「自己責任」論に対する優れた回答となっているニューヨークタイムズの記事の翻訳ツイート。
- exactnessisF
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すでにご覧になったかもしれません。米ニューヨーク・タイムズ紙が5日前、イエメンの紛争と飢餓に関する記事と、死にゆく少女の写真を掲載しました。なぜこのショッキングな写真を掲載したのか。同紙が掲載した説明は、日本のネット上にあふれる、安田純平さんらジャーナリストに対する「自己責任」
2018-10-31 22:59:17論に対するひとつの優れた応答になっていると感じ、稚拙ながら、以下に訳出を試みました。元の記事はこちらから読むことができます。nytimes.com/2018/10/26/rea…
2018-10-31 23:01:21できれば、ぜひ、サウジアラビアやその同盟国が、いかにイエメンにおいてフーシ派を鎮圧するために民間人を巻き込んで飢餓を引き起こす経済戦争をしかけているかについての、記事本文も読んでいただきたいと思います。nytimes.com/interactive/20…
2018-10-31 23:03:15ニューヨーク・タイムズ:われわれはなぜ、痩せ衰えたイエメンの子どもたちの恐るべき写真を掲載するのか われわれが掲載したイエメンの写真は、これまで掲載したどの写真よりも、見る者の不安・不快をかきたてるものであるかもしれない。そこで、なぜこれらの写真を載せる結論に至ったかを
2018-10-31 23:04:07ご説明したいと思う。 アマル・フセイン(Amal Hussain)は、7歳になるイエメンの少女である。虚ろな目をした彼女の写真は、戦争状態に陥り、今や破滅的な飢餓の淵にあるイエメンから届いた最新レポートのトップを飾っている。
2018-10-31 23:04:44アマルは文字通り骨と皮である。彼女の顔は、まるで彼女を見つめてくる読者の視線には耐えられないというかのように、横に背けられている。 読者もまた目を背けたいと感じるかもしれない。そしておそらく今回も、なぜニューヨーク・タイムズ紙がこの写真を見てほしいと考えて掲載したのか、
2018-10-31 23:05:09説明を求める読者がいるであろう。 だが、わたしたちはあなたに、この写真を見るように求めているのだ。アマルだけではない。栄養不良に捉えられた、傷だらけの3歳児であるシャヘール・アル・ハジャジ(Shaher al-Hajaji)を。痩せ衰えて魂を失くしたように虚ろな目をした少年、
2018-10-31 23:05:40バッサーム・モハメッド・ハサン(Bassam Mohammed Hassan)を。 なぜならこれが、わたしたちジャーナリストの仕事なのだ。さもなくば見捨てられ、犠牲者となり、忘れられてしまうかもしれない人々の目撃者となり、彼らの声となることが。そしてわれわれの通信員や写真家たちは、
2018-10-31 23:06:09その仕事をするために、時には自らを危険にさらしながら、遥か遠くまで出かけていく。 ディークラン・ウォルシュ(Declan Walsh)記者によって執筆されたこの「サウジアラビアの戦争がもたらす悲劇 “The Tragedy of Saudi Arabia’s War”」というレポートには、タイラー・ヒックス(Tyler Hicks)
2018-10-31 23:06:49による写真が添えられている。この記事をあなたに届けるまでに、彼らは、戦争によって荒廃した国を、そして精神的トラウマをくぐり抜けてきた。 そうして彼らが記事を送信した後には、ニューヨークでの厳しい議論があった。 われわれニューヨーク・タイムズ社のエディターたちは、
2018-10-31 23:07:47死者または死にゆく人々の写真を掲載することをそう簡単に決めたりはしない。フォトエディターたちのフォルダーの中には、非常にパワフルでありながらも、あまりに恐ろしく、人々の心をいたずらにかき乱すと判断されたために紙面を飾ることのなかった大量のイメージがしまいこまれている。
2018-10-31 23:08:17わたしたちがこのたび掲載したイエメンの写真は、かつてないほどに心かきみだすものであるかもしれない。しかしわたしたちが掲載という決定に至ったことには理由がある。 「この写真を撮ったタイラー・ヒックスを含め、紛争地域で活動するジャーナリストたちは、時には直視するのが困難な
2018-10-31 23:08:47これらのイメージをもちかえるために命を賭けている」と国際写真エディターのデイビッド・ファースト(David Furst)は言う。「戦争の犠牲者たちの苦しみを完全に反映しないような、消毒されたイメージを掲載することは、彼ら犠牲者たちに対する許されない仕打ちだとわたしたちは感じたのだ」。
2018-10-31 23:09:04イエメンで起きている悲劇は、自然災害から生じたものではない。それは、自らの政治的目的のためなら、民間人のはげしい苦しみなど仕方がないと考える他国のリーダーたちによって引き起こされた、ゆっくりと展開する危機なのである。 にもかかわらず、このとてつもない悲劇は、イスタンブールの
2018-10-31 23:09:34サウジ大使館で殺害されたワシントン・ポスト紙コラムニスト、ジャマール・カショクジ(Jamal Khashoggi)氏の事件ほどにも、世界の関心を集めていない。 イエメンで起きていること、そしてそこにある苦しみのすべては、語られるべきものである。そして、ディークラン・ウォルシュ記者による記事が
2018-10-31 23:09:52いかに力強いものであるとはいえ、言葉だけですべてを伝えることはできないのだ。 そう、たしかに、タイラー・ヒックスが撮ったこれらのイメージは直視しがたいものだ。これらの写真は残酷であるが、同時に、残酷なほどに率直でもある。それは、今日のイエメンそのものである恐怖を露にしている。
2018-10-31 23:10:25あなたは、これらの写真を見ない選択をすることもできる。わたしたちは、あなた自身が決めるべきだと考えて、これを掲載することにしたのだ。(了)
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