2018年京都SFフェスティバル 飛浩隆先生のレポートツイート その2

飛浩隆先生による詳細な京フェスレポートその2です。 その1はこちら→https://togetter.com/li/1274530 その3→https://togetter.com/li/1276315 その4→https://togetter.com/li/1277117
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飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

さい」となんべんも延期される。ようやく夜も遅く(8時はすぎていたんじゃないかな)あらわれた塩澤さんは指摘事項をどっさり抱えてきて、ファミレスのテーブルで正対し、次から次から突きつけるわけです。だんだんこっちも気が立ってきて「それはこう」「それはこう」と片端から撃破したり、↓

2018-10-10 21:11:30
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

言い負かされて直させられたりするんですが、まあそれは大したことではなくて、ちょっとどう修正したらいいか分かんないような問題点をがんがん突っ込んでくるわけです。で、ここからが本題なんですけど、それらって実に耳が痛い指摘なんですね。その指摘を真剣に考えていくといやおうなく、こっちが↓

2018-10-10 21:13:51
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

こっそり手を抜いたり、突き詰めることから逃げたりしたことに直面することになるわけです。こめかみにじりじりと脂汗がわいてくるわけですよ。で、たしかにごもっとも、そこをいい加減にしてはおけないな、と納得するのですが、かといって容易なことでは解決法が見出せない。それでも答えをひねり↓

2018-10-10 21:16:21
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

出しはするんだけど、どんどん進捗が遅れ、ファミレスのはしごをしても終わらず、そうねえ、最後のお店で分かれたのが夜中の二時か三時だっかな。全身泥に浸かったような疲労感だったですねえ。ビジネスホテルの部屋に戻って、もう悔しかったこと悔しかったこと。机にかじりついてメモをいくつか書き↓

2018-10-10 21:19:37
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

早朝の羽田でできたところを返送したりもし、それでも終わらないところは持ち帰りましたわさ。野尻抱介さんとか、たしか林譲治さんも塩澤指摘の手ごわさを行ってたと思うんだけど、あれね、うーんたしかにおっしゃることその通りなんだが、そこに手を付けたらこの小説空中分解よね、体感的に、↓

2018-10-10 21:22:29
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

みたいな指摘なわけですよ。詰め終わったトランクの中身を(実感的には)いったん全部取り出して、別の方法で詰め直す(一部中身も取り換える)くらいの大変さなわけ。まあ、その結果、うわあこんなに見違えるように……となるんだから何も文句ないんですけどね。これは『ラギッド・ガール』に↓

2018-10-10 21:25:12
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

かぎった話じゃなくて、ほかのどの作品も基本同じことですね。作品をもういちど産み直すくらいの苦労を強いられるし、その過程で構造のゆがみやガタを直視せざるを得なくなる。小川さんの実感は(まあかれは俺なんかよりはるかにたくさんの戦いを乗り越えてきたわけですが)つまりはそういうこと↓

2018-10-10 21:29:11
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

なんじゃないかな。雑誌版『零號琴』は連載だったから、そこまでの真剣勝負はなかったので、最近ガチでやりあってなかったから、書籍版『零號琴』はちょっとした恐怖だったですよ。なんか途中までつるつる進んだんで、あれ、もしかしたらこのまま行けるかななんて甘い夢を見ていましたがなんのなんの↓

2018-10-10 21:32:37
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

土壇場の土壇場で大変な目に遭わされましたね。しかしこっちも年をとって頑固になったので「なにを言われようがここはゆずらん!」で死守した個所もあったり、やっこさんのすわってる座布団……じゃなくて下の畳をひっくり返して倒したところもあるし、ま、このあたりは合宿深夜編でまた書きましょう↓

2018-10-10 21:35:59
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

(すっかり話が長くなったので、ここらで休憩。あ、この話題は小川一水企画の中ではうんとマイナーで、ほかにも興味深い話題満載でしたよ。とくにエロについての話題で、日本SFの性的表象がさけがたく「少女」になることへの問題意識が示されたのは重要だったと思います。↓

2018-10-10 21:39:38
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

まあ、おいらは「海の指」で熟女SFを確立しているから平気だけどサ。(しばし休憩に入ります、というか別の雑用に遷移します。こっちは今夜中に再開できないかもだなあ。)↓

2018-10-10 21:41:13
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

(さすがに面倒だし記憶も薄れてきたけど再開)あと小川一水企画で面白かったのは、塩澤さんは基本人見知りであまり人に会いたくないし、作家に催促したくない。いっぽう小川さんは小説が難航してほんとうにほんとうにほんとうに進まなくなるまで助言を求めない。この両者のマリアー呪が↓

