【夏の旅】ツイッター連詩・pw連詩組

そらの珊瑚 @sangosorano

北極の氷がみんな溶けて海に還っていったら 北極熊はどうしたらいいのだろう ただの熊に戻れるのだろうか それはちょっと困るわ アザラシと間違えられて あたしは喰われてしまうじゃないの、と いいたげな犬の瞳は なるほど少しばかりアザラシに似ている （夏の旅） #pw連詩組

川原寝太郎/活動限定再開 @ne_ta6

ときめきが去っていくのを楽しむためのもの。諦めた後が長い慕情を停車9分間に味わう車窓。予期せぬ一時停止の平凡な1画面で記憶された映画に見えても窓の内側だけ空気が四角い。訪れぬ街を自転車が駆け抜け河は少し増水しているらしい。間も無く発車ですと車掌がもう一度告げる。 （夏の旅）#pw連詩組 twitter.com/asuka_tamura/s…

白島　真（しろしましん） @shindesuyo53

夏の旅では 蝉の声を 人の声さえ 聞くことはなかった 暑すぎたのか 辛すぎたのか 7年経った今でも 福島の被災地は 津波と放射能汚染の 生々しい疵跡が残されていた 誰もいない街 帰還できない街 決して風化させてはいけない 旅を終えて 本当に人が帰るべき地を 探し始めている （夏の旅）#pw連詩組

采目つるぎは脱皮中🎲⚔ @psynome_turgy

「ねぇ。 　この愛は見殺しにされたのかしら？ 「いいから掴まってて。海を見に行くよ、 「……もう必要ないのに、 「違う。あたしたちの最適解が、そこにあるわ。 #pw連詩組 （夏の旅）

宮尾節子＊新刊『明日戦争がはじまる 対話篇』好評発売中です。 @sechanco

「92%は 　命が有り余ってる。カカオの意識が高すぎて 「誰も手を伸ばさない。こんなもんチョコじゃない。 　だったらアタシは何よ　あたしの詩は何よ 「下北では脱台風なポエトリーリーディング 　しにいくなんて　しににいくようなもんよ 「風ナイスという釦を押せば、快適かも （夏の旅）＃pw連詩組 twitter.com/psynome_turgy/…

そらの珊瑚 @sangosorano

ビーチパラソルから飛び出して 沖へと泳いだ夏休み ふりむけば 陸が遠かった 陽炎がゆらいで 足元が冷たく こころもとなくなった （死をおもった） 思い出はふりむくたび鮮やかに手をふり わたしがこんなにも遠い （夏の旅） #pw連詩組

西原真奈美 @m_a31354363

改行されたきざはし ゆっくりと降りれば 綴りあぐねた文字が たびの臥床をつくる がらんどうには風が しろい余白には空が 待たれたようにあり くるぶしの膨らみが 覚えているてのひら （夏の旅）＃pw連詩組 twitter.com/knstkino/statu…

チャラチャラのチャンピョン @knstkino

どこにも行けない僕は夢の中で旅をする。煩わしさから逃れるなら、人の少ない海に。貝殻を集めたりしてさ。涼みたいなら川がいい。冷えて澄んだ水に足を遊ばせて。のんびり過ごすなら温泉に行きたいな。夢の中ならどこにでも行ける。じゃあ、僕のこの足は何の為にあるのかな。 （夏の旅） #pw連詩組

2018-07-28 01:21:30

元ヤマサキ 深ふゆ @9mifuyu_my1

そっと寄り添う ふたつの温もり 閉じたきりの窓 耳をそばだて 蝉時雨を追う 温度27 湿度56の室内 降り注ぐ陽光の中 ふたつの寝息に満たされる 交互に微かに この部屋の中に 私も一緒に行ってみようか この子たちが見ている景色を追って そっと閉じる 瞼の向こうへ （夏の旅）#pw連詩組 twitter.com/mimi_4567/stat…

星野 柊 /ほしのひいらぎ @py8_dr

何処にも行きたくない、何も見たくない、触りたくない、嗅ぎたくない、笑いたくない、泣けやしない、怒る力すらもない。ただひとつ、去年買って一度も履いてないサンダルだけが気になる。真夜中の玄関でそっと履く。ヒールがことり、と鳴った。 （夏の旅） #pw連詩組

