【ドルフロ】うちの支部

さかきじゅな@SS用 @JunaSakaki_SS

―――――――――― 簡単に言えば、プラントは「脳」と「心臓」、そして「胎」の3つに分かれている。夜戦部隊が発見したのは「心臓」だ。直接戦術人形を生み出す器官ではないと言う意味では、PPKの「プラントではない」と言う推測もあながち間違いではない。

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「胎」は「心臓」よりも更に地下深くに設置されており、逆に「脳」は地上にある。「脳」は戦術人形の製造データを読み込み、「心臓」は「脳」から送られたデータをもとに部品を選別し「胎」へ送る。「胎」は「心臓」から送られた部品を組み立て、メンタルコアなどを組み入れて人形を起動させる。

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何とも大掛かり且つ回りくどい設備だが、だからこそグリフィン製戦術人形の性能をほぼ完璧に近い形で再現出来ているのだろう。より性能が良いものを生み出すのではなく、元ある数値を再現する事だけに注力した設備なのだ。

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つまり、最初から手先をグリフィンの支部に潜り込ませる為に作り出された設備。あのPPKが潜り込んでいた時期から見て、傘ウイルス計画が万一失敗した場合の保険だったと見るのが妥当だ。 鉄血側の勢力は享楽的な者が多いから、全く関係なく気まぐれで生み出された可能性も否定は出来ないけれど。

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「プラントが人間の臓器を模していた理由、貴方ご存知？」 「……推測、と言う形であれば、思い至る節はありますが」 「構わないわ。聞かせて」 「あれは、実際に人間の臓器を使って作られたものです」 PPKが採取した成分から見ても、それはまず間違いない。

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あれは人間の臓器を模すのみならず、実際に人間の臓器を使用する事でリアリティを上げている。 しかし、何故リアリティを上げるのか。戦術人形を生み出す設備に人間の臓器を使用する意図が掴めない。 スオミは、セキュリティクリアランスに配慮した言葉を考えているのか、数秒黙り込んでから口を開く。

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「プラントの最終目的は、戦術人形を作る事ではない可能性があります」 「グリフィンの戦術人形を模す事すら副産物で、本当の目的は他にあると？」 「恐らくですが。プラントの機能と考案した作戦が噛み合った結果、それを使っているだけであって、本来は別の目的の為に設計されたもの、ではないかと」

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「じゃあ、あのプラントが人間の臓器を模しているのは」 青ざめた顔でM14が尋ねる。否定して欲しいと言う彼女の願いは、こくりと頷いたスオミによって打ち砕かれた。 「あのプラントは「人間を作る」為のものだと、私は推測しています」