【書き起こし】障害者雇用の水増し問題は、「悪意」以外の何物でもない。荻上チキが指摘▼2018年8月29日（水）放送分（TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」）#ss954

橋本 至 @kid75

【音声配信】障害者雇用の水増し問題は、「悪意」以外の何物でもない。荻上チキが指摘▼2018年8月29日（水）放送分（TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」）#ss954　tbsradio.jp/288402 ※多少のケバ取りと整文あり これより連投。

橋本 至 @kid75

南部広美さん：『障害者雇用の水増し問題　衆議院や全国の裁判所でも発覚』中央省庁で雇用する障害者の数が水増しされていた問題で、参議院に続き、衆議院や全国の裁判所でも同様の水増しが行われていたことが分かりました。衆議院事務局は、きょう開かれた衆議院運営委員会･庶務小委員会で、

橋本 至 @kid75

あらためて調査した雇用状況を報告。それによりますと、昨年度の障害者雇用人数は33人と厚生労働省に報告していましたが、実際は23人だったということです。また、最高裁判所が全国の裁判所の雇用状況を再調査したところ、不適切な算入が多数ある可能性があることが関係者への取材で分かりました。

橋本 至 @kid75

去年の雇用率は2.58パーセントとなっていますが、実際は法律で定められた雇用率2.3パーセントを下回る可能性が高いとみられます。

橋本 至 @kid75

荻上チキさん：障害者雇用の水増し問題問題なんですが、まあ次々とさまざまな場所で新たに発覚していますね。実際の数字、どれだけの水増しといいますかデータの捏造が行われていたのかが明らかになりつつあります。しかしながら、その背景ですよね。

橋本 至 @kid75

どうして各省庁が同時的にこうした実態を生んでしまっているのか、それは示し合わせているのかいないのか、いないのであればなぜこのような慣行があちこちでまかり通っているのか、示し合せていなかったとしても「隣の省庁ではこうしているらしい」みたいな仕方で模倣するということは

橋本 至 @kid75

当然ありうるわけですよね。民間の会社とは違って、ヨコが縦割りとはいえ省庁間の動きというものがある程度入ってきた場合には、「そうした手法をうちもやろうじゃないか」ということを行う可能性も当然あるわけです。

橋本 至 @kid75

そうしたことについて各大臣はですね、口をそろえて「原因が分からない」「いつからか分からない」「なぜそうなっているのかが分からない」というようなことを述べていますね。大臣によって発言のトーンは違いますけども「反省すべきだ」という趣旨のことを口にするところもあれば、

橋本 至 @kid75

「悪意はなかったと認識している」とか「ガイドラインの解釈を幅広くとっていたことがこうしたことにつながっている」という仕方で、悪びれることすらない、あるいは自分が担当大臣だったり副大臣だったり、監督責任のある立場の人間としてそうした発言をしているような、自覚が薄いような反応も

橋本 至 @kid75

あります。こうしたことから、この問題というのは一つの数字の改ざん問題ということだけではなくて、そうした問題に対する取り組み方として、ガバナンスの問題ですよね、しっかりとリーダーシップを持ちながら問題と実相を明らかにしていく。そして適切な改善策を提示していく。

橋本 至 @kid75

その能力があるかないかということが、まずは政府の側に問われる。そうした状況になっているわけです。これ「原因が分かりませんでした」「なぜこうなっているのかが分かりませんでした」「不適切でしたけれども、そんな実態がありました」って言うだけで終わってしまったのであれば、

橋本 至 @kid75

これはまあ政府の調査能力無しということになってしまうので、そんな調査能力の無いような状況だったら、その政府が発表するような再発防止策なるものも効くかどうか分からないですよね。なぜ起きたのかが分からなければ、再発防止っていっても難しいじゃないですか。

