半竜パロ

ギルガメッシュ兄弟メインのマリギルとプサギルの似非ファンタジーもどきみたいな何かです。
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アバヨ @s_cs74_

世界は邪王に支配されているんだ、誰かが救わなければならないんだという妄想に支配されたお父さん(狂気付与)に竜の因子を埋め込まれて誕生したアーサーくん、平和な世の中では人外混血の身を不気味がられて疎まれて、人里にいられず山野に逃れてひとり孤独に生きていましたという導入から始まる妄想

2018-08-22 07:49:41
アバヨ @s_cs74_

そもそも、虐められながらも人里にいたのに、パパが「お前の力を強化するのに必要なんだ」って街の娘を攫ってきて血を絞ろうとしたもので(処女の血)、凶行を止めようとしたら勢い余って死なせてしまって、タイミング悪く父親の死体の前に返り血まみれで立ってるとこを里人に見られてしまって

2018-08-22 07:55:24
アバヨ @s_cs74_

どうしようもないマッドサイエンティストの父親だったけど、真相を話して死んだ父親の名誉まで汚すことが出来なくて、でも自分が罪人として処されるのも嫌で、逃げちゃったんでしょうね。お母様はアーサー産んだ時にたぶん亡くなってるし、そのことで実姉には憎まれていそうだわ。ぅゎアーサー可哀想…

2018-08-22 07:57:36
アバヨ @s_cs74_

そもそも人外の身であることを辛く思っていたところに、父殺しの罪が加わってしまって、かなり厭世的で自己評価低い感じのアーサーくんになってそう。いっそ自殺とも考えたんだけど、竜の因子を持つ自分を殺す方法が見つからなかったし、心のどこかで死にたくないって思ってたから、できなかった。

2018-08-22 08:02:12
アバヨ @s_cs74_

アーサーくん、兎に角自分のいた村から離れようと各地転々して旅するんだけど、どこにも混血児の居場所なんてないと悟って森の奥の泉に引っ込むのね。ファンタジーだから自由に竜の姿になれたりすればいいな。普段は泉の底で微睡んでたり、ひとの姿で水辺でぼうっとしてたりすればいい。

2018-08-22 08:06:17
アバヨ @s_cs74_

こころが綺麗だから、森の動物とか植物とかとは仲良くなりそう。ディズ〇ー系プリンスだから。人外の友達と孤独を紛らわせて生きてる。あと、森に迷い込んで帰れなくなった人間のことは、ひとの姿で森の端まで案内して帰してあげてたりしそう。それで近隣の村からは「神様」って噂されてる。人なのに。

2018-08-22 08:08:30
アバヨ @s_cs74_

信仰を集め始めてしまってからは、自分が人間から離れて竜に寄ってきてしまっていることが怖くて、竜のすがたになれずひとの姿で過ごしてるんだけど、厳しい自然の中でそんなか弱い生き物のすがたでいるのは難しいんですよね。でも身体は丈夫だから衰弱死することもできない。

2018-08-22 08:11:16
アバヨ @s_cs74_

ある日そんな彼に「人の子でありながら神に祀り上げられるとは、なんと残酷な」って声をかけてくる旅装の男がいるんですけど、それを誰にするかで分岐だな。迷う。

2018-08-22 08:12:55
アバヨ @s_cs74_

分岐抜きにしてここマーリンにしよ。

2018-08-22 08:17:44
アバヨ @s_cs74_

マーリンはぼろぼろのアーサーを介抱してくれるんですね、こんな水辺では身体を冷やすよ、と近くにあったちいさな洞窟の中に連れて行って、火を焚いて身体の傷を見、あたたかいスープを煮てくれる。怯えたりする様子もなくて、常に微笑を携えている。

2018-08-22 12:11:25
アバヨ @s_cs74_

「街の噂を聞いたのでしょう。あなたは僕が怖くないんですか」と尋ねるアーサーに、マーリンは「怖がる?森の動物たちはみんな君を良く言っているよ。こんなにきれいでやさしい男の子を、どうして怖がらないといけないんだい?」って笑って答えますね。

2018-08-22 12:13:56
アバヨ @s_cs74_

でも僕は人間じゃない、って呟いたアーサーくんに「そんなのめずらしいことじゃない。わたしだって妖精と人間のハーフだし。竜と雑ざった個体は確かにめずらしいけれど、わたしは君以外にもひとり知っているよ」ってさらっというのですね。

2018-08-22 12:14:17
アバヨ @s_cs74_

「僕以外にも?」と目を瞠るアーサーくん。手が止まっているのを見たマーリンは「ちゃんと食べなさい」と少年を窘めてから、自分の分のひとさじを口に運ぶ。アーサーは自分が食事をちゃんとしなければマーリンが続きを話してくれないことに気付いて、慌ててスープを口に運ぶ。

