2018-08-02のまとめ
失業率は4%程度とFRBが完全雇用水準と考える4.5%を大きく下回っているほか、インフレ率もFRBが目標とする2%程度まで上昇している(図表7)。こうした状況下、FRBは、2018年6月の連邦公開市場委員会(FOMC)において、今次景気拡大局面で7度目となる利上げを決定している。
2018-08-02 22:57:36アメリカの政策金利とFRBのバランスシート規模 pic.twitter.com/uj2kmgEKnn
2018-08-02 22:57:36FOMCの予測通りに利上げが進めば、政策金利は2019年中にFOMCが想定する中立金利、すなわち、景気に対して緩和的でも引き締め的でもない水準(2.9%)を超える見通しである。
2018-08-02 22:57:372017年10月から開始されたFRBのバランスシートの縮小も、同年6月に示された方針に沿って進捗していくことになる。
2018-08-02 22:57:38アメリカの実質成長率と潜在成長率、GDPギャップ pic.twitter.com/fGwh9FQCsf
2018-08-02 22:57:39需給ギャップが解消し供給制約が強まるなか、2019年後半にかけて財政拡大や金融緩和の効果が減衰するのに伴い、成長ペースは2%前後とみられる潜在成長率に向けて徐々に減速していく公算が大きい
2018-08-02 22:57:39アメリカでは過去の経験則として、10年国債利回りから政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利を引いた「長短金利差」が逆イールド(マイナス)になると、間もなく景気後退局面入りする傾向がある
2018-08-02 23:02:47トランプ政権、FRBの実質GDP成長率の予測 pic.twitter.com/Kp1TW8uzBH
2018-08-02 23:02:472018年2月にトランプ政権が議会に提示した予算教書では、こうした財政拡大による景気浮揚効果などで3%成長が続くと想定されている
2018-08-02 23:02:48議会予算局(CBO)の予測によれば、アメリカの財政収支対GDP比と失業率の方向は一段と乖離していくと見込まれている
2018-08-02 23:02:492016年11月にトランプ大統領が当選して以降、FRBは拡張的な財政政策などが景気を上振れさせるとの見方を強めている。それに連動して、利上げのパスを引き上げており、財政拡大がもたらす景気刺激効果の一部は、FRBの利上げによって減殺される公算が大きい
2018-08-02 23:02:50財政拡大・金融引き締めは、金利高・ドル高を招来しやすいポリシーミックスといえる。実際、80年代前半に共和党のレーガン政権下で同様のポリシーミックスが採られた際は、金利高・ドル高が進行した(図表15)。
2018-08-02 23:02:50結局、レーガン政権は第2期目で財政再建路線に舵を切るとともに、レーガン政権の呼びかけでアメリカを含む先進5カ国は過度なドル高是正を企図する「プラザ合意」へと至った。
2018-08-02 23:02:51アメリカの貿易赤字の半分弱を占める中国のほか、中国に次ぐ主要貿易相手国・地域であるEUやNAFTA、日本などが事実上のターゲットとなっている
2018-08-02 23:02:51貯蓄・投資(IS)バランスの観点では、アメリカの貿易赤字を含む経常赤字は国内の投資超過・貯蓄不足(資金不足)を反映したものである。
2018-08-02 23:02:53アメリカの民間部門は家計を中心に貯蓄超過(資金余剰)となっているものの、政府部門の財政赤字を賄えるほど民間部門の資金余剰は大きくないため、一国全体でみると資金不足の状態にある
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