フリージング・フジサン #6

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

今まさにプブリウスは身体をくの字に折り曲げて柱に背中から叩きつけられたところだった。サツバツナイトの恐るべきヤリめいたサイドキックだ。ニンジャアドレナリン過剰分泌のゆっくりとした視界で、ウィトルウィウスはニンジャスレイヤーの拳の接近を見る。「イヤーッ!」「グワーッ!サヨナラ!」23

2018-10-30 18:22:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「サヨナラ!」立て続けにプブリウスも爆発四散!激しいイクサは終わった。「手ごわい相手だった」ザンシンしながらサツバツナイトは言った。ニンジャスレイヤーは呼吸を整える暇すら惜しみ、先へ進む。前方にロシア正教式のフスマ有り。蹴り破る!「イヤーッ!」KRAAASH! 24

2018-10-30 18:25:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

そこに広がっているのは黄色い荒野と、空に連なる黒いフスマの光景だった。ニンジャスレイヤーは思わずたたらを踏み、並び立ったサツバツナイトを見た。「これは……」彼らが目を見合わせる間に、荒野の光景は去った。そこは何の変哲もない通路で、前方にはさらにロシア正教式フスマがあった。 25

2018-10-30 18:28:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……何だ……?」怒涛の勢いでそのままフスマを蹴破るべきニンジャスレイヤーであったが、彼はほとんど呆然と立ち尽くした。「どうした」サツバツナイトが彼をもう一度見た。ニンジャスレイヤーは呟いた。「感じない。いや。感じるが……クソッ」「どうした!」「……イヤーッ!」彼は蹴り破った。26

2018-10-30 18:31:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAAASH!更に前方にフスマ!「イヤーッ!」KRAAAASH!更に前方にフスマ!KRAAASH!更に前方にフスマ!「イヤーッ!」KRAAAASH!更に前方にフスマ!KRAAASH!更に前方にフスマ!「イヤーッ!」KRAAAASH!更に前方にフスマ!KRAAASH!更に前方にフスマ!「イヤーッ!」KRAAAASH!更に前方にフスマ! 27

2018-10-30 18:33:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAAASH!更に前方にフスマ!「イヤーッ!」KRAAAASH!更に前方にフスマ!KRAAASH!更に前方にフスマ!「イヤーッ!」KRAAAASH!更に前方にフスマ!KRAAASH!更に前方にフスマ!「イヤーッ!」KRAAAASH!更に前方にフスマ!KRAAASH!更に前方にフスマ!「イヤーッ!」KRAAAASH!更に前方にフスマ! 28

2018-10-30 18:35:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAAAASH!フスマをトビゲリで破壊し、転がりながら二人のニンジャはダイナミックエントリーした。そして即座にカラテ警戒した。通路は終わりを告げ、彼らを深奥に導いていた。そこは広大なホールで、スタジアム照明じみた煌々とした明かりに照らされていた。 29

2018-10-30 18:37:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

凍るような寒さだった。床は氷で出来ており、その奥底では殺人マグロが泳いでいた。カテドラルめいた空間で、まず目に入ったのは、遠大な彫刻を施された石の壁に埋め込まれた巨大なニンジャの死体だ。ニンジャスレイヤーの赤黒装束がぞわりと逆立った。30

2018-10-30 18:41:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((あれはユミル・ニンジャ)))ナラク・ニンジャは呻くように示唆した。(((だが、死んでおる。否……マスラダ!警戒せよ!)))ナラクが言うまでもなかった。ニンジャスレイヤーとサツバツナイトはカラテを構え、この虚無的な空間の中央にぽつんと置かれたソファ、テレビモニタを見た。そこに敵が居た。31

2018-10-30 18:43:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((何だ、これは?面妖也)))ナラクは困惑していた。(((あのユミル・ニンジャは枯死した残骸に過ぎぬ。しかし……ヌウーッ……!)))「お前達か」ソファに座った男が視線を返した。シンウインターである。だがそのアトモスフィアは異様であった。  32

2018-10-30 18:46:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼の傍には二人のウキヨが控えていた。そして、赤熱する鎧に身を包んだ異形のニンジャが。さらに、その周りには非ニンジャとわかる男女数名が虚ろに佇んでいたが、見る間に0と1のノイズを発し、消失した。シンウインターはつまらなそうに肩をすくめた。 33

2018-10-30 18:48:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((ウキヨどもに憑依したニンジャソウル……一方はカゼ・ニンジャ・クラン……そしてイカルガ・ニンジャ・クランだ。ヌウーッ……あれは何だ。ソナエ・ニンジャ・クランの者である筈……しかし……!)))「サツガイに触れた奴らだろう」ニンジャスレイヤーはナラクに答える。「それで十分だ」 34

2018-10-30 18:52:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((カゼには複数のジツがある。イカルガ・ニンジャ・クランはカラテミサイルに注意せよ。ソナエは見ての通り、あの鎧よ。しかし)))「ザルニーツァ」ニンジャスレイヤーは呟いた。シンウインターはソファから立ち上がった。オーロラじみた力がその全身に漲っている。 35

2018-10-30 18:55:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その佇まいから、ニンジャスレイヤーとサツバツナイトは同時に察する。彼はリアルニンジャである。巨大な死体は残滓に過ぎず、シンウインターが異常な密度の力を滾らせている。彼の身体はフジミ・ストリートでの戦闘時よりも一回り大きくなっているようだった。それが示唆する事実は一つだった。 36

2018-10-30 18:58:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」「ドーモ。サツバツナイトです」ニンジャスレイヤーとサツバツナイトはアイサツした。シンウインターは応えた。「ドーモ。俺はシンウインターであり……そうだな、カイデンは、シトカ・ニンジャと名乗る事にしよう」 37

2018-10-30 19:01:28