"Appeal to nature"(自然への訴え)とは: あることが自然であるから、良いあるいは正しい あることが不自然であるから、悪いあるいは間違いだ あるものが自然由来なので、良い といった形の主張であり...
2018-09-29 05:14:20「自然」が意味ある推論なしに「理想」「望ましい」「正常」の同義語として使われる 「自然」の定義があいまい(例:人為選択品種は自然?) という点で"Appeal to nature"(自然への訴え)は詭弁化する。
2018-09-29 05:15:00自然由来の漢方薬 活絡金丹)による死亡例や、自然由来のラドンガスで米国では年間2万人が死亡する等で、自然なものが望ましくない性質を持っているという対抗議論や、自然には存在しない現代薬品が数知れない生命を救ってきたという、不自然なものが望ましい性質を持っているという対抗議論がある。
2018-09-29 05:16:27詭弁の使用者は、対抗議論を否定する: 文明によって人間が活動圏を広げて、本来は立ち入らない場所に立ち入るようになって、「有害」なものと遭遇した 文明によって人間が変質する前は、有害ではなかった。 人間が自然に介入したことで、有害なものができている。(介入をやめれば、有害でなくなる)
2018-09-29 05:17:49これらは神義論(神は慈しみ深いのに、この世に悪があるのは何故か)の"Appeal to Nature"バージョンと見ることができる。
2018-09-29 05:18:10そして、もっとも「思考を節約」した、そして究極の防御手段を使ってくる場合もある。すなわち... 「自然」によって死ぬのは「自然」なことであり、「正しい」ことである。その「自然な死」を阻止することは「不自然」であり、「悪」である。
2018-09-29 05:18:36善悪判断の指標に「自然」を使う方法。これだと、「自然」は必ず「善」になり、"Appeal to Nature"は原理的に反証不可能な主張になる。
2018-09-29 05:19:00このような主張は「健康のためなら死んでもいい」と似ているが、別物である。この主張では「死」は否定的な意味合いを持っている。しかし、上記の「自然な死」の主張では、死は蕭然と受け入れるべき善きことという意味合いを持っているからだ。
2018-09-29 05:19:14関連