲み物以外は頼んでいなかった。それだけならまだしも、二人の少年は特に語る事もなく静かにしている。 (変な野郎共だな…片方はマッチョだし、喧嘩したゲイカップルか?) 鈴谷は勝手な憶測を巡らせつつ、あんみつを食べる。

2018-07-04 21:15:20
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あきつ丸の方は、少年の事など最初から気にも留めずタルトを食べている。 と、その時、レモンティーを飲んでいた少年が、あきつ丸に向かって気怠げに訊ねてきた。 「なあ君…何処かで会ったかな?」 「もふぁ?」 タルトのふわふわスポンジを口に含んでいたあきつ丸は、慌ててそれを咀嚼する。

2018-07-04 21:17:11
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「い、いえ…無いと思います。」 「そうかな、俺は見覚えあるんだけど…」 少年は二枚目な笑みを浮かべ、あきつ丸の顔をジッと見た。あきつ丸はどきまぎし、目をパチクリさせる。 「あ、あの…」 「もっとよく見れば、思い出せそうなんだけどなぁ…」 少年は座ったまま顔を寄せる、気色が悪い。

2018-07-04 21:19:10
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「…おい」 それを止めたのは鈴谷であった。 「なんだい?可愛い緑ちゃん」 少年は鈴谷にも笑みを向ける、だが彼女はこれっぽっちも笑わず、義手でトントンとテーブルを叩き、目を細めて言った。 「…あんた、参加者だろ」 「えっ!?」 鈴谷の言葉に、あきつ丸は少年達を二度見する。

2018-07-04 21:20:34
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すると、気怠げな少年はにっこり笑った 「ははは、バレちゃったか。そうさ、僕達は美少年艦隊、君達チームアイアンクロスと同じ、Gリーグの参加者だ。」 少年はあきつ丸達の正体も看破して言った、即ち先程のやり取りは、茶番である。 「僕は石楠花(シャクナゲ)、こっちは相方の躑躅(ツツジ)さ。」

2018-07-04 21:22:25
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気怠げな少年、石楠花がそう言うと、筋肉質で堅物な少年、躑躅は黙って頷く。お喋りな石楠花と、寡黙な躑躅といったところだろう。 「明日、僕達は試合だろう?折角の縁は大事にしたいからね、挨拶をしておこうと思ったんだ。」 石楠花は、主にあきつ丸へと気の良い微笑みを浮かべる。

2018-07-04 21:24:12
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それにあきつ丸はテレテレし、頬をぽりぽりとかく、感じの良い人であったからだ。 「え、えへへ…そうなの、いやそうなんでありますか、よろしくお願いします…」 如何にも男性耐性のなさそうな顔、100点満点だ。鈴谷はそれを横目にあんみつを完食し、コーラを飲む。

2018-07-04 21:26:14
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石楠花はそんな二人、というよりはあきつ丸に言った。 「うん、明日は良い試合にしようね、あきつ丸さん、鈴谷さん。」 「え、ええ、よろしくお願いします。」 あきつ丸の答えを聞くと、石楠花はにっこり笑い、半分ほど飲み残したレモンティーを置いて、相方の躑躅と共に去って行った。

2018-07-04 21:28:09
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二人が去ると、あきつ丸は機嫌良く口を開く 「鈴谷殿!明日の相手は紳士的でありますな、正々堂々であります。」 「ンー、そうだね」 チョロいというかあっさりとなあきつ丸に比べ、鈴谷は彼らを怪しんでいた。ああいう手合いは却って厄介だと考えていたのである。

2018-07-04 21:30:03
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とはいえ、変に悪く言うのも印象が悪い、鈴谷は敢えて警告などはしなかった。 「んまぁ、頑張ろうぜ、明日も」 「ええ、頑張りましょう!」 あきつ丸はふんすと意気込み、タルトを頬張った。 「ああそんな一気に口に入れたら…」 「んむほっ、んん…」 案の定、彼女はむせた。 〜〜

2018-07-04 21:31:48
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〜〜 翌日の午後3時前、あきつ丸達はホテルを出てスタジアムへと向かう。 「今日の試合は16:30スタート、まあ早めに行って整えとこう」 軽い手荷物を持ち、二人は第一スタジアムへ向かう。大会も三日目、そろそろ慣れてくると同時、人によっては疲れが出始める頃だ。

2018-07-04 21:34:08
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最も、熟練の艦娘などはそもそもの基礎体力…もとい体力の回復力がダンチであり、24時間のインターバルを置きながら一週間戦うなど造作もない場合が多い。現に最上や日向、利根や長門などは、動きのキレが1ミリも落ちていなかった。 その中で、あきつ丸はどこまでやれるかな…?

2018-07-04 21:35:45
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と、そんなこんな二人が歩いていると、聞き覚えのある声がした。 「やあ、また会ったね」 それは昨日会った気怠げな少年、あきつ丸は丁寧に挨拶する。 「こんにちは、えっと…」 「石楠花だよ、あきつ丸さん。」 石楠花はにっこりと二枚目フェイス、感じ良く笑う。

2018-07-04 21:37:57
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「今日はよろしくね、良いファイトをしよう。」 「は、はい!」 あきつ丸は彼の笑みにたじたじになりつつ答える、それを見ると石楠花はまたにっこり笑い、二人を追い抜き足早にスタジアムへと向かった。 その背中を見つつ、あきつ丸は気分良く鈴谷に言った 「いやぁ、頑張りましょう鈴谷殿!」

2018-07-04 21:39:36
三隈グループ @Mikuma_company

その顔はなんとも明るいが、同時にとてもバカっぽい。 「おう、そうだね」 鈴谷はそれを見ながら軽い返事をする、そして思案する。 (完ッ全にペースに乗せられてるな…分かっちゃいたが、こいつ相当…バカ?バカだな多分…騙されても騙された事が分かんねータイプだ) ひどい。 〜〜

2018-07-04 21:41:18
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