予告 眠りは質量の無い砂糖菓子。脆くも崩れて再びの地獄。懐かしやこの匂い、この景色。我はまた生きてあり。日射しに焼かれて雨にむせて鉄の軋みに身を任せここで走るがさだめであれば、せめて望みはギラつく孤独。SR600日本アルプス、はじまりは小淵沢。鉄の骨組みが動き始める
2015-07-21 18:30:45ブルベジャージだと暑すぎそうだしライトウエイトジャージだと夜間、高所対応が微妙なのでグンマちゃんに活躍してもらう事にしよう。
2015-07-21 00:04:08第14話0000/遥かな峠の闇を走り静寂の街に曲折し眠気の泥濘に揉まれてもなおキラリと光る一筋の光。だがこの糸は何のために。手繰り手繰られ相寄る運命。だがこの運命は何のために。漆黒の小淵沢に第2幕が開く。次回分杭峠。まだ鹿は姿を見せない
2015-07-21 23:57:16第15話0348/回る銀輪、起きる上体。こわばった指がレバーを引く。シューがリムを撃ち、スキール音を立てたとき、皮肉にも生の充足が魂を震わせ肉体にあふれる。ダウンヒル。この危険な遊戯が、これこそがこの世にあうのか。次回しらびそ峠。コーナーが迫ればリスクが上がる
2015-07-22 03:56:55第16話0632/坂を見たのが幻想なのか。のどの渇きが幻想を生むのか。登坂の果てに理想を見るのが幻想だという事をランドヌールは知っている。だがこの腿の震えが幻想ならば。そんなはずはない。ならばこの世は全て幻想に過ぎぬ。では目の前にいるのは?次回阿南。劇的なる物が角をむける。
2015-07-22 06:36:17第17話0905/変わる,変わる,変わる。この世の天候を司る神が天空の向こうでまた動き始めた。天が軋み、参加者は呻く。天候が変われば吹く風も変わる。昨日も今日も明日も雨煙に閉ざされて見えない。だからこそ褪せぬ力を求めて切れぬ心を信じ求めて。次回飯田駅。切れぬ心などあるのか。
2015-07-22 09:06:34第18話1053/再開の為の休息。消費の為の補給。歴史の果てから連綿と続くこの愚かな行為。ある者は疲れある者は傷つきある者は自らに絶望する。だが走行は絶えることなく続きまた誰かが呟く。たまに珈琲の香りを嗅ぐのも悪くない。次回大平峠。神もピリオドを打たない。
2015-07-22 10:56:53第19話1300/さだめ、絆、縁。人間的なあまりに人間的なそんな響きはそぐわない。雨の臭いに導かれ地獄の寒さにさらされてアルプス山脈の峠を走る3年目のSR600。これは単なる偶然か。次回下呂駅。衝撃のあの日からをトレスする。
2015-07-22 14:17:56