ある幻想少女たちの日常

二人の何気ない一場面の切り取り
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2018/10/19

大根屋Gv. @gundamvaka

神社で一人ぼうっとしていると、いつもやって来るヤツがいる。霧雨魔理沙。腐れ縁の魔法使い。まだ姿は見えないが、今日ももう近くに来ている気配を感じている。この感じは、こうして縁側から外を見ている私の背後にこっそり近づいて、背中から一気に抱きついて来ようとする算段だ。 ほらこんな風に。

2018-10-19 19:38:39
大根屋Gv. @gundamvaka

抱きついた魔理沙がにやにやしながら私の腹に顔を埋めて可笑しそうに呻いている。くすぐったいことこの上ない。息するなと言ったらピタッと止まった。 彼女との付き合いはかなり長い。だから他の連中が知らないような悪癖を互いに知りすぎるくらい知っている。この魔理沙の抱きつき癖もその一つだ。

2018-10-19 19:43:02
大根屋Gv. @gundamvaka

「毎度腹の匂いを嗅いでさぁ……あんた自分が変態だと思わないわけ?」 「霊夢の腹はすべすべもちもち感が最高なんだぜ。これは堪らん」 「自覚無さげなのが質の悪い」 「昨今はより一層肉腹に磨きがかかったようで」 「おい貴様いまなんつった」 「博麗の巫女様も秋の味覚には勝てないようですなぁ」

2018-10-19 19:46:16
大根屋Gv. @gundamvaka

私は有無を言わさず変態の頭を腹から引っ剥がすと、そのままその頬を力いっぱい引き伸ばしてやった。やへろぉ、へいむぅ、ともごもご言ってる抗議は当然無視。 しかしまぁ餅みたいによく伸びるほっぺただこと。あんたも秋の味覚に勝ててないじゃない。魔理沙の頬をびよんびよんさせながら私は思う。

2018-10-19 19:49:38
大根屋Gv. @gundamvaka

びよびよになったほっぺをこねつつ「れいむぅ、ダイエットいつからするー?」と魔理沙が訊いてくる。適当に「冬になったら考えるわー」と私は返した。 秋の神様たちによってもたらされた素晴らしき豊穣。出来るだけこの恩恵にはあやかっておきたいからね。 #隔週レイマリ

2018-10-19 19:53:43

2018/10/26

大根屋Gv. @gundamvaka

二人きりのとき霊夢は稀に、他の連中の前では決して出さないであろう素顔をひょっこり出すことがある。 こうして神社に訪れてぼんやりと私が畳の上でごろごろしていると。微睡みが私を蕩けさせようとしていたその瞬間、ずむり、と腹に乗った重みが意識を引き戻しにくるなんて誰が予想出来ただろうか。

2018-10-26 22:10:32
大根屋Gv. @gundamvaka

「暇なんでしょ。撫でて」 謝罪するでもなく、目を合わせるもなく、私の腹を枕にした巫女はついさっきまでの私のように天井に目線を向けて、全くらしからぬ要求を不愛想に突き付けている。 数瞬経ってようやく理解し、苦笑した。今日はそういう日なのだ。滅多にない、霊夢が人に甘えたい日だったのだ。

2018-10-26 22:14:05
大根屋Gv. @gundamvaka

「今日は何のつもりなんだ?」 正体を探りがてらそんな問いをぶつけてみると「今日は猫のつもり」と答えが返ってきた。 猫か……可愛いよな、猫。そんなことを考えつつ、霊夢の額に手を伸ばし、その髪に触れる。 さらり、さらり。 枝毛の全く無い、上質な毛質の一匹の猫が、私の腹の上で眠っていく。

2018-10-26 22:17:52
大根屋Gv. @gundamvaka

涼しい風が部屋を吹き抜けていく。 日差しは遠慮がちに縁側に顔を見せて、緩やかな温かさだけを残している。 木々のさざめきだけが響いて、次第に意識から音が遠ざかっていった。

2018-10-26 22:22:20
大根屋Gv. @gundamvaka

「多分私たち、いま幻想郷で一番自由よ」 ふと霊夢から漏れた呟きを聞いたとき、私は根拠無くそうかもしれないな、と思えた。 気兼ねしない友人と過ごす、一切気兼ねのいらない時間。これほどに自由を感じる瞬間なんて、多分他には見つからないだろうから。 #隔週レイマリ

