- Uroak_Miku
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日系三世くんの自己紹介。 日本にはひとりで一か月暮らしてきました。 小さいときから日本製のアニメにぞっこんです。 ブラジルではけっこうたくさん番組を見ました。 とうとう日本にたどり着くチャンスを得てうれしいです。 和訳するとこんな感じ。びみょーな英語を喋ってる。 pic.twitter.com/Q9irIqjDZZ
2018-09-03 22:39:40現在完了時制をやたら使うんですよ。この章でこの時制がカリキュラムに登場するので、リカルドくんに託して、やたらこの時制をくりだしてくるの、この教科書。
2018-09-03 22:47:13この自己紹介、実は過去時制(中三どころか中一で習う)でまにあってしまう。 ぼくは日本のアニメを見て育ちました。 ブラジルではたくさん放映されています。 日本には小さいときから憧れていました。 家族そろって一か月前に来ました。 そしてとうとう日本の学校に通い始めました。
2018-09-03 23:15:16こんな風になる。 I grew up with Japanese cartoon shows. They are very popular in Brazil. I longed for Japan since I was a kid. We came to Japan one month ago. Now I finally started going to school in Japan. すべて過去時制ですね。これで立派に通じるし、正しい英語。
2018-09-03 23:16:02訂正。二つ目は現在時制でした。
このほうがずっとスマートなあいさつなのに、教科書のなかでリカルドくんは、強引に現在完了形であいさつさせられるわけです。
2018-09-03 23:17:57過去形と現在完了形はどこがどう違うのか? 私も中三のとき、ここがわからなくて、嫌々つけられた家庭教師(地元の男子大学生、京都訛り)に何度も殴られました。本当ですよ。キレちゃったんですね彼。当時の私は心身症のなりかけで、記憶が途切れることがあって、それが反抗的態度に取られた。
2018-09-03 23:26:37で、今の私が当時の私を世話するとしたら、こんな風に教える。 あのね、過去形は「~た」の1パターンでだいたい間に合うんだけど、現在完了形は3パターンあるわけ、日本語に置きかえるのにね。 1パターンでほぼ間に合うのが過去形で、3パターンを強いられるのが現在完了形。わかりやすい説明。
2018-09-03 23:29:38さらにこう続ける。 「中学英語はホンモノの英語ではないの。『~ing=している』とかに1パターン化された、すごく人工的な代物なのよ。このほうが中学生の子にはわかりやすいという、親心のつもりなんでしょうね。ところが中三で現在完了形を習う時、とうとう1パターンでなくなるわけ。3になるの」
2018-09-03 23:34:53「教科書を作っているひとたちにすれば、中一、中二はなんとか1パターン化で押し通せるのだけど、中三でとうとうこの手を投げ出してしまう。なぜって現在完了形は、1パターン化で手に負える代物ではないから。つまり、ここで『親心』が空中分解に至るわけ」
2018-09-03 23:37:35「ここまではニコニコしていたのに、現在完了形の登場で、教師が鬼の顔に変わるようなものね。『お前らガタガタいわずに3パターン覚えやがれ!』って」
2018-09-03 23:39:18「『子どもにはやさしい教え方をしよう』『1パターン化して、順に教えていこう』『ほんとうは英語はそんなパターン化が効かないのだけど、あえてそうやって教えていこう』『教科書のほうもパターン化された英文を揃えてほしい』と、英語教師は考える。『親心』からね」
2018-09-03 23:42:01「けれどもこの『親心』、いずれ壊れてしまうの。現在形、過去形、ほかいくつかの時制を順に教えていって、とうとう中三で現在完了形をデビューさせるときが来て、で、この時制はどう工夫しても1パターン化が効かないわけ。『子どもには1パターン化して教えていきたい』という『親心』が空中分解」
2018-09-03 23:44:53「そういうわけで教師の態度が変わる。『お前ら今まで俺はずっとホトケ顔だったが、ここから先はもうそんな顔してられない。高校入試で落ちたくなかったら、がたがたいわず3パターン覚えやがれ!』と君子豹変す」
2018-09-03 23:46:37「理想と現実が裂けていく。ここまでは教科書のほうを工夫してもらって、裂け目をうまく覆い隠せたのだけど、現在完了形はもはや覆い隠せない。それで仏が鬼になる」
2018-09-03 23:48:00「いい?中一の段階で、もう裂け目って生まれていたの。たとえば『can=できる』とあなたたちは1パターン化して教わっていると思うんだけど、ほかにも『can=可能性がある』とか『can=よかったらしてあげる』とか『can=許可をもらっている』なんてのが本当はあって、ネイティヴはばんばん使ってる」
2018-09-03 23:50:17「けれども教科書にはそういう『can』は載せないで、『can=できる』パターンのものだけを掲載して、つじつまを合わせているわけ」
2018-09-03 23:53:01「『ずっと〜しています』『〜したことがあります』『〜したところです』の3パターン。日本語で考えると、これ全然ニュアンス違うんだけど、英語ネイティヴには同じものらしいのね。ほら、私たちが『庭を走っている』と『奴には前に会っている』のふたつを、同じ『~ている』と考えるように、ね」
2018-09-03 23:57:22「小学校から国語の授業を受けてきて『~ている』の用法は何パターンもあるんですよと習ったかな?習っていないと思う。そういう生徒が、英語を習いだして『canには何パターンもあるんですよ』といきなり教わったらパニックを起こす。それで『can=できる』と1パターン化してしまう」
2018-09-04 00:09:07「しかしこんな帳簿のごまかしは、いずれ破綻する。事実、中三で現在完了形を教えるにあたって、とうとう3パターン化される。教師の顔が鬼になる。生徒はとまどい、おののいてしまう。『高校入試で落ちたくなかったら、がたがたいわずに丸覚えしろ!』と脅され、泣く泣く暗記。これで英語嫌いになる」
2018-09-04 00:11:50