利子とカトリック教会

「カトリック教会は利子に関する教義を変更した」という主張が今でも散見されますが、このような主張は正しいものではありません。カトリック教会の公文書と教会公認の神学書に基づいて説明します。
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教会の栄光:Benedict XVI is the only Pope @glory_of_church
利子に関する関するカトリック教会の教えの一貫性については次の倫理神学書の第三部第五章第五節を参照。 本書は1905年に司教認可済みです。 JOSEPH RICKABY, S.J.,MORAL PHILOSOPHY:ETHICS, DEONTOLOGY AND NATURAL LAW gutenberg.org/ebooks/8103
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「ウスラは罪ではないという誤った説を頑固に唱える者を異端者として罰すべきであると決定する。」(ヴィエンヌ公会議教書Ex gravi ad nos(1312年)『カトリック教会文書資料集』DS906)ewtn.com/library/COUNCI…
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以上のようにウスラ(高利)は罪であるとカトリック教会は教えています。この教え自体は現代でも何ら撤回されていません。ウスラは現代では罪ではないと主張する者は紛れもなく異端者です。ただし、カトリック教会が「ウスラ」と呼ぶものが何であるかを正しく理解する必要があります。
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ウスラの定義は次の通りです。  「ウスラとは、貸主の側に労働も費用も危険の負担もないにもかかわらず、非生産的なものの使用によって利益を得ようとすることである。」(第五ラテラン公会議第十総会大勅書Inter multiplices(1515年)DS1442)ewtn.com/library/counci…
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従って、この定義にあてはまらないものはウスラではありません。ウスラにあてはまらないものを罪ではないと判断することは、教えの変更では全くありません。
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教皇ベネディクト十四世はウスラについて回勅 Vix pervenit (1745年)において次のように説明しています。ewtn.com/library/ENCYC/… 「ウスラと呼ばれる種類の罪は消費貸借契約(mutuum)のうちにその本来的な場を持つ。 pic.twitter.com/V9jxuSYdw0
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ウスラは、その本性からして受け取られた量と正確に同等の量のものを返済することを要求する消費貸借を、受け取られた量を超える返済を要求するための根拠へと変えることである。」 (教皇ベネディクトゥス十四世回勅 Vix pervenit (1745年),DS2546)
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「消費貸借契約(mutuum)」とは、燃料や食品のようにその使用がその消費であるような物品の定期貸借契約です。Rickaby前掲書を参照。twitter.com/glory_of_churc…
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ウスラの構成要件を整理すると次のようになります。 (1)消費される以外に使用価値の無いもの(非生産的なもの)の貸借である (2)貸主の側に労働も費用も危険の負担も生じない (3)貸した量を超える量の返済を要求する
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Joseph Rickabyは聖トマスを引用しつつウスラの不正について次のように説明しています。   「「もしある人が他人から購入するものによって大いに助けられるとしても、売った側はそれを欠いても損失を被らないような場合には、売値を高くしてはならない。
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なぜなら買い手に付け加えられるところの利益は売り手から由来するものではなく、買い手が置かれている状況に由来するからである。しかるに、何びとも自分のものではないものを他人に売ってはならない。
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ただし自分が被る損失を買い手に負担させることは可能である。」  (聖トマス・アクィナス『神学大全』第二‐二部第七十七問題第一項) newadvent.org/summa/3077.htm
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9.ここで聖トマスは売買について語っているが、その原理は貸借にも適用される。一般的に利子が徴収されるのは金銭の貸借においてであり、それについてわれわれは語る。
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先に述べられた教えによれば、明確に、貸し手は、貸すために自身を困難に陥らせなければならないかあるいは著しい危険の下に貸す場合、利子による補償を要求することができる。彼は自分自身の損失あるいはリスクを売っているのである。
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しかし次のような状況を想定してみよう。貸し手が他の金を手元に持っていて、十分に安全であり、自家のあらゆる必要や彼が耽ることを望むあらゆる贅沢のために十分な金が残されているとする。
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さらに、彼がその金を貸さない場合は、それを金庫に保管し、それを使う機会があるまで何か月も待つ以外には全くその金に用はないとする。
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そのような場合には、彼がその金を貸しても、その金が彼の金庫を決して離れなかった場合と比べて、その金を取り戻す日に不利益を被ることはないだろうし、金が貸し出されている間にそうなることもないであろう。
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全ての非本質的な付随的状況から切り離された消費貸借(mutuum)の契約とはそのようなものである。それはベネディクト十四世が言うように、「その本性からして」、すなわち諸状況を別にすれば、「受け取られた量と正確に同等の量のものを返済することを要求する」契約である。
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貸借によって借り手が諸王国を手に入れる利益を得たとしても、それを理由として受け取られた量以上のものを返済することを借り手に要求することはできないのである。 twitter.com/glory_of_churc…
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10.しかし今度は違う場合である。土地が購入可能で、そこで家畜を飼って育て、食肉に対する盛んな需要がある近くの大きな町に輸送することが提案されていると想定しよう。そのような想定やその他類似の想定は常に確証されるわけではないが、ある一つの事例において確証されたとしよう。
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そして貸し手は自家の必要のために他の金を持っており、十分に安全であるが、金を貸すことによっていかなる合法的な利益を得る機会も逃さないというわけではないとしよう。
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彼は土地の購入や家畜の飼育をあきらめるか、あるいは少なくともそれを遅らせなければならない。そして利益が永続的なものである場合には、遅延は損失となる。そのような逸失利益のゆえに彼は金を貸して利子を取ることができるのであり、そのような利子はウスラでは全くない。
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ここで示したような利子を正当なものにする権原は神学者たちによってlucrum cessans(利益の中断)として認められている。
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利子は、それが合法的な権原に基づく限りにおいて、借り手の利益の事実―それは無関係なものである―に基づいてではなく、貸し手がその金を貸さずにおいたとすれば得たであろう利益に基づいて徴収されるのである。
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11.この後者の場合(10.)は、利子のために金を貸し出すことを表しており、それは近代的な商業の本質的特徴である。前者の場合(9.)は、中世において金を貸すことが一般的に帯びていた様相である。
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コメント

wot-object @wot_object 2018年10月7日
「返済されない危険を別にすれば、貯蔵するよりほかに使い道のない金」というのを自然利子率が低い状態と読み替えられるなら、名目利子率下げろって意味に捉えられなくもない。 けど経済とは無関係な主体が利子の是非を決めること自体受け入れがたい
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