雨粒あめ子 @amagasa_sasite

これでもかと言わんばかりの雷が 私のか細い糸を掬って舞い踊る 心奥はいつまでも繊細で前を向けない 何処かへ行けるなら 楽になるだろう 炸裂しない蝉も弱く 私と、一緒だね。 ドクンドクンと脈打つまま 鞄をぶら下げて #pw連詩組（夏の旅）

元ヤマサキ 深ふゆ @9mifuyu_my1

TransitはCopenhagen. そこから初めて乗るセスナ なんか……窓ないんですか？ 窓っていうか穴ですよね？ 🐑とか🐄とか普通に見えてますけど？ っていうか私だけなんですか、Japanese？ やっと降り立つGöteborg. ハグを交わして、え？ 今20:00なの？ まだまだこんなに明るくて？ （夏の旅）#pw連詩組

末松 努 @dejodajo

夏は 毎年 同じではない 水も空気もいきものも どれひとつ いま、生あるものが海岸を見つめるのと同じく かつて、生きたものも海岸を見つめた 生も死も この星に内包されている 喜びも悲しみさえも 毎年 同じでない 夏を迎え ともに この星を 歩いている （夏の旅） #pw連詩組 twitter.com/satuho07k/stat…

我 音 ☆wa onn💫 @satuho07k

海霧の海岸 高き防潮堤より 視界いっぱいに 思い思いに 波打ち際に 集い人を見る 後に知る 聞こえぬ声に 聴こえと 集いきれぬ 想いを乗せ 声を響かす 霞む灯台より 消えた街への 鎮魂の霧笛と (夏の旅)　#pw連詩組 twitter.com/shindesuyo53/s…

2018-07-28 18:11:22

Michael's Wink @rc_wink

魂の抜けちまった機関車は何処へ行こう 僕らはせっせと石炭をくべる真似をする 次の機関士は誰？ 割込み厳禁 仲良く順番 ピィーとかポォーとか言っても動かない でっかい車輪は回らない こんな遊び長くは続かない D51 公園の隅 なぁ僕らは何処かに行きたいんだ 夏休みなんだ (夏の旅)#pw連詩組

梁川梨里（やながわりり） @riri_yanagawa

日傘の縁が切り取った空は内なる涼やかな夜を秘めている。もう何処へも行けない気がしてきて、目を伏せた瞬きの花が開いたり閉じたりを繰り返していた。音もなく通り過ぎた雨上がりの電車。君も君でないものも、夏休みの匂いのカレンダーの中で捲られる。車輪が揺れた。 （夏の旅）#pw連詩組 twitter.com/eureka1328/sta…

草間小鳥子 @eureka1328

八月の日ざしがまぶしいのは不在を隠すためだという。道では背の割れた抜け殻が乾いているのに、木陰に立つと夜の花の匂いがする。出発は雨の日がいい。午後、湿ったプラットホーム。汗ばんだ手に時刻表を握れば霧雨。けむる車窓。濡れそぼる田園に、水を得た影たちがひるがえる。（夏の旅）#pw連詩組

2018-07-28 01:06:41

キム @yatsutk1

鉛筆 鉛筆の芯を削っていたら 切り倒された木を思い出した その中に残っている 朽ちることのない、真っ直ぐな芯だ この芯で帰還困難区域を書きなさい と　いう 木のメッセージなのだろう あの時、木は気丈に立ってはいたが 倒れるときには泣いていた その涙が枯れた木のすき間を塞いでいる #pw連詩組

我 音 ☆wa onn💫 @satuho07k

海霧の海岸 高き防潮堤より 視界いっぱいに 思い思いに 波打ち際に 集い人を見る 後に知る 聞こえぬ声に 聴こえと 集いきれぬ 想いを乗せ 声を響かす 霞む灯台より 消えた街への 鎮魂の霧笛と (夏の旅)　#pw連詩組 twitter.com/shindesuyo53/s…

T.Shirai🌿 @muragimono

ことなるそらの 所有する部屋に居ながら かつてない感覚に均され 不規則にはじける 泡に触れ ひとつの木から 語られた末娘を 後ろ手にひきながら 睫毛のような雨を避け ゆめは夜明けまえ 浅く逃げ惑うさかなの 透きとおるまえ 甘い水に 所有格を外しても みずからでいる （夏の旅）＃pw連詩組

