ぼくっこ

よつげ @Eight_os

２５ 「安田くん！助けて！」 現時点で唯一の友人と呼べる安田くんに休み時間声を掛けるも 「みんなー、真白くんってな？」 後ろでそう言う声が聞こえてはっと振り向くと 丸山くんがニタリ… ムカつく！ すっごいムカつく！ 「どうしたん畠山くん？」 「…なんでもない」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２６ ぶすくれた僕の顔に「あーな…笑」と全てを察したらしい安田くん。 穴があったらなんとやら。 「まあ…丸のことは俺もよう知ってるけど」 ああ、安田くんもそっち側ね… 「受けてる扱いが扱いやから 子分とかおんのが楽しいんやと思うよ 俺は何もできひんけど頑張り？」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２７ ああ…やっぱ助けてはくれないのね…ぼかぁ悲しいよ…。 そんなこんなで今日も何とか乗り切り放課後。 「あ、下僕さん、僕飲みもん買ってくるわ、ここで待っとって」 「え、あ、はい…あの、お金」 「今はええよ でも後でアイス買って♡」 僕はあんたのおばあちゃんか！ #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２８ そう思いながら待ってると、背後から 「あ、チャリの」 という声。 振り向くと 「…っ！？よよよ横山、先輩！？」 「なんで知っとんねん」 「あっ…名前呼ばれてたから…」 「ああ、そっか」 そうです 横山先輩がおりました。 「何してん？こんなとこで」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

２９ うっ… 「（ご主人）丸山くんを待ってます」 「へー、あいつと仲ええんや」 ううっ… 「はい、（下僕という名の）友だちです」 …死にたい。 っていうか、横山先輩丸山くんとも知り合いなんだ。 タイプ真逆っぽいのに。 「そーかそーか…」 あれ、何かニヤけてる…？ #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

３０ 「ほんならさ」 横山先輩は小さめの紙袋を手渡してきた。 「俺からー言うてこれあいつに渡して」 「あ…はい」 うお。 横山先輩から頼まれ事。 そして紙袋を渡す時指が触れて。 「あっ」 思わず袋を取り落としそうになった。 「おっと」 「あ、ありがとうございます」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

３１ 横山先輩が支えてくれて紙袋は無事。 やばい、なんだろ 距離が近いだけですごい照れる。 「あ、えっと…なんて言って渡せば…」 「あー… 去年誕プレ届けに行けへんかったからその分って言うといて」 「分かりました」 「あ、あと」 横山先輩はニンマリ笑って付け加えた。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/OleJ7gkFit

拡大

よつげ @Eight_os

３２ 「俺ここおるから、渡したらすぐなんか理由つけてこっち来い 隠れてんのバレへんようにな？」 「え？」 「おもろいもんが見れんで笑」 おもろいもん…？ さあて、そうとは知らずやってきた丸山くん。 「ま、丸山くん、これ、さっき横山先輩が来て、丸山くんに」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

３３ 「うわっ、あの人が！？」 嬉しそうな丸山くん。 「なんか言うとった？」 「あ、ええと… 去年誕生日プレゼント、渡せなかったから、その代わりって言ってました」 「わー、あとでお礼言っとこ」 さあて、どうしよ… 「…あ！僕先生に呼ばれてたの忘れてました！」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

３４ 鉄板かつ丸山くんが止められなさそうな理由。 「はあ？お前何忘れとんねんしっかりしい」 「うう、ごめんなさい」 「…あーもうええわ、さっさと行けや」 「すみま」 「メロンパン追加」 …あいあいさー。 そして横山先輩の背後につく。 「おもろいもん、って、何ですか？」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

３５ 「まあとりあえず見とき」 「はぁ…」 丸山くんはもらった紙袋を「わー…」と嬉しそうに眺めたあと、 なぜかキョロキョロと周りを確認してから 「…中身なんやろ…」と紙袋を開けた。 中から出てきたのはボールペン。 「わ、かっこええー！たぶんちゃんとしてるやつや」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

３６ 丸山くんはそう言って嬉しそうだけど あのボールペンの形状、どっかで…主にバラエティーで見たことあるような… そして丸山くんが何気なしにボールペンをカチッとした、瞬間！ 「うわぁ！！」 丸山くんは飛び上がってボールペンを取り落とした。 思わず笑う横山先輩と僕。 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

３７ 無理もない。 急に手に電流が走ったのだから。 俗に言うビリビリボールペン。 「な、やっばいやろ笑」 「はっは…丸山くんリアクション良すぎ…笑」 「ましろ〜！！」 何で僕ー！？笑 「丸ー、ええリアクションやったでー ほんならこいつ借りてくから」 「ふぁーい…」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