2018-08-22 12:15:08
アバヨ @s_cs74_

マーリンはやっぱり魔術師的な何か。妖精の母親と人間の父親の混血かな。異種族が駆け落ちして出来た子。魔術は母親から教わった。高度な技術と幅拾い知識を持つ。何歳なのかはヒミツ♡ ちなみにアーサーくんは16歳とかかな。父親殺したのが15歳の誕生日。

2018-08-22 12:16:29
アバヨ @s_cs74_

「竜は妖精や巨人のような人型の異種族と違って、ヒトとは交わらない。だから、人工的な手段を以てしか竜の因子を持つこどもは生まれないんだ。言い方が悪いけれど、ヒトと竜の合成獣だよね。君の御両親は錬金術を研究されていたのかな」と、アーサーは頷く。父親の部屋には、関連図書が山積みだった。

2018-08-22 12:17:15
アバヨ @s_cs74_

「竜は頭がよく、肉体も強靱で、人智を超えた力を秘める。大いなるものを前にしたとき、ヒトのとる手段はふたつだ。すなわち、崇めるか、迫害するか」語りながら、薪を棒で転がす。新たな風通りを得て元気になった炎が、パチパチと火の粉を飛ばす。

2018-08-22 12:17:39
アバヨ @s_cs74_

どちらも嫌だなと苦笑するアーサーにマーリンはそうだろうねと相槌を打つ。「竜種の力は絶大だ。一説には、一夜に星の半周空を駆けるとも、吐いた炎は一千の兵士を一瞬で灰にするとも聞いている。多少の魔力防壁はあの推進力で突破できる。これだけの生き物が、もしも自分たちの思うが侭になったら?」

2018-08-22 12:19:46
アバヨ @s_cs74_

「……そう考えるひとたちがね、いたんだよ」ため息を吐くマーリンに、アーサーはおそるおそる尋ねる。「そのひとたちも、うちの父さんみたいな妄想を抱いていたの? ……世界を救わなくちゃいけないとか」って。マーリンはアーサーのことばに、目元を和らげて、かれの頭をやさしく撫でる。

2018-08-22 12:20:08
アバヨ @s_cs74_

「ある意味では、そうなのかもしれない。そのひとたちは、自分の国を守ろうとしていたわけだから。かれらはね、竜の子を必要とした。隣国との戦争に勝つために、兵器としての化生を必要としたのさ。当時6歳だったその国の第二皇子に、王は竜の血を注いだ」 マーリンは眉をしかめる。

2018-08-22 12:21:52
アバヨ @s_cs74_

「身体を異形に蝕まれる苦痛は、凄まじいものだった。母胎に術を仕込むよりも、ずっと乱暴なやり方だからね」 細胞が根付き同化するわけだから、混ざるなら若いうちがいい。一番いいのは、赤ん坊の時分、あるいは生まれる前に母親の胎の中にいるうちに仕込むことだね、とマーリンは説明した。

2018-08-22 12:23:04
アバヨ @s_cs74_

アーサーは後者だ。確かに、生まれたときには既にこのからだだった。身体の痛みを感じた覚えはない。

2018-08-22 12:23:13
アバヨ @s_cs74_

「拒絶反応で死んでもおかしくなかったけれど、かれは奇跡的にも融合を乗り越えた。竜の因子を後天的に宿すことに成功したわけだ。このことは、民の士気を高めた。王家の血は亡びず、国を護る鉄壁の守護であると持て囃した」

2018-08-22 12:26:14
アバヨ @s_cs74_

「少年が如何に強大な力を手に入れようと、十にも満たぬ幼いヒトの子だということを、かれらは配慮しなかった。皇子は身体的にも、その存在としても、人間性を剥奪されたわけだ。周囲の大人の都合とエゴでね」

2018-08-22 12:27:36
アバヨ @s_cs74_

滔滔と語られるマーリンの話は、作り話のようだった。王様だとか、戦争だとか。アーサーは生まれこそ非現実的なすがたであったけれど、住んでいた村はごく平凡な山村だった。村で生まれた赤ん坊は、老爺になり村の墓地に入る。それくらい、閉鎖的で世間の動きとは隔絶された環境だったから。

2018-08-22 12:28:00
アバヨ @s_cs74_

マーリンは脇に積んでいた薪を炎にくべながら話を続ける。かれらは、皇子を戦場に連れて行ったんだ、と。アーサーは耳を疑う。六つのこどもを、戦場へ?正気の沙汰じゃない。アーサーの表情に気が付いたのか、そうなんだよね、とマーリンは相槌を打った。少年には、あまりに過酷すぎる場所だった、と。

2018-08-22 12:33:40
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