橋本 至 @kid75

例えば、何か事故が起きました、「どうして事故が起きて人がけがをしたのかわかりませんけども、これからはけがが起きないように気を付けます」って言っても、何をどう気を付けるのかが分かりませんよね。そうしたことを究明していくということが、これから必要不可欠になるわけです。

橋本 至 @kid75

で、幾つかの新聞がこの件について追いかけているので、どこも大きく取り上げて動いていますけれども、例えば毎日新聞は、この法定雇用率を満たすためには、実際には生きていない人、つまり死んでしまった方ですね、そうした人も算入、計算してカウントをしたりであるとか、

橋本 至 @kid75

あるいは健常者、つまり特定の障害などを持っていない管理職の者が「自分を障害者にカウントするように」と指示したケースもあった、という証言を紹介していますね。というようなことがいろいろあったのであれば、「悪意はなかった」というのは一体何なのかと。

橋本 至 @kid75

「悪意」ってなんだと思っているのか、と。「悪意」の解釈の範囲をどうとらえているのかわかりませんが、まあ分かりやすい悪者がいて「ようし、数字をいじってやろう。これで障害者たちの雇用を奪ってやるククク」っていうふうに振る舞っていれば、分かりやすい悪意のように思えるわけですけれども、

橋本 至 @kid75

「うーんこの数字、実際には雇っていないんだけれども、書類上雇っていることにしようか。忙しいし、大変だし」ということを「悪意」とカウントしないのであれば、世の中の粉飾決済などの問題は「悪意」とは呼べなくなってしまいますよね。

橋本 至 @kid75

つまり実態に合わないような数字を、実際に目の前にいる彼･彼女は困っていることがあって、周りも障害者としてサポートしているから、当然障害者としてカウントしているから障害者雇用だよね、っていう認識が職場に溢れていて、そうした多様な職場が考える障害者雇用の定義が、

橋本 至 @kid75

厚労省の考える定義よりも幅広かった、つまり各省庁や各自治体で起きている障害者雇用の実態というのがあまりにダイバーシティが息づいていて、厚労省が追い付いてきていないんだけれども、そういった未来の、先の定義で設定してしまいました！ということなのであれば、

橋本 至 @kid75

これは悪意なき計上ということに場合によってはなると思うんですが、事の経緯と障害者雇用の理解の浸透の具合やもろもろ出てきている発言･証言を含めても、これは「悪意」以外の何物でもないと思うんですね。そんなに言葉にこだわる必要がないのであれば、これは悪質な改ざんと言えばいい。

橋本 至 @kid75

本人の内面の問題というよりは、外形的な表現として使うことができればサクッと済ませようと思いますけど。そうした悪質な改ざんによって奪われたものはたくさんある。政府の信頼もそう、障害者の雇用もそう、あるいはここ数十年間で積んだであろう、

橋本 至 @kid75

より障害者にとって生きやすい社会になるという可能性･道、そうしたものを積極的に奪っていったのが、この省庁なのですね。或いはこの省庁の動きを、三権分立で監視すべき裁判所も、適切な動きが行えていなかった。ということになると、不寛容な判決もいっぱいあるわけですよ、

橋本 至 @kid75

この社会の障害者に対して。裁判官だけではなくていろいろなスタッフが日常的に関わっているのであれば、当事者感覚や周りで関わっている支援者であったり理解者であったり、そうした立場であれば見えるであろう風景が見えなかった場面もあろう、ということが想像できるわけですよね。

橋本 至 @kid75

この問題はとても根深いですよ。この間のいろいろな文章の改ざんであるとか、データの捏造などについて追及できないさまとか、そうしたものがいろいろと発覚してきたわけですけれども、それがギュギュっと詰まっているような案件ですね。

橋本 至 @kid75

もちろん今政府だけの問題ではなく、長年の問題だということになるわけですが、かつての問題であれそれを改善できないのは、現在の政治の役割ということになるので、国会でも行政の方でもこの問題については二度と繰り返さないようにする。