2018-10-26 22:25:51

2018/11/08 いいおっぱいの日

大根屋Gv. @gundamvaka

「霊夢のおっぱいって綺麗だよな」 魔理沙と一緒に風呂に入っていると、時折そんな事を彼女は私に言ってくる。別に嫌味などではない。魔理沙は素直だから、他意無く心から思っていることを口にするのだ。賛辞の本心に、羨望も隠さず言葉に乗せて。

2018-11-08 21:15:09
大根屋Gv. @gundamvaka

「そういうこと言うの、セクハラよ?」 そう、笑って牽制してみたりするけれど。互いに有りのままの姿で色々と話をしていると、自然に話題がそっちの方向に流れていくのも理解できるのだ。魔理沙も私もそういう事、気にする年だしね。

2018-11-08 21:16:12
大根屋Gv. @gundamvaka

「いいよなぁ、霊夢のは。ライン整ってて、ちゃんと主張もあって」 「魔理沙のだって素敵よ。綺麗だって思う」 「私のは……まだ小さいしなぁ」 「でもそれって見方を変えたら、これからに期待できるってことでしょ?」 「そうだといいけど。私のも、霊夢みたいになれるといいなぁ」

2018-11-08 21:19:10
大根屋Gv. @gundamvaka

向かい合って湯船に浸かる魔理沙が、足を伸ばしてちょんちょんと私の胸をつついてくる。絶妙に触れるのでかなりくすぐったい。 「ちょっと、魔理沙」 「ふふふ。霊夢さんの恩恵にあやかりたいぜ~」 このエロ魔理沙め。ちょっかいに毒づきつつ、望み通りに彼女の膝上に身体を移して、その背を預けた。

2018-11-08 21:20:20
大根屋Gv. @gundamvaka

「乱暴にしないでよね」 「分かってるって」 軽い口調とは裏腹に、魔理沙はそっと背中から腕を回すと、包み込む様に優しく私の胸に触れていた。 両の掌が乳房を支えるように添えられ、指がゆっくりとその肌を撫でていく。乳の重みを、柔らかさを、しっかりと確かめるように。

2018-11-08 21:22:27
大根屋Gv. @gundamvaka

「これが夢の触り心地かぁ……」 心の底から感動したような魔理沙から呟きに、私は思わずふふっと笑ってしまった。 おっぱいには夢が詰まっている。その魅力に惹かれるのは、きっと男も女も関係ないに違いない。 おっぱいいっぱい夢いっぱい #いいおっぱいの日 #隔週レイマリ

2018-11-08 21:23:56

2018/11/23

大根屋Gv. @gundamvaka

つい最近のことだったか随分前のことだったか忘れたけど、魔理沙に告白されたことがあったことを思い出した。 「霊夢が好きだ。付き合ってほしい」 色々言われた気がするけれど、要約したらこんな内容だったと思う。 そう言われた直後の私の感想は正直、今更じゃない? だった。

2018-11-23 20:12:58
大根屋Gv. @gundamvaka

「私ね、もうあんたのこと好きか嫌いかで見てないの」 そう返した時の魔理沙の表情は、残念だなぁと少し悲しげな、それでいてどこか諦めがついたようにも見える顔をしていた。 あれから時が経った今。同じ問いを私の方から彼女にしたら、彼女はどう答えるのだろうか。

2018-11-23 20:17:08
大根屋Gv. @gundamvaka

机を挟んで座る魔理沙は私の出した煎餅をバリボリと貪りながら、紅魔館から『借りて』きた魔導書を読みふけっている最中だった。 「ねぇ、魔理沙」 「んも? なふもれひま?(もぐもぐ)」 「……食べ終わってからでいいわ」 もごもご動く魔理沙の口元を、私はただじっと見ていた。

2018-11-23 20:20:30
大根屋Gv. @gundamvaka

「んふー。で、なに?」 「うん。魔理沙ね、前に私に告白したことあったでしょう」 「ん? あぁ」 「それでふとね、今も私のことが好きなのかなって」 魔理沙は口元に手をやり、視線を落として、しばらく黙っていた。そしてこう答えた。 「さぁな。もう考えた事ないぜ」

2018-11-23 20:24:37
大根屋Gv. @gundamvaka

私は煎餅の皿を見た。十数枚乗せて出したはずの皿には、もう一枚しか残っていなかった。 この後に魔理沙と交わす会話を、私は想像した。 ちょっと、私まだ一枚しか食べてなかったんだけど。んあ? あぁ悪いな。湿気ったら不味くなると思ってさ。この煎餅高かったのよ。はは、美味しかったぜ。霊夢……

2018-11-23 20:27:59