2018/11/17 代官山蔦屋 日本刀の魅力を知る 末兼俊彦氏トークイベントメモ。(完成しました)
末兼先生講演会 in代官山蔦屋書店参加してきました! 図録について、東京でも手に入るように準備中とのこと。 質:改訂は出ますか? 末:予算もぎ取る腕が問われる。版変えるのはお金がかかる。全部別料金。 質:いや、そうではなく、あと何回出すのかと… 末:学術書というのは、変えていいなら研究者は pic.twitter.com/6AMoXnRy3c
2018-11-17 22:04:16なんぼでも何百回でも変えるよ。 やればやるほどやりたくなる、というやつで、お金さえ使えれば無限にやる。 とのことでした。(笑) 頑張れ読◯さん!N◯Kさん!! 改版、私は待ってる!(笑)
2018-11-17 22:04:17致命的にやっちまったので、ルーズリーフ切れたまま講演会に挑むはめになり、裏紙使ってのメモ取りで、前聞いたことある部分は大幅にメモ諦めました。
2018-11-17 22:11:43今回は【オフレコ】部分がちょいちょいありました。 蔦屋さんからのオーダーで講演会内容は末兼先生いわく『初心者向け』のもの。なので、先生から「(以前話したこともあるものと)同じ話になっちゃいます」と前置きありで始まりました。
2018-11-17 22:17:11とはいえ、いま展覧会をやっているので、まずは展覧会の状況。 末:昨日で20万人達成しました! 数字というのは大切で、補助金が減らされるんですね。物事を作るやる、ということは資本が要ります。工人がもの作りで材料費や人件費が いるように、出来、ランクだけで鑑賞するのは本末転倒と言えます。
2018-11-17 22:25:58ニコ生でも出たスライドで入場者数説明。レンブラント展とかあの辺の話。 あのランキングスライドを見てわかるように、20万人だとランキング外なので、なんとか25万人目指せたら的なお話。 トーハクでもなかなか30万人には届かないのだそうな。縄文展が超えたけど、茶の湯や春◯大◯展は届かず。
2018-11-17 22:37:58末:こういうことばかり言ってると興行と言われてしまう。 教育してるつもりではありますが、でも、興行ですわ。 赤字になると研究がおろそかになっちゃう。 僕は赤字の男といわれてまして、全部赤……いや、出雲が……いくつか展覧会やりましたが黒字の展覧会は出雲展だけです。 【以下、オフレコ】
2018-11-17 22:37:58・【刀剣基礎知識】について ここで『図録は東京でも手に入るように準備中』とのお知らせ。 そして、添付画像の学問分野構成についての説明。このあたり、前に聞いたのでメモ割愛。初めて聞いたものだけを以下。 末:これ、みなさんよく間違われるんですけど、僕ら【学芸員じゃない】んです。 pic.twitter.com/j6v7s6zxGN
2018-11-17 22:44:48【研究員】なんですね。国立研究機関なので。学芸員資格、要りません。 あとたまに、『展示室に座っとるだけやろ?いい仕事やなあ』みたいに言ってくる人いますが、あの方々は外注してお願いしてます。
2018-11-17 22:49:13とまあ、(学問分野構成図みつつ)人がいませんので、いろんなことをやらされます。金工史は金工というので金目のものを取り扱います。 大判小判とか。金属ですね。そしてこれは貨幣なので有価証券と。なので、版札(刷ったお金)も有価証券扱いで金工扱い……うーん!まだわかる!で、有価証券という事で
2018-11-17 22:58:17これだけ分野が末端なので、工芸史自体にそもそも人が残りません。 10000人に1人ぐらい。 旧帝大が七つありますが、そもそも先生が少ない。 学べる手段がない。分野では陶磁器の先生は割りと多いかな。金工はほぼいない。 pic.twitter.com/G0XEXe13gt
2018-11-17 23:08:23僕たちは伝せい品を取り扱うんですね。人の手から手へと渡るもの。 × モノ「の」歴史を語る ◎ モノ「から」歴史を語る、学ぶ。 モノの歴史を語るのは素人のマニアと呼ばれ相手にされません。 と、偉そうなことを言ってますが僕もよくぶっ飛ばされました。
2018-11-17 23:28:55モノを通して人を見ている。興味を持つのはモノではないんです。 型式学について、いろいろ書いてますが今日はここだけ覚えてくれれば。 モノっていうのは進化します。モノがどんどん変わっていく。これを型式学。 (進化論についてタイに残る日本の刀を模倣して作られた刀の痕跡器官についての話)
2018-11-17 23:33:51末:美術史というのは様式論ですね。「なになに風」みたいな。様式、というのはスタイル。僕