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lanuit2012
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6時20分ごろ起床。あまりに鮮明な悪夢をみた。ここのところの私は、平穏無事に、そして何も生み出すことなく「ただ生きてる」と思っていた。でも心はそうは思ってないみたいだ。私の中のどこかに、まだ何か(それも早急に)解決すべき問題が残っている気がますますしてきた。
2018-09-09 06:40:29![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
私は観光バスから降りたところだった。荷物は多くなかったから、そう遠くない日帰り小旅行とか、そんなものから帰ってきたところだったんだろう。降ろされた場所は高架下だったけど、私は不審に思わなかったから、あらかじめ知らされていたんだろう。私は添乗員の案内に従って、ただ待っていた。
2018-09-09 06:52:42![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
その時、私の目はバスの後部にいった。正確にいえば乗客が座る辺りでなく、もっと下。そこから黒い煙が出ている。モノが燃える時に出る煙。やばい、と私は思った。「みんなバスから離れて!今、すぐ!」私は叫ぶなり一番近くにあった堅そうな遮蔽物の陰に滑り込んだ。直後にバスが爆発して吹っ飛んだ。
2018-09-09 06:56:54![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
爆発四散したバスからの熱風もさることながら、吹っ飛んだ大量の鉄片、「バスだったもの」の大量の破片が、さっきまで私の立っていたところに突き刺さったり、転がったりしていた。あそこに居たら死んでいた。そんなことを思って、安心する暇はなかった。炎上するバスと逆から轟音がしたのだ。
2018-09-09 07:02:52![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
新たなバスが凄い勢いでカーブしながら、この事故現場めがけて殺到してきていた。カーブしきれず横転してなお、それは私たちの居る場所へ正確に突っ込んできた。私はもっと堅牢な遮蔽物、かがんだ私をうまく覆ってくれるくらいの高さがあって、充分な厚みのあるコンクリートの車止めの陰へ滑り込んだ。
2018-09-09 07:12:32![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
私はぴったりと車止め(この名前で合っているか分からない)に身体を寄せて、次の爆発に備えた。この間数秒。もう一度みんなに警告をする暇はなかった。数秒で可能な範囲の覚悟はしていたけれど、次の爆発は予想以上の威力だった。ふたたび激しい爆発音と、高温の熱風と、大量の破片が吹っ飛んできた。
2018-09-09 07:17:01![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
じっくり1分ほども待って、もう爆発しないと確信してから、私は顔を少し出して現場を見た。2台のバス「だったもの」が炎上している。フレームしか残ってない。それも、一部。人の姿はちらほら見える。なんとか無事な人も、結構な人数がいるようだ。私はほっとした。でも安心している暇なんか無かった。
2018-09-09 07:21:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
一台のバイクが、猛スピードで走り抜けていった。こんな惨状を気にもせず、一直線に走り抜けていった。続いて、何台かの車も。2~3台はバスだったものに激突したけど、後続車はそれを気にしたりせず、ただ走り抜けていった。何かの新たな轟音を耳にしながら、私は何かヘンだ、と考えていた。
2018-09-09 07:24:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
私が乗っていたバスの爆発は、ガソリンタンクに引火したとしたって、威力と規模が大きすぎた。2台目は意図的に私たちの場所に突っ込んできた。そして普通では考えられない爆発力。おかしい。しかも、いまバスとは比較にならない轟音が聴こえていて、それは「こちら」に向かっている。
2018-09-09 07:27:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
よく分からないけど「ここに居てはだめだ」と思った。あれは事故の爆発力じゃない。何かが積んであったんだ。大量の可燃性の液体とか、なにか。あれはバスというより、2台ともバスそのものが爆弾だったんだ。そして次の轟音がもう聴こえている。逃げなきゃ。私の頭にはもう、それしかなかった。
2018-09-09 07:35:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
もう一度何かが、それもさっき以上のことが起きる。そうしたら高架はもたない。私はもう誰にも警告する余裕もなく、ただ高架下から離れるために猛ダッシュを開始した。数秒走って高架下から出た直後、私は瞬間判断力と運を試されることになった。
2018-09-09 07:37:34![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
正面から轟音と火花を散らせながら迫ってきたのは旅客機だった。さっきまで建物の陰で見えなかったけど、あのバイクも車も「これ」から逃げていた。もっとも視界を塞いでいた建物は、たったいま旅客機によってなぎ倒された。どうする、どうする。旅客機は進路上の全てを吹っ飛ばしながら近づいてくる。
2018-09-09 07:48:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
目の端に路面排水溝が見えた。迷っている暇はない。私はそこに飛び込んだ。身体を小さく折りたたんで、頭をかばった。間一髪で、旅客機は私の頭と身体の上を、もの凄い轟音とともに通り過ぎていった。さっきの車止めは、旅客機の爆発に耐えてくれるだろうか。足側からくる爆風が心配だった。
2018-09-09 07:51:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
三度めの爆発で、高架は落ちるというより、吹っ飛んだ。一度大きく上空へ飛んでから、水銀灯をくっつけたまま落下してきて、私の前方に垂直に激突した。私はしばらくしてからようやく排水溝から起き上がって、目の前の惨状を呆然と眺めた。
2018-09-09 07:56:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
燃え盛るバス2台と旅客機だったものの、大量の鉄の残骸。崩れ落ちた高架と、いちど吹っ飛んでから地上に激突した高速道路の一部だったもの、大量のコンクリート片、鉄の残骸、それと大量の炎、悲鳴、何かが焼けるにおい。私はよろよろ歩き始めた。とりあえずまだここは安全じゃないかもしれないから。
2018-09-09 07:59:39![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ここで目が覚めた。この手の夢をみるたび、私は思う。今回は一回きりとはいえ最初にみんなに警告したぶんマシだ。これまでの夢で、私は誰にも警告せず自分の身の安全を確保し、その後逃げる必要があるなら、誰も助けず、全員を見捨ててひたすら走る。カタストロフ系の悪夢の時はいつもそうだ。
2018-09-09 08:15:42![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
洋画ドラマやゲームで「伏せろ!」とか「グレネード!テイクカバー!」「ムーブ!」なんて言葉の認知度は、少なくとも以前よりは上がってる気がする。でもそれは「そういう」ドラマやゲームで知っている人だ。一般の認知度は低い。それが分かっているから、私は警告するより自分の身を最優先する。
2018-09-09 08:17:40![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
でも誰も助けないってことは、誰からも助けてもらえないことも覚悟しないといけない。そこは覚えておいたほうがいいだろう。それはそうと、ここ数か月の自分の状態、体調、コンディション、こういう悪夢、ほぼ毎日おそってくる虚無感のことを思うと、いい加減に恵さんに会いに行くべきって気がする。
2018-09-09 08:19:17