ホームレスになったメスおにを拾って使用人兼性奴隷にする金持ちショタ

金持ち=社長
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帽子男 @alkali_acid

>ホームレスになったメスおにを拾って使用人兼性奴隷にする金持ちショタと弟が出来たみたいで満更でもないメスおに odaibako.net/detail/request… #odaibako_alkali_acid

2018-06-30 16:12:43
帽子男 @alkali_acid

「そこのおぼっちゃん」 宙港街の下町、運河の橋のたもとで、薄汚れた乞食が呼びかけた。 通り過ぎようとしていた少年は振り向き、不機嫌そうに睨んだ。 「なんだ」 「おかねをくれないかな」 「やらん」 弱々しい懇願に、子供ばなれした横柄な口調が応じる。

2018-06-30 16:16:10
帽子男 @alkali_acid

乞食はちょっと目を丸くしてから、くすくすと声を漏らした。 「そっか…悪いね…足止めしちゃって」 少年は太い眉をぎゅっと寄せてからぼろの塊に近付いた。 「お前は乞食だろう」 「まあ」 「だったらもっと本気でこい」 「はえ?」 「全力でおかねをほしがれ」 「はえ…」 「気合がたりないぞ!」

2018-06-30 16:18:28
帽子男 @alkali_acid

薄汚れた布の塊の奥で、驚くほど若い、男とも女ともつかない面差しがへらりと笑み崩れる。 「そうだよなあ…でも僕…ちょっと疲れちゃっててさ」 「ふん。なさけないやつ」 「えへへ…」 「来い。まだ歩けるだろう」 少年は乞食の手をとって歩きだす。

2018-06-30 16:20:48
帽子男 @alkali_acid

地球系向けの食堂に入り、声変わり前の喉とは思えぬよく通る注文を発する。 「もやしうどん!…お前、動物たんぱく質は」 「あんまり」 「ふん…トッピングに強化あぶらあげ!」 すぐに丼にあつあつのうどんが入って出てくる。給仕は機械の四本腕をした大男だ。 「お、若社長久しぶり」

2018-06-30 16:23:36
帽子男 @alkali_acid

話しかけたのは乞食ではなく少年の方。 すると相手はハーフパンツから伸びるほっそりした足であぐらをかき、バケツ椅子の上に座ると腕組みをして鼻息を吐く。 「食え」 「…えっと僕、固形物はあんまり」 「消化剤ふりかけ!」 振り向かずに追加の注文をすると給仕がうなずいて金属筒を出す。

2018-06-30 16:25:41
帽子男 @alkali_acid

逃げ場をなくし、しかたなく食べ始める乞食。 「うう…」 「ゆっくり。少しずつだ。吐くな」 「ふぇええい」 最前まで橋のたもとにうずくまっていた、おもらいは悪臭を放っていたが、対面してふんぞりかえる子供の気迫に押されて誰も文句は言えない。

2018-06-30 16:27:42
帽子男 @alkali_acid

「…食べましたあ」 「半分のこってる」 「これ…以上はちょっと無理かも」 「じゃあ、おれが食べる。箸!」 すぐに樹脂製の棒が出てくる。ずるずると勢いよくうどんを平らげる。 「うまかった!ごちそうさま!」 「まいど!若社長!」

2018-06-30 16:29:44
帽子男 @alkali_acid

少年は乞食をひっぱって外に出る。 「さあ」 「はい?」 「さあ、おかねをほしがれ」 「えええ…」 「腹はいっぱいになったろ!本気でやれ!」 「うう…実は乞食ってちゃんとやったことなくて」 「なんだと!そんないいかげんなことがあるか!」 「ごめんなさぃい…」

2018-06-30 16:31:36
帽子男 @alkali_acid

自分の半分も年のいってなさそうな子供に謝る大人。 少年は地団駄を踏むと、太い眉を怒らせて指をつきつけた。 「しっかりしろ!」 「うう…あの…鎮静剤を買うお金が欲しいんです…ないとぼくちょっとおかしくなっちゃう…」 「そのくすりなら、むこうの慈善施設で市民識別番号を見せればタダだ」

2018-06-30 16:34:30
帽子男 @alkali_acid

乞食は整った顔をゆがめる。 「あのう…ぼくは市民識別番号が無効で…」 「民権停止…はんざいしゃか」 「…はい…」 「しょうがない。じゃあ、やみいしゃだな」 「いや、ちゃんと買うあては」 「いい、やみいしゃをおしえてやる!」 また腕をとって歩きだす少年。ついていく乞食。

2018-06-30 16:36:51
帽子男 @alkali_acid

下町のまがりくねった路地を抜け、無数の高層建築がくっつきあった陸塊へ入り、ずんずん進んで、何層も登り降りしていく。まだ動いている昇降機や、自然増殖した小型鉄道などを乗り継いて、深く深く奥へと。 「あのう…ここは」 「新々九龍だ。きたことないのか」 「すごく…危険なんじゃ」

2018-06-30 16:40:48
帽子男 @alkali_acid

いきなりモヒカン頭に回転鋸を構えたちんぴらが数人あらわれる。 「金おいてけ!!」 「金だ!」 訛りのきつい地球系の言葉で話しかけてくる。少年はじろりとにらみつけた。 「第七十七巽区の毛一家か」 「…っ」 「しんけんな、いいおどしだった」 「げえ…船元の若社長」

