超訳「632Hzの重要性」by Balance Mastering

最近Magpha EQで注目を浴びるBalance Masteringのブログより http://www.balancemastering.com/finishingtracks/how-to-tutorial-significance-of-632Hz/
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Magpha EQでおなじみ、Balance Masteringのブログに興味深い記事がありました。 「632Hzの重要性」 balancemastering.com/finishingtrack… ※以下、要約

2018-07-30 10:36:27
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一般にヒトの可聴域は20~20,000Hzとされる。周波数とスケールは対数の関係にあるので、632Hzというのはこの範囲のちょうど中間に位置する。 多くのEQはこの周波数を別段強調するようなラベリングを行ったりしないが、一旦この周波数を意識しはじめると全帯域の俯瞰がたいへん容易になる。

2018-07-30 10:38:04
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前述のように632Hzは可聴域の1/2地点にあたるわけだが、今度は可聴域を3等分すると、次のようになる 20 - 200 - 2,000 - 20,000 大雑把にいうと、3等分された区間はそれぞれロー/ミッド/ハイになる。

2018-07-30 10:38:54
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今度は可聴域を6等分してみよう 20 - 63 - 200 - 632 - 2,000 - 6,324 - 20,000 ある法則にお気づきだろうか? 6等分された可聴域は、20/63というわずか2つの数字だけで表現できる。

2018-07-30 10:39:21
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もしロー/ミッド/ハイ以上に細かく帯域を分割する術をご存じない方にとっては、このように6等分する考え方は有効なフレームワークとなる。

2018-07-30 10:40:22
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あるいは逆に、すでに特定の周波数を特定のカラーと結び付けて考えている方…たとえば「150Hzはロー鳴り」「700Hzは鼻にかかるような音」「4,300Hzはプレセンス」といったイメージを持っている場合、一歩下がって各帯域に等しく注目するきっかけにになるだろう。

2018-07-30 10:40:23
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この6等分した帯域を、新たにラベリングしてみよう。 ---------- 20: Sub 63: Bass 200: Low mids 630: Mids 2000: Upper mids 6300: Treble 20000: Air ---------- どうだい? これら6つのバンドを意識すれば、比較的Q幅の広いEQだけでグレートなミックスができそうだろう?

2018-07-30 10:41:22
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身もフタもない話ですが、 一応は営業アカウントなのでLikeも好きですがRTが好物です。 …さて、CMを挟んでPart.2

2018-07-30 11:21:42
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Part 1では可聴域を6等分したが、これをさらに2倍に分割するとどうなるか? 20 35 63 110 200 350 630 1100 2000 3500 6300 11000 20,000 35/110という2つのマジックナンバーが新たに登場した。先ほどと同様、各区間は対数の関係にあるため、ヒトの聴覚はそれぞれの距離をおおよそ等しいものと認識する

2018-07-30 11:23:51
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先ほどよりも細かく分割された帯域の一覧は(50HzはHumぽいとか中央Cの上のFの周波数がどうだという詳細は別として)全帯域を俯瞰するツールとなる。この程度の粒度で考えることはミックスやマスタリングを行う上で効果的で、広め~中程度のQでEQ処理を行う際に帯域を眺める地図として活用できるだろう

2018-07-30 11:25:34
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(「広め~中程度のQ幅」とはいったものの、多くの場合はそうあるべきだと考える。より狭いQの有効性に関する議論はまた別の機会に譲るとしよう)

2018-07-30 11:25:35
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もちろん、可聴域をさらに細かく分割することはできる。 さらに2倍…24等分すると、今度は24/47/84/150という4つのマジック・ナンバーが登場する。(訳注:一覧略。上記サイトをご参照ください)

2018-07-30 11:25:59
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そもそも、なぜこれが重要なのか? 手っ取り早く答えると「スピード」ということになるだろう。 これらの数字の取り扱いに慣れるには少しばかりの時間を要するかもしれないが、一旦このように帯域を分割して眺めることに慣れると、作業中の決断が早くなる。

2018-07-30 11:26:21
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たとえば、いまひとつ気に入らないサウンドがあって、どうも音色が問題であると気づき、EQで対処する判断をしたとしよう。 …というと随分と長い思考過程に思われるが、通常ここまでは感覚で即座に判断が下される。

2018-07-30 11:26:58
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このような場面では、分割されたそれぞれの帯域に優先順位をつけて、(もちろん耳を併用しながら)対象となる帯域を絞り込むことができる。

2018-07-30 11:28:06
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・0/200/20,000Hzは関与しているか? ・63/630/6,300のいずれかは? ・35/110/350/1,100/3,500/1,1000のいずれかは? ・十分に絞り込めたので、念のためもう一階層、絞り込んでみるか?(さらなる絞り込みのための48等分については後述)

2018-07-30 11:28:07
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熟練者であれば、上記の初歩のステップは省略して、 ・ハイのうちでも低めの帯域が問題であることはわかっているので 3,500 / 4,700 / 6,300のどれが最も近いか試してみよう という判断を初手から下すこともできるだろう。

2018-07-30 11:29:02
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このようなフレームワークに基づくと、タスクの開始から終了までが早くなる。各段階で必要なだけの粒度で帯域を探り、また必要以上に深入りせずに次のタスクに移れる。

2018-07-30 11:29:52
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稀に、これ以上の粒度で対処する必要に迫られることはあるだろうし、それ自体は問題ではない。ここで紹介する考え方は厳密なルールではなく、効率よく各バンドと向き合うための緩いフレームワークにすぎない。

2018-07-30 11:29:52
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ここで、記事をより完全にするために48等分した数値も見てみよう。一応指摘はしておくが、私自身でさえ普段のマスタリング業務においてこれほどの粒度で帯域を考える場面というのは、そう滅多にあることではない。 (訳注:一覧略。上記サイトをご参照ください)

2018-07-30 11:30:38
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Sontec 432といった有名なイコライザーが、ここで紹介した帯域とおおよそ似たような中心周波数のステップを有していることは偶然ではない。ステップごとの間隔はヒトの聴覚には均等に聞こえるし、ステップごとの違いが明確であるためどれが場面ごとに適切かは即座に判断ができる。

2018-07-30 11:31:51
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まずはいくつかキーとなる数字…20や63あたりを覚えて、そこから徐々に各帯域が全体にどのように作用するか理解を深めるといいだろう。

2018-07-30 11:32:18