英霊剣豪201x番勝負 第一節『戦国機巧演義 相模国』

加藤段蔵と柳生宗矩は同じガチャでピックアップされます。どっちのだって?両方だよ。 2:https://togetter.com/li/1244557
2
劉度 @arther456

(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。感想・実況などは #ryudo_ss をお使いいただけると大変ありがたいです。忙しい方は後ほど投稿するtogetterまとめ版をどうぞ。それでは暫くの間、お付き合い下さい)

2018-07-06 20:31:00
劉度 @arther456

(また、このSSでは、『英霊剣豪七番勝負』に登場するアサシン・パライソの真名が普通に呼ばれます。ネタが成立しないので自重はしません。気になる方はミュートなどで対処してください)

2018-07-06 20:32:01
劉度 @arther456

色付きの風が森を駆ける。それは、灰色の忍者装束を纏った赤毛の少年だった。名を、風魔小太郎という。「なんてことだ……すぐに主殿と合流しなければ!」目にも留まらぬ速さで走る少年の首が、不意に斬り落とされた。「――ッ!?」力を失った首と体が、別々に地面に転がる。1

2018-07-06 20:33:00
劉度 @arther456

続いて、襤褸布を纏った人影が現れた。その手には、妖しい輝きを放つ刀が握られている。少年の死体が火を噴き、爆発した。剣士は微動だにしない。その背にクナイが飛来する!剣士は振り返り、クナイを刀で払い落とした。クナイを投げたのは、今し方爆死したはずの小太郎だった。2

2018-07-06 20:36:00
劉度 @arther456

「忍術を使うことになるとは。ただ者ではありませんね」風魔小太郎は忍者である。関東にその名を轟かす、風魔忍軍五代目頭領。その実力を持ってすれば、変わり身の術を使って、剣士の斬撃を避けることなど造作もない。そのはずだった。「――ッ!?」小太郎の首から血が噴き出した。3

2018-07-06 20:39:00
劉度 @arther456

剣士が持つ刀からは、血が滴り落ちていた。変わり身ではない、本物の小太郎の血が。傷を抑える間もなく、小太郎は意識を失い、その場に倒れ伏した。4

2018-07-06 20:41:00
劉度 @arther456

Fate/Grand Order × 信長の野望201x クロスオーバーSS

2018-07-06 20:42:00
劉度 @arther456

【英霊剣豪201x番勝負】

2018-07-06 20:43:00
劉度 @arther456

第一節『戦国機巧演義 相模国』

2018-07-06 20:44:00
劉度 @arther456

《つながりました!先輩、無事ですか!?》「うひゃあ!?」突如開いた通信画面に、藤丸立香は腰を抜かした。画面に映るのは、眼鏡を掛けた少女の顔だ。「お、驚かさないでよマシュ!」《ご、ごめんなさい!レイシフトしてから通信が途絶していたので、また何かあったのではと思いまして……》5

2018-07-06 20:45:00
劉度 @arther456

「うん、こっちはとりあえず無事だよ」《とりあえずってことは、何か問題があったんだね?》別の顔が画面に映る。指揮官のダ・ヴィンチだ。「はい。お仲間の大半とはぐれてしまいました。ここにいるのは、段蔵と千代女殿だけです」立香の側には、眼帯をつけた少女と、くノ一型のロボットがいる。6

2018-07-06 20:51:01
劉度 @arther456

《ああ、忍者が2人もいるのか。こいつは頼もしい。なら、ゆっくり状況を聞いてもよさそうだね。何があったかわかるかい、立香ちゃん?》「って言われてね……。30分ぐらい歩いてるけど、ずっと森の中だし」《うーん、小田原城の近くに座標を合わせたんだけどな。さては妨害されたか?》7

2018-07-06 20:54:01
劉度 @arther456

ここは日本・相模国。時代は1570年。立香たちが本来生きている時代より、400年以上も前の日本だ。この時代から微小な特異点の反応がある。放っておけば、後の歴史に影響を与えるかもしれない。そこで立香たちは、レイシフトという一種のタイムトラベルによって、事件解決にやってきたのだ。8

2018-07-06 20:57:00
劉度 @arther456

《まずは周囲をセンサーで探索してみます。何かあったらお知らせします》「いえ、その前に……少々お待ちを」段蔵が森の向こうに目を向ける。「熱源反応を探知。数は30ほど」「モンスター?」「いえ、人間です。ですが、念のため、隠れておきましょう」9

2018-07-06 21:00:06
劉度 @arther456

立香たちが茂みに隠れると、すぐに農民たちがやってきた。その中に、動きやすい装束に身を包んだ年若い少女がいる。後に続く農民たちと比べると、雰囲気が浮いていた。「マシュ、あの子、サーヴァント?」《いえ。その反応はありません》《微弱な魔力反応はあるが、サーヴァントとは違うねえ》10

2018-07-06 21:06:01
劉度 @arther456

サーヴァントとは、歴史に名を残した人物の姿を象った使い魔である。その戦闘力は、常人では比べ物にならず、戦車や戦闘機にも例えられる。立香の横にいる段蔵と千代女もサーヴァントだ。立香がこんな森の中でも安心できるのは、彼女たちという強力な存在のお陰が側にいるからだ。11

2018-07-06 21:09:00
劉度 @arther456

「サーヴァントじゃないなら、話を聞いても大丈夫かな?」「お待ちを。……お館様、声を潜めてくだされ」千代女の声に剣呑なものが混じった。例の少女が、立香たちのいる茂みをじっと見つめている。立香は息を呑み、口をつぐんだ。物音一つ立てていないが、少女はこちらから目を離さない。12

2018-07-06 21:12:00
劉度 @arther456

立ち止まった少女に農民が声をかけた。「おぬいさん、どうしました?」「ぬいっ!?」思わず、立香は声を上げてしまった。「マスター!」「ご、ごめん。でも……」おぬい。かつて、立香が流れ着いた平行世界で出会った、健気な少女の名だ。彼女はこの世界のおぬいなのだろうか。それとも別人か。13

2018-07-06 21:15:01
劉度 @arther456

いずれにせよ、声を上げたのは迂闊だった。「……そこにいる方々。3つ数える間に、ゆっくりと出てきてください」おぬいは、隠れる立香に気づいたようだ。腰に提げた短刀をゆっくりと引き抜き、逆手に構える。「出てこないのであれば、こちらから攻撃します」14

2018-07-06 21:18:00
劉度 @arther456

「ひと「はい!ごめんなさい、人間です!斬らないで!」立香はすぐさま両手を上げ、茂みから出た。バレている以上、隠れても仕方ない。「お館様ぁ!?」「マスター!?」切りかかるつもりだったであろう少女は、呆気に取られていたが、やがて短剣を腰に戻した。「……化け物ではないようですね」15

2018-07-06 21:21:00
劉度 @arther456

周りの農民たちは戸惑いながら顔を見合わせている。「また妙な娘っ子が増えたぞ」「あの娘、服着とらんがな……」「何者ですか、あなた達は」少女が立香に訊ねた。「ええと、私たちは……」「化け物だぁ!化け物が前から来るぞーっ!」叫び声が立香の声を遮った。全員の顔に緊張が走る。16

2018-07-06 21:24:00
劉度 @arther456

「総員、戦闘態勢!」おぬいの号令で、農民たちが隊列を組んだ。「武器、構え!」そして懐から拳銃を取り出し、構えた!「嘘ォ!?」時代にそぐわぬオートマチック拳銃を装備したタクティカル農民たちは、獣道の奥へ銃口を向ける。やがて、おぞましい鳴き声が聞こえてきた。17

2018-07-06 21:27:00
劉度 @arther456

「グロロ……ガアア……」姿を表したのは、百目の肉塊、女の幽霊、骸骨の兵士、大蜘蛛など、様々な怪物の群れだった。「うわっ……」その醜悪さに、立香は思わず顔をしかめる。《こいつはなんだ?魔獣か死霊か……両方の性質を持ってる》ダヴィンチがすぐさま分析する。18

2018-07-06 21:30:02
劉度 @arther456

「撃て!」おぬいの声に続いて、耳をつんざく銃声が鳴り響いた。化け物たちは次々と倒れ伏す。その死体を乗り越え、更に多くの化け物が現れる。「おぬいさん、弾切れっす!」「白兵戦に移行します!」「っしゃあ!」農民たちは粗雑な槍や農具を構えた。突っ込んできた化け物達と衝突する。19

2018-07-06 21:33:00
1 ・・ 4 次へ