2018-06-30 16:43:57
帽子男 @alkali_acid

子供はちんぴらを順繰りに見渡した。 「だが、おれにけんかを売ったのは許さん。計画停力の優先順位を四点あげる」 「そりゃないぜ…俺等の大麻畑がよぉ…空調が止まって暑さで全滅しちまう」 「ふん。なんなら非常用動力源を特価で売ってやる」 「ぎええ」

2018-06-30 16:45:50
帽子男 @alkali_acid

その場でそろばんをはじいて手打ちをすると、若社長はまた乞食を従えてずんずん進む。 「あの…皆があなたを若社長って呼ぶけど」 「そうだ」 「社長なの?」 「そうだ」 「も、もしかして見た目だけ小さくて中身はお年寄りとか?」 「わからん」 「ふええ?」 「おまえうるさいぞ」

2018-06-30 16:47:25
帽子男 @alkali_acid

つきあたりに防護扉。 "関係者以外ここより入区禁止" さまざまな文字や音声や臭気やエネルギー波で示された表示のそばに、地球系から突然変異から機械から異星系までの死骸が並べて警告をかたちづくっている。 「あけろ!」 少年が叫ぶとぶあつい螺旋戸が渦巻ながら開く。

2018-06-30 16:49:50
帽子男 @alkali_acid

中に入ったとたん、壁と言わず天井と言わず大きな蜘蛛が走り回った。 いや蜘蛛のような何かが。 乞食は硬直し、とっさに腰に手をやった。 「いまのは」 「どうした」 「…今のは真空蜘蛛だ…なぜここに…」 ぼんやりしていた顔つきが急にこわばり、別人のように厳しくなる。

2018-06-30 16:51:42
帽子男 @alkali_acid

「しってるのか」 「真空蜘蛛は危険な侵略的外来種だ。やつらの攻撃艦隊が連邦軍の主力とアルファケンタウリ沖で戦ったのは…あれは…えっと…あれ?」 「くわしいな」 銀にきらめく節足の生きものの一匹が、少年の体に這いのぼり、ふっくらした頬に口づけするような仕草をした。 「ただいまマリア」

2018-06-30 16:55:01
帽子男 @alkali_acid

「マリア!?」 「マリアは、アナの二百四十四女だ。いちばん器用で、地区全体の制御系をかんりしてる」 「ま…まって真空蜘蛛の女王もここにいるの?それは連邦協約に対する重大な違反…」 「おまえうるさいぞ」

2018-06-30 16:56:54
帽子男 @alkali_acid

少年が乞食の手をひっぱってさらに進むと、巨大な空洞に到着する。円筒をまっすぐ地底から天空まで伸ばしたような構造で、古代の弾道兵器の格納庫のようだ。 中央の何もない宙に一隻の船が浮かんでいる。いやよく見れば、無数の糸にからめとられ、つなぎとめられているのだ。 「…あの船はまさか…」

2018-06-30 16:59:18
帽子男 @alkali_acid

"若社長、おかえり…またごみを拾って来たのかい" 糸をつたって、小型車ほどもある銀の蜘蛛がやってくる。複眼をきらめかせて、じっと睨む。乞食は激しい戦意のこもった瞳でねめつける。 "こいつは" 「真空蜘蛛…亜女王化した兵隊種か…」 "若社長、こいつはくさいくさい連邦の宇宙飛行士だ"

2018-06-30 17:01:28
帽子男 @alkali_acid

蜘蛛の足がすばやく動いて、乞食のぼろをはぎ取る。あらわになった体は男のようでありながら艶めかしく、胸がほんのりと膨らんだ雌雄のあわいのような輪郭だった。 "間違いないねえ…意識加速分泌物を過剰摂取して両性化しかかった色狂いじゃないか。すぐくびり殺してやるよ。若社長を襲う前にね"

2018-06-30 17:04:09
帽子男 @alkali_acid

少年は蜘蛛と乞食を交互に見やってから、よく通る声で告げた。 「けんかはやめろ!おまえたちのいってることは、いみがわからん!おまえ!アナ!しごとにもどれ!おまえは、やみいしゃにつれていく!」 アナと呼ばれた怪物は複眼をまばたきさせた。

2018-06-30 17:05:43
帽子男 @alkali_acid

"だけどね若社長…連邦の宇宙飛行士ってもんは両性化の反動で…" 「アナ!けいえいしゃはおれだ!こうぎがあれば、くみあいをつうじてしろ!」 "まったく…ばかなんだから…" ぶつぶつ精神感応で文句を言いながら蜘蛛はまた糸を伝って遠ざかっていく。

2018-06-30 17:07:23
帽子男 @alkali_acid

「信じられない…真空蜘蛛と対話してる…そんな…あいつらは地球系と一切の交渉を…」 「おまえうるさいぞ。ほらこっちだ」 ほとんど裸同然のなよやかな青年を、若社長はさらにひっぱっていく。 「せんせい!かんじゃ!」 「はいはい…夜勤明けの仮眠をとったばかりなんだがなあ」

2018-06-30 17:09:17