2018-10-11 21:42:22
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

なければ「天冥の標」はもっと早く(5年?)で完成したのでないかというところ。まあどっちでもいい。なるようにしかならないし、成ったものが成ったものなのだ。われわれは「そのようであった世界」で生きているのだから。↓

2018-10-11 22:08:23
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

これで本会のレポは終わり。時に16時30分ごろである。合宿は会場から徒歩5分くらいの和風旅館さわや。しかし開始まで1時間30分もあるのだ。そのあいだに晩飯を食べねばならない。そこで飛はたったひとり会場を出ると、てくてく歩いてさわやの前を通り過ぎ、もうちょい先の角を右に回って数軒め、↓

2018-10-11 22:14:54
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

「十両」という古い和食処(あとで聞いたら創業百年以上とのこと)間口は狭いが奥に長い造りのお店に入店したのはまだ午後5時。テーブルでくつろいでいるご主人いがい誰もいない。「もう入れます?」「いいですよ」、わりと奥のほうの四人掛けのテーブルを独り占めして、黒板のお品書き ↓

2018-10-11 22:18:26
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

(がーんん画像を付けたら投稿が消えちゃった。リトライします)にあった定食5種からサンマの刺し身定食と瓶ビール。「単品で何かあります?」「それ(定食だけで)で十分だと思いますよ」。まだだれも来ていないのでしばしぽつねんと待つ。飛も人見知り(でも人恋しいタイプですが笑)なので、↓

2018-10-11 22:25:36
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

このなんともいえない「寂しい安堵感」を楽しみつつ待っていると運ばれてきたのが、ボリュームたっぷりの定食。(消えると困るので画像はあとで別に投稿します)。さんま刺しといいながら皿の余白は許さんとばかりにサーモンや白身、中落ちなどもついていて、その中落ちを箸の先でねぶりつつビール↓

2018-10-11 22:28:40
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

これまで2回京フェス合宿にお邪魔しているんですが、たしかいつもこの「十両」で晩ご飯を食べており、ほかの人びとがやって来るのは想定内。で、二、三杯飲んだところで、藤井太洋、大森望、溝口力丸、吉上亮ほか十名以上が一団となってやってくる。(私の背後に大勢回ったので顔がわからず)↓

2018-10-11 22:33:33
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

これが写真。グラスと較べると皿のデカさがわかる。刺身はぜんぶビールと刺し違えても、ご飯は小鉢で片づけることが可能。ちりめん山椒は有能。 pic.twitter.com/DCu5Ve7Ati

2018-10-11 22:40:01
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飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

ここで突然スミダカズキさんから黄昏の京都を十両に向かう私の後ろ姿の写真が、いま届いたんで、公開します。あの、これ、盗撮ですけど。^_^ pic.twitter.com/VcjlszeFIV

2018-10-11 22:45:07
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飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

(びっくりしたなあもう。話を戻しますね)俺の向かいは大森さん、そのとなりが藤井さん、その向かいが櫻木さん。大森さんには酒は勧めない。藤井さんはこれから(も)仕事なので酒はパス。櫻木さんにちょっと注ぎつつ、飛もマイペースで。しかしぶり刺し身定食にしても、ぶり大根定食にしても↓

2018-10-11 22:50:16
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

どれも大変な量なんである。そしておいしい。そういや十何年前、ここで晩飯を食べたときは、SFMに短編が載ったばかりの長谷敏志さん、「空の中」を出したばかりの有川浩さんがいらしたのだった。まあそんなこんなで話したことはあんまり覚えていませんが、吉上さんの渾身の超大作が↓

2018-10-11 22:53:24
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

待機中だということ、SF作家クラブの件(大森さんが目の前にいるけどお構いなし)、最強のライフハックは静穏な島根に住むこと、文庫本で作品を出すとまともな書評がつきにくい問題、著者近影は自撮りではなくプロの写真館へ(一万円なら安いもの)、少し遅れてやってきた麦原遼が櫻木さんと↓

2018-10-11 22:57:37
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

席を入れ替わったりして(さんま塩焼き定食)、けっきょく一番先にやってきた俺のテーブルが最後まで残っていたのだった。長居してすみません。というわけで宿へ入ってゲスト部屋に荷物を置いたらもう間もなく合宿の開始時間となったのであった。ちゃんちゃん。↓

2018-10-11 23:00:04
飛浩隆 TOBI Hirotaka @Anna_Kaski

ここまで読み返したが、敬称がいいかげんだったり文章もでたらめでごめんなさい。さて明日は5時起きなんで今夜は風呂→就寝します。読み手も大半脱落しただろうし第2巻はここで〆ますか。いよいよディープになる続きを読みたい方はどうか「いいね」を。あとだれかまとめてくだされ。

2018-10-11 23:06:10