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『みんなで話し合う組織』ほど判断を誤ってしまうとは限らない

アメリカ史研究者の西川先生による「なぜ「みんなで話し合う組織」ほど判断を誤ってしまうのか。アメリカ憲法制定を例にあげて解説する」つぶやき
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西川秀和 @Poeta_Laureatus

なぜ「みんなで話し合う組織」ほど判断を誤ってしまうのかという記事。憲法制定会議は参加者が数十人だけど最終的にはうまくいっている。そして、200年以上存続する憲法が制定された。逆になぜみんなで話し合ったのにうまくいったのか? diamond.jp/articles/-/183…

2018-10-30 17:58:23
西川秀和 @Poeta_Laureatus

ちょっと長くなりそうだから興味ある人がいたら解説しよう。

2018-10-30 18:00:31
西川秀和 @Poeta_Laureatus

当然ながらアメリカ人は17世紀の入植以来、植民地会議で会議会議会議をずっと続けてきたわけでいかに効率良く会議を進めるかを知っていた。憲法制定会議は各地域の利害対立で何度も流会になりそうになったが何とか最後までこぎ着けた。代表たちは難しい課題をどのように成し遂げたのか。最も重視・・・

2018-10-30 21:32:09
西川秀和 @Poeta_Laureatus

したのは合意の形成。決定に不満を持つ人が少なくなるように徹底的に議論した。ただ多人数の意見をまとめるのは口で言うのは簡単だが実行は難しい。だから最初に原案を作っておいた。それをもとに議論を開始。いったん可決された決定でも後から再評決を認めるという方針でどんどん議事を進めた。そして

2018-10-30 21:37:07
西川秀和 @Poeta_Laureatus

どうしても可決できない問題は少人数の委員会に付託。委員会に妥協案を作らせて報告させる。その報告をもとに本会議でまた検討する。大部分の代表が植民地議会の経験を持つので会議のプロと言える。性急に決定を急ぐのではなく、確実にゆっくりと進める方針を採用した。急がば回れというように、それが

2018-10-30 21:40:08
西川秀和 @Poeta_Laureatus

迂遠なようで確実な方法だった。議事進行を見ると行ったり来たりでまどろっこしく見えるが国家の命運を決定するんだからそれくらいでちょうどよい。

2018-10-30 21:41:29
西川秀和 @Poeta_Laureatus

ポイントをまとめると、なかなか決まりそうにない難しい点は後回しにして簡単に決まりそうな点をどんどん決めていくってことだね。

2018-10-30 21:47:00
西川秀和 @Poeta_Laureatus

さらにマディソンのように記録をきちんと取って議論の流れを整理する人がいたのも重要。みんなで決める場合でもうまくいくルールさえ使えば良い結果が生まれる。「会議は無駄」とよく言われるけど、まずうまくいくルールを考えなくてはいけない。憲法制定会議から得られた教訓だよ。

2018-10-31 08:11:43
西川秀和 @Poeta_Laureatus

わかりやすくたとえたら道路の交差点。交通法規があり、信号機があり、交通整理の警官がいれば、たとえ車がたくさん来てもスムーズに流れる。もし何もなかったら衝突事故が頻発して通れなくなってしまう。会議もそれと同じ。 これから6コマ連続講義なので今日はここまで。

2018-10-31 08:40:53