３８ え 「帰ろ えっと、真白くん、でええんかな？」 「あ、はい…」 え、これ一緒に帰る感じ！？ ええ！？ 僕生きて帰れる！？死んじゃうよ！！ あ、でも、今日は丸山くんの下僕これで終了か。 …ラッキー、かも。← #エイトで妄想 pic.twitter.com/aNGFgnXXfU

拡大

よつげ @Eight_os

３９ 「で、結局お前丸とどういう繋がりなん？」 開口一番そう聞かれて焦る… 「えと…」 正直に言う？ それとも隠す？ え…でも… ━━━真っ直ぐな目。 「…げ、下僕デス」 うん、どうせ敬語使ってた時点で若干バレてたよね、だから聞いたんだよね(白目) #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

４０ すると横山先輩は爆笑しだして 「あいつ、ほんまおもろいこと考えるなぁ！笑」 そして笑いをこらえながら話してくれた。 「あいつな、中学の時からずっといじられキャラやってん。 俺らみたいに割と仲いい奴もそうでも無い奴も関係なしにいじってて それが下僕…はっは笑」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

４１ あー… 安田くんの言った『扱い』ってそういうことね。 恐らく丸山くんは、仲いい人ならともかく、大して仲良くもない人達からもいじられる自分の立場が嫌いだったんだ。 そこに現れたのが僕。 ずっと誰かの手下だった自分が初めて子分を得た。 そりゃあ楽しいだろう。 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

４２ 僕は毛ほども楽しくないけど。 でも、何となく、丸山くんはほんとはいい人なんだろうなー…とは、思う。 それにしても 「…なんか、横山先輩って、イメージ違いますね」 「そう？」 「もうちょっと怖い人だと思ってた」 入学初日を思い出す。 「あー、よく言われるわ」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

４３ そんなんやないんやけどなぁ… 頭を掻きつつぼそっと言った横山先輩。 ほんとに綺麗な顔の人なのに。 中身はよく笑う優しい人だ。 「あ、そうそう 俺らの部活見に来てや」 「行きます！ しん…しん…」 「あー、名前呼ばんでええ 大げさすぎて俺も部活の名前嫌いやねん」 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

４４ そうなんだ…。 嫌いっていうか、僕の場合思い出せないんだけどね。← でも、ちょっと見たい。 あのトランペット、横山先輩が吹いてるとこ。 「あ、じゃあ俺こっちやから」 え？ 送ってくれたり… あ、するわけないのか。 そうかそうか。 横山先輩の中では、僕は男だもん。 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

４５ …なんか、胸が痛むような。 目のあたりがツンとなりそうな。 「じゃあここで！」 「おう」 かき消すように叫ぶ。 そう。 僕は落ち込んでなんかいられないんだ。 「丸の下僕頑張ってな」 「はい！頑張ります…」 ( ﾟдﾟ)ﾊｯ! メロンパン買わなきゃ！！！← #エイトで妄想 pic.twitter.com/PROJIJprJh

拡大

よつげ @Eight_os

４６ 「ただいまー」 「あ、瑞穂姉おかえりー」 ただいまは僕のセリフじゃありません。 七河瑞穂。 現在通ってる男子校の、保健室の先生。 生徒達からは瑞穂ちゃんって呼ばれてる。 僕の姉。 ただし、色んな事情があって血は繋がってない。 でも友だちみたいに仲はいい。 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

４７ いろいろと言っても、言ってみればシングルマザーになった瑞穂姉のお母さんがとある会社の社長である僕の父と再婚。 でも瑞穂姉が高二の時離婚してお母さんと瑞穂姉は旧姓に戻る。 瑞穂姉は高校卒業後お母さんと住んでた家を出て養護教諭になった。 そしてこの辺で働いている。 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

４８ 実家から遠いこの地にわざわざやって来て、僕があの学校に通うわけ。 それは瑞穂姉がいるから。 養護教諭になるつもりではないけれど、瑞穂姉に通っていた大学の楽しそうな話を聞いて 僕も同じ大学に行きたいと思った。 今の高校はその大学への進学率も高い。 #エイトで妄想

よつげ @Eight_os

４９ おまけにその信頼出来る瑞穂姉もいるから言うことなし。 というわけ。 心配の種といえば、現時点で僕が丸山くんの下僕であることと 瑞穂姉が生徒にモテモテなことかな。 あと… 何故か、横山先輩が気になってること。 「ましろー どしたの、浮かない顔して まさか…」 #エイトで妄想