[R-18]親を失ったショタと世話する巨乳お姉さんが共依存に近い恋をする話

お題が長いやつ
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帽子男 @alkali_acid

>親を失って傷心気味のショタとその子をちょっとした性的な欲求を含む下心も有って甲斐甲斐しく世話してる巨乳のお姉さんが共依存… odaibako.net/detail/request… #odaibako_alkali_acid

2018-07-03 22:31:21
帽子男 @alkali_acid

春田忍(はるたしのぶ)と可児蝉丸(かにせみまる)がはじめて体を重ねたのは蒸し暑くて暗い場所で、かなり不潔で、はたから見ればぞっとするようなできごとだった。 でも少なくとも忍にとっては、とてもここちよくて、幸せな記憶だった。

2018-07-03 22:37:24
帽子男 @alkali_acid

窓から外の光も入らない、照明もつかない窖(あなぐら)で、着ていた浴衣と甚平はとっくに脱いでしまって、たわわな胸をした長身の女とほっそりと小柄な少年は互いの凹凸をぴったりと埋め合わせて、喘ぎ、咽んだ。はじめはぎこちなく、やがてはげしく、快楽を貪った。

2018-07-03 22:41:50
帽子男 @alkali_acid

蝉丸はまだ精通を迎える前だったから、子を宿す可能性はなかったけれど、忍はでも、ただひとつになりたいという強い望みで、唯一知る方法を試した。

2018-07-03 22:43:43
帽子男 @alkali_acid

惹かれ合う二人が一つになるのに、生殖のための行為が適切なのかどうかなど、考えてもみなかった。ほかの方法など想像の外だった。

2018-07-03 22:44:40
帽子男 @alkali_acid

陰唇で陽根を咥え込むのに、さほどのためらいはなかった。 すでに互いの秘所を咥えたり、しゃぶったり、くすぐったりして、尿を飲み合っていたし、昼夜も定かならないままずっと裸で抱き合って眠っていたのだから。

2018-07-03 22:47:07
帽子男 @alkali_acid

「おねえちゃん…おねえちゃん…おねえちゃん」 「せみまる…っ…ほら…もっときな…もっと…そう…ぁっ…」 一緒に過ごし始めた最初のうち、互いの顔の輪郭もはっきりしなかったのに、今は闇に眼が慣れたからか、あどけなさの残る面差しが、たかぶり、こわばって鼻にしわを寄せているのさえ見える。

2018-07-03 22:50:56
帽子男 @alkali_acid

何度目かの絶頂をともに迎えてから、忍は蝉丸の髪を濡らす汗をしゃぶりながら、やさしく痩せた背を撫でる。 「お姉ちゃん…ぼくたち…あとどれぐらいで死ぬ?」 「考えんな」 「死んだら…お母さん達のとこいくかな?」 「そういうの考えんなって」 「…怖ぃ…」 「ほら…もっぺんキスしよ」

2018-07-03 22:54:49
帽子男 @alkali_acid

多分そうやって死んでしまった方がよかったのかもしれない。 でも二人は、すでに周囲を塞ぐがれきの隙間から、汚染されて淡く光る水がしたたり落ちて来るのを見つけてすすり、生き延びる道をたどった。

2018-07-03 22:57:17
帽子男 @alkali_acid

崩れたマンションのどこからか流れてくる不潔な雫は、けれども小水よりはまだましな飲料で、渇きだけでなく飢えもごまかしてくれるようだった。だが喉をうるおすうちに体に痒みや痛みが走り、忍は左腕、蝉丸は右腕が腫れてうまく動かなくなった。

2018-07-03 23:01:05
帽子男 @alkali_acid

女も少年もそれぞれを黙っていたわりつつ、自らの健康の不調はあまり考えぬそぶりで、いっそうしつこく愛を交わした。 だがやがて、頭上で危うい均衡を保っていた鉄筋コンクリートがきしみ、欠片をこぼし、官能ではごまかしきれないほどの激情が抱きしめ合う大小の肢体を同時にわななかせた刹那。

2018-07-03 23:02:50
帽子男 @alkali_acid

二人の右腕や左腕から発する違和も限界に達した。 どちらが先に叫んだのか分からない。だがアルトとボーイソプラノの悲鳴は重なりあって完全な和音をおりなし、光が真白に視界を焼いて、さしせまった現実の破局から意識を遠くへ逃がした。

2018-07-03 23:04:54
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ “There…ゼア…” “For…フォー…For…” 失神したあと女は夢を見ていた。倒壊した集合住宅で、年下の幼馴染と暮らすようになってから繰り返しまどろみの中にあらわれる景色。 空を飛んでいる。はるか地上にはまばゆく光るミニチュアのような街並み。誰かが追ってくる。逃げなくては。

2018-07-03 23:08:37
帽子男 @alkali_acid

でも墜落する。いや撃墜だ。街は避けたい。でも無理だ。 誰かも舞い降りる。輝く災いが近づいてくる。 「せみまる…せみま…」 自分だけではない。たいせつな半身も危うい。 忍はそこで目を覚ます。となりに蝉丸が丸くなって眠っている。 狭い仮設住宅の、しかし安全な寝室。

2018-07-03 23:11:34
帽子男 @alkali_acid

枕元の携帯を確認する。まだ朝の五時。また圏外になっているが、昨日はうまく充電ができたので時計としては役立つ。 「あーあ…やな夢見た…」 「ん…おねえちゃ…?」 少年がまぶたをこすって起きる。眠りが浅いのは同じだ。きっと関東大災害にあった全員がそうだ。両隣も起きているかもしれない。

2018-07-03 23:15:09
帽子男 @alkali_acid

「ここ…」 「あたしたちのうち。だいじょうぶ。助かってる」 二人が瓦礫の下から脱出した現実を、わざわざ言葉にして確認する。 「うん…」 子供らしい丸っこい指が伸びるのを、大人というにはまだ頼りない手が握り返す。 「…声、出しちゃだめだかんな」

2018-07-03 23:18:49
帽子男 @alkali_acid

注意しながら、そのまま毛布のあいだにもぐりこんで、蝉丸の寝間着を脱がし、敏感な部分に口づけし、ほおばる。軽く転がしてから離し、またささやく。 「あたしのも…」 同時にみずからの下着をずらして、幼げな唇に、すでに濡れたくさむらを近づける。

2018-07-03 23:21:09
帽子男 @alkali_acid

「…ぅん…」 ちょっとためらってから少年は、年上の家族のしなやかな両脚の間に鼻先をうずめ、よくこなれた舌使いで奉仕を始める。 「ひぅっ…こいつ…」 自らはでなあえぎをもらしてしまってから、女は負けじとばかり弟分への玩弄にふける。

2018-07-03 23:23:27
帽子男 @alkali_acid

夜が明け染めるまで、ひそやかな交歓は続いた。

2018-07-03 23:25:04
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 後に「三分間の悪夢」とも新聞やテレビが報じた関東大災害は、今もって公式には原因不明だった。とにかくたくさんの人が死に、建物が壊れ、忍や蝉丸の類縁はひとりも助からなかった。

2018-07-03 23:30:42
帽子男 @alkali_acid

役所がだめになり、住民情報も使えなくなってしまったので、身分証明書を亡くした人は、仮設住宅にはひとまず自己申告で入った。 二人ははなればなれになりたくなかったから、姉弟として届けた。だが、やがて、周囲にそうでないとばれてしまうのは避けられなかった。

2018-07-03 23:33:59
帽子男 @alkali_acid

仮設住宅を置いた地区は狭い社会で、ほかにもいろいろな問題を抱えていたから、偽の姉弟がする隠れた行いにも、目こぼしの空気がなくはなかったが、やがて避難民のまとめ役である男性が忍に迫って拒絶に遭うと状況は変わった。

2018-07-03 23:36:28
帽子男 @alkali_acid

二人を別々に収容するために役人が来るらしいと、忍のもとに洗濯仲間の女から耳打ちがあった。 「どうしよっか…蝉丸、ひとりになっても平気?」 「…お姉ちゃんは、ひとりで平気?」 「平気じゃない」 「僕も」

2018-07-03 23:40:16
帽子男 @alkali_acid

一緒にいなければだめだと心の声がささやくのだった。 互いの距離が開くと、女の左腕と、少年の右腕のうずきが強まり、どうしようもない心細さが胸を押す。瓦礫の下で震えていた記憶がよみがえる。 「逃げよっか」 「うん」

2018-07-03 23:42:46
帽子男 @alkali_acid

偽の姉弟は、仮設住宅のある地区から逃げ出した。 あたりでは人数の激減した警察の手はろくに回っておらず、防衛軍もまだ生存者の捜索で忙しかった。怖いのは犯罪者だったが、何とか正面からかち合うのを避けつつ北へ向かった。 一番首都圏難民に優しいのはそちらだと聞いたからだ。

2018-07-03 23:46:02
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