日本の食卓からサバを盗んでいるのは誰だ・・・勝川俊雄氏のつぶやき

水産資源管理の専門家である三重大学の勝川俊雄准教授(@katukawa)が日本の漁業の現状・問題点をサバを例にしてノルウェーと比較して語っています。
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勝川 俊雄🐬 @katukawa

競争力がない漁業の方が、うまい魚を供給できるとは思えない。日本とノルウェーで、どちらが美味しいサバを漁獲しているかを考えてみよう。

2011-04-19 20:25:27
勝川 俊雄🐬 @katukawa

まともな漁獲規制のない日本では、無秩序な魚の奪い合いの結果、0歳のうちにサバの大半が漁獲されている。養殖の餌になったり、世界で一番安いサバとして、途上国に投げ売りされている。一方、ノルウェーは資源管理を徹底して、最高のタイミングで、サバを漁獲して、素早く冷凍する。

2011-04-19 20:26:00
勝川 俊雄🐬 @katukawa

日本のサバは、大きくして捕れば、ノルウェーのサバと遜色がないが、そういうまともなサイズで漁獲されるサバは、日本ではほとんど無い。希少価値から値段も高騰しがち。非生産的な乱獲漁業を税金で支えてきたから、こうなってしまった。

2011-04-19 20:28:55
szarvasgomba @szarvasgomba

@katukawa 確かに。ヨーロッパに流通しているサバはみんなご立派な形だ。

2011-04-19 20:31:28
勝川 俊雄🐬 @katukawa

欧州の水産関係者に「日本は0歳のサバが漁獲の主流」というと、「何で、国はサイズ規制をしないの?!」とのけぞりますよ。 RT @szarvasgomba: @katukawa 確かに。ヨーロッパに流通しているサバはみんなご立派な形だ。

2011-04-19 20:33:44
勝川 俊雄🐬 @katukawa

日本とノルウェーの鯖の資源量と漁獲の年齢組成。どちらが持続的に利益が出る漁業かは一目瞭然。 http://bit.ly/h8WYOc

2011-04-19 20:45:54
勝川 俊雄🐬 @katukawa

競争力のある漁業=利益が出る漁業=価値のある魚を漁獲する漁業

2011-04-19 20:47:06
勝川 俊雄🐬 @katukawa

水産資源は減らしすぎると元に戻らなくなる。そういう事例は山のようにある。たとえば、カナダのニューファンドランドのタラ。1991年に崩壊して、元に戻らない。北海道のニシンもそうだ。沿岸の小さな群れはあるが、ニシン御殿が建った時代の面影もない。

2011-04-20 06:49:34
勝川 俊雄🐬 @katukawa

サバは乱獲に強い魚ではない。ある程度以上、減らしすぎると、もう元の水準に戻らなくなる。ノルウェーは1970年代に北海のサバを潰した苦い経験を持っている。(今ノルウェーが捕っているサバは、スペイン沿岸の産卵群)

2011-04-20 06:50:03
勝川 俊雄🐬 @katukawa

北海のサバは、40年も禁漁をしているが、資源は回復しない。北海でもサバの卵が確認されているので、生物としては存続しているのだが、漁獲対象となるような水準には、40年待っても回復しないのである。

2011-04-20 06:50:16
勝川 俊雄🐬 @katukawa

未成魚の乱獲を放置しておけば、日本のサバも同じ運命をたどるのは時間の問題だろう。我々の子孫が日本の美味しいサバを食べる権利は、すでに侵害されている。未来の日本の食卓から、サバを盗んでいるのは誰なのか。

2011-04-20 06:53:49
勝川 俊雄🐬 @katukawa

日本とノルウェーの漁業の違い関心を持たれた方は、朝日新聞GLOBEの特集を見てください。それぞれの現場の取材を通して、その差がよくわかります。 http://globe.asahi.com/feature/101101/index.html

2011-04-20 11:00:38