宮尾節子＊新刊『明日戦争がはじまる 対話篇』好評発売中です。 @sechanco

蓮の花を、咲かせるように、 漣を、咲かせている、風がはしる 川面の、そこの、そこで、耳にした、きみの、囁きは しでもいい、しんでもいい、どっちだったか、な。 プルトップ、みたいに、泡つぶを吐いたあとの 喉のふたが、流れていくよ。どっちでも、ついていくよ。（夏の旅）＃pw連詩組 twitter.com/riri_yanagawa/…

梁川梨里（やながわりり） @riri_yanagawa

ひかりの群れの、重なり合い、離れる、川面へ足を滑り込ませると つま先が僅かに色づいた紅をして流れを堰き止めている さかな、でもいいし、いし、でもいい 曖昧で不確かな存在の喉に蓋をした、声の主のような流れだった （夏の旅）#pw連詩組 twitter.com/w06220212k/sta…

2018-07-28 14:07:14

森山 恵 @meg_mrym

水に浮かぶ、 水のゆりかごの肌、濡れて、あふれて、はしゃぐ、はぐ、 視線をあげれば、すぐ、 夏色へと移動できる、 異国の妹が集めた、 チョウの群れを、あなたは放て、 腕をいっぱいにのばして、 夏の空飛ぶ絨毯は、どこへでも旅する、 はためく絨毯と、チョウの羽、 （夏の旅）＃pw連詩組 twitter.com/junju_usako/st…

春森しゆう @junju_usako

太陽に焦がされていく。 行き場をなくした人間が逃げていくのはどの星？ からからの喉、かわく肌。 雨を求めても大水には負ける。 ゆりかごを、 ください。 （夏の旅）＃pw連詩組 twitter.com/ame_natuno/sta…

2018-07-28 14:34:15

西原真奈美 @m_a31354363

肩のところで詰められた水着は 水を含むとそれでも大きく 隠しきれないそそうのような痕(あと)は なま温かく筋をひく 待ってる すてられることを むかえられることを 鮮やかな喫水線をつけた船は いつまでもわたしを乗せて行かない （夏の旅）＃pw連詩組 twitter.com/ayusuke_/statu…

亜久津歩 ᴀʏᴜᴍᴜ.ᴀ 🏳️‍🌈 @ayusuke_

白靴だけの街がある 白靴の辿り着けない海がある 足跡の上をもう一度歩こう とすると細波が撫でて去った 脳を洗う潮騒 乳房の中の積乱雲 なにものこらなくていい ラムネ瓶を破って摑んだ硝子玉は どこか違っていたけれど いいんだ これは夏の旅 （夏の旅） #pw連詩組 pic.twitter.com/uwAm4Jwjqk

2018-07-28 09:06:24

ハル（黒崎晴臣） @homerunegirau3

静かなエピキュリアン 夏の汗は翼 夢の中で抱いた あなたはタオル地のように 柔らかかったのだから わたしは旅に出よう あなたの夏を追って 静かなエピキュリアン あなたの羽根が 目に滲みる しあわせ が 知りたい (夏の旅)#pw連詩組

春森しゆう @junju_usako

夏休みのない大人たち 働いて働いて働いて 休むことへの罪悪感 車輪は回転を止めれば捨てられる 通ったところに汗の道ができる 旅の準備だけは できているのに （夏の旅）＃pw連詩組 twitter.com/rc_wink/status…

T.Shirai🌿 @muragimono

他人の土を 踏み続ける 動線の途中の 利用されない歩道の 傾斜地の明るく 尖った周囲に続く あのイケてない ほそばの生垣 が母の家だった しまい湯に浮かべた 夏みかんと 夜道ですれ違った タンパク室の腐臭へ いつか白露をそそぐ までの旅がある （夏の旅）＃pw連詩組 ほそば＝まきのき

やまぼうし 群棲 / hashimoto bunnsei @sasa_hashimoto

#pw連詩組 （夏の旅） 風の、 蹴りあげてくる叫びが刀のように揺らぐ 空の、 揺ら揺らと 雲の、 揺ら揺らと 僕達はまた旅人のためではなく気高さを知るために言葉を胸へと刻む旅人になる 人の、 誰もいそうもない叫び声が矢のような天地へと揺らぎ言葉は帰還する

雨粒あめ子 @amagasa_sasite

心踊るよななつ、もうしょ、こくしょ こんなにも早くやって来るとは思わなかったよね 生きている実感 と共に死にたい、の希望(絶望？ トサカになった髪を撫でた後にクーラーをつける 命だった煙草を消す 纏まりのない激情をつける 付けたり消したりうるさい夏 （夏の旅） #pw連詩組