俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫誕生日SS

アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第13話で判明した黒猫の誕生日お祝いSS。 ツイッターに投稿したものをまとめました。 なお、本作はツイッター小説に憧れた末の犯行である。 日々、精進。
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恭一 @kyoichi562

「あなたの枕なんて……ほ、欲しいわけがないでしょう」 そんなはずはない。 第一、私は兄さんからプレゼントを貰いたいと想いはした。 けれど、一度たりとも兄さんの枕が欲しいだなんて考えていない。 考えていない……いない、わ。 「んなこと一言も言ってねぇだろ!?」

2011-04-21 00:10:34
恭一 @kyoichi562

「……え?」 思考世界に没入しかけた私を呼び戻したのは思いがけない兄さんの言葉だった。 どういう意味? だって、私が無意識に求めていた安定。 それをもたらす魔道具・枕を欲していたのだと、彼は愚鈍を偽っていたその魔眼で見抜いた。

2011-04-21 00:11:31
恭一 @kyoichi562

だから、私にあんなことを言った――のではない、の?

2011-04-21 00:11:46
恭一 @kyoichi562

「自分が使ってる枕を、後輩の誕生日にプレゼントするわけないだろ……」 それは闇の住人であろうと、肯定せざるを得ない正論だ。 そして、私は自分の言動を振り返る。 振り返ってしまって――

2011-04-21 00:12:06
恭一 @kyoichi562

「もちろん、新しい枕だよ。例えば抱き枕とか……」 顔が、熱い。 おそらく、耳まで真赤に染まっている。 地獄の業火に晒されようとも、涼しい顔をする私が。 闇の眷属たる私が。

2011-04-21 00:12:23
恭一 @kyoichi562

「お前よく俺の枕抱いてるだろ? もしかしたら、そういう好きなんじゃねぇかと思ってよ」 あぁ、だけど、それは逆説的に証明する。 今の私は、闇の眷属である黒猫ではないのだと。

2011-04-21 00:12:50
恭一 @kyoichi562

「だから……良かったら、これから一緒に買いに行こうぜ。プレゼントをさ」 「……仕方ないわね。付き合ってあげてもいいわ」 彼の言葉に、一も二もなく頷く、ただの人間。 兄さんを慕う……一人の女。 今は、それでもいいと、私は素直に思った。

2011-04-21 00:13:14