天原誠氏の『まどか☆マギカ』最終話までの感想Tweet

あままこ(天原誠) @amamako

誰もが、自分のいる場所で生き、そして戦ったり、時には逃げたりし続けるものなんだよ。でも、生きている限り、もう一回できるチャンスは何度でもあるはずなんだ。考えることさえやめなければ。だから重要なのは、楽しく戦い、そして楽しくなかったら逃げることなんだよ。

あままこ(天原誠) @amamako

ちょっとそこから脱線して、でも重要なことを言うと、本当に魔女との戦いは「悲惨」なものでしかありえなかったの？とも思う。まぁこれは、僕も未だに悩んでいることではあるんだが、でもやっぱり、例えそれがどんなに辛くても、そこに楽しさは見いだせるし、見出すべきなんじゃないかと。

あままこ(天原誠) @amamako

もちろん、ただ楽しいだけという風に自分に嘘をついてしまったら、それは結局過剰労働を正当化することになってしまうだろうとも思う。でも、きついこと、本当はよくないことを根底においた上で、でもなんか楽しいことを少しは見つけないと、人間やっぱまいっちゃう。事実、彼女らは参っていた。

あままこ(天原誠) @amamako

きついけど、きつい中に楽しいこともある。そこから、なんとかきついことから抜け出す方策を考えよう。ってぐらいが、ちょうどいいんじゃないかと。

あままこ(天原誠) @amamako

さて、話をもとに戻す。ただ、こういう風に「生きろ」と言うと、「でもワルプルギスの夜が来ることは確定していたから、結局どうしたって生き残る術はなかった。世界は終わりなんだから。」と言い、そしてそこから「そんななかでなんとか未来につなげる試みとしてマギカの選択があった」と擁護する輩

あままこ(天原誠) @amamako

がいるだろう。でもそうやって世界の終わりを捏造して、そこで救済を描く技法こそ、まさに詐欺師の常套句じゃないか。僕達が90年代に学んだこと、それは、結局どんなことがあっても世界は終わらない、続いていくってことじゃなかったのか？何度終末が来たって、その終末を血反吐吐きながら乗り越え

あままこ(天原誠) @amamako

ていく、それが「人間」というものなはずだ。「仮にそれでも世界の終りだったら？」ということを言う？だとしたら、このアニメは全くの無意味だよ！

あままこ(天原誠) @amamako

僕がこの物語で最も邪悪な嘘だと思っていることは二つあって、一つが今言った「真の世界の終り」という嘘。そしてもう一つが、「魔女」としいう存在そのものなんだよね。どういうことか？つまり、憎しみとかネガティブな感情に囚われれば魔女になるなんて、あまりに人間を冒涜しているということ！

あままこ(天原誠) @amamako

ネガティブな感情を抱けばそれが「魂」を濁らせ人をモンスターに変える？はぁ？どんな道徳の副読本ですかーってぇんだ。むしろそういう感情を全然抱かない人間こそ俺は怖いよ。そういうやつはきっと善意でしか動けず、そして善意で人を殺すんだよ。そして善意だから、コミュニケーションもできない。

あままこ(天原誠) @amamako

「ずっと好きだった男の子にふられた女の子は、深く絶望し、魔女になってしまいました」ってか？あー、なんて美しいお話でしょう。夢見る乙女とか大好きでしょうねぇ。だが、そういう夢見る女の子に対し、「別に失恋なんていくらでもするし、それでも人間なんとか生きちゃうものだよ」と夢を潰してやる

あままこ(天原誠) @amamako

それが大人の役目ってもんじゃないのかねぇ？いいんだよ幾ら憎んだって恨んだって、そしてもっと言ってしまえば絶望したってさ。大丈夫、まぁ大体それでも人間生きちゃうもんだ。だから安心して絶望しろって、伝えるべきなんじゃないの。絶望に恐怖を植えつけて、どーするって言うんですか！

あままこ(天原誠) @amamako

まぁちょっとここで敷衍していうなら、この日本の、人を憎むという感情への激しい嫌悪感、「人を憎んではいけません」というメッセージこそが、人々をもっとも精神的に追い詰めていると思うんだよな。

あままこ(天原誠) @amamako

つまり日本には、むしろ魔女が少なすぎる。もっとみんなどんどん魔女になればいい。そしてみんなで集まって魔女の王国を作ろう！王様は僕であり、家来は君だ！と。

あままこ(天原誠) @amamako

ほんと、なんであそこまで魔女を陳腐な「モンスター」にしてしまうのか。そしてそれが世の中で受け入れられるのか。そういう世界を放っておいたままで、「モンスター抜きの『希望』」とか叫ぶとしたら、それこそまさに、最も忌むべき希望だと、僕は思うよ！

あままこ(天原誠) @amamako

結局、僕がこの作品をなんでここまで口汚く罵るかといえば、それはつまり、この作品を見た「僕達」、そして「少年少女」に、いったいどのように生きろと指針を与えているか、そういう視点から、この作品を見ているからなんですよ。そしてその視点からは、この作品はまごうごとなき糞であると！

あままこ(天原誠) @amamako

別に全ての作品が夢とキボーを与えろとかは言わないよ。っていうか、むしろメッセージ性が全然なく、女の子がキャッキャウフフしてるような作品こそ僕が最も大好きなものだ。そういう作品は、存在することそのものによってこの世界に祝福を与え、「生きるに価する世界なんだ」と思わせてくれる。

あままこ(天原誠) @amamako

あるいはとことん絶望を描く作品なんかも、例えばなるたるアニメ版なんか（漫画版は嫌い、『ぼくらの』は大っきらい）も好きだ。この世界の、しかし残酷な部分を的確に描写し、「さて君はどうする」と問いかけてくる。

あままこ(天原誠) @amamako

まぁマギカもそういうモードで僕は見ていて、しかしやはり「魔女」と「世界の終わり」という嘘があったからそれでも駄作だと思ってたんだけど。しかしだ、この作品は途中から、というか最終二話あたりから、明確に希望を描こうとしていたはずだ。じゃなかったら最後にあんな説教載せるか！？

あままこ(天原誠) @amamako

希望がその作品できちんと描かれた以上、僕はそれを「物語上の方便」なんて言葉で許す気は全くない。「物語上の方便」なんて言葉で逃げを打つものは、既に破綻している。まぁ破綻しているなら破綻しているで、破綻アニメというものもあるが、だとしたらまぁこれはカブトボーグとかに遠く及ばないだろう

あままこ(天原誠) @amamako

そして、夢とキボーという視点から見た場合、この作品はまさに最悪だと、何度でも言わせて頂く。「尊い自己犠牲」を描いて、まるで戦前の修身の教科書のように若者に「世界のために犠牲になれ」と説く。それが素晴らしいことのように描写する。そして残されたものも決してその過去を忘れるなと脅迫し、

あままこ(天原誠) @amamako

「死ぬのは怖くない。死んでもそれは死ではない」とでも教え込む。そして具体的な敵は描かず、このシステムをよりよい方向に改良していくことこそが世界をよりよくすることなんだとのたまい、そしてなにより「憎しみは敵だ」と教えることによって、人々から牙を抜く。極めて支配層に都合のいい理屈。

あままこ(天原誠) @amamako

ほんと、なんかネット上のバカどもは「この作品はエヴァの命題に決着をつけた」とかのたまっているけど、エヴァの命題にも色々あって、まぁ確かに新ヱヴァが狙う命題はこの命題、つまり「さまよえる良心をどう取り扱うか」という命題だったわけだけど、でもこんな命題、エヴァの命題のうち最も簡単な物

あままこ(天原誠) @amamako

であって、まぁ沢山のアニメがとっくに、それもまどマギよりもずっといい方法で解決してきたものだと、はっきり言っておく。例えば、それこそ僕が大好きなハガレンの映画版。リアルとのリンクを取っていたという点でもマギカとよく似ているが、しかしそこに描かれる「希望」はぜんぜん違う。

あままこ(天原誠) @amamako

（あ、ちなみに僕はハガレンは一気の水島監督バージョンしか見てません。二期の方は見てないです。ちょーど忙しい時期だったもので……）

あままこ(天原誠) @amamako

思えば、ハガレンのアニメこそまさしくマギカと対比されるべきだよなぁ。TV版でエドが見た「真理」って、まさしくまぎかが見たものだし。まぁだとしても、エドは決して「世界」なんかのために何かやったわけじゃないがね。