燭へし同棲botログ：長谷部くんの記念日

燭へし同棲bot @dousei_skhs

【長谷部くんの記念日】 「──ねえ長谷部くん、なにか食べたいものってある？」 「……夕飯が終わった今聞かれてもなあ」 「ごめん、そうだよね。お腹いっぱいか」 「いっぱいだ」 「そっか。美味しかった？」 「うん」 「よかった」

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「それにしてもいきなり、なんでまた」 「んー、いや、今なんとなくさ」 「？」 「なんとなく、長谷部くんをもっと大事にしたいなあーって思ったんだよね」 「はあ……」 「知ってると思うけど、僕は長谷部くんが大事なんだ」 「……」

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「大事だから特別扱いしたい。めいっぱい甘やかしたい。その方法なんていくらでもあるけど、僕が長谷部くんに一番ダイレクトに気持ちを伝えられるのは、やっぱり美味しいものを食べてもらうことかなあって」 「……そう、か」 「あ、引いた？」 「引くものか。大体俺は」 「うん？」

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「お前にとても大事にされていると、ちゃんと思っている」 「……そう？」 「もちろん。充分なくらい」 「……でも、僕はもっと」 「光忠」 「はい」

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「別にな、特別なことはしなくていいんだ。お前が食事を作ってくれたり、……お前ほど上手くはないが、俺が作ったり、それを一緒に食べたり、こうして晩酌をしたり」 「……」 「俺はそれだけで嬉しい。それが嬉しい」 「……そう、なの」 「ああ」 「満足？」 「満足だし、幸せだ」

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「…………」 「……な、なんか言え」 「照れてる？」 「いや」 「自分で言っておいて」 「うるさい」 「…………」 「…………」

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「ねえ長谷部くん」 「うん？」 「大好きです。ずっと」 「ありがとう。知ってる」 「……ふふ。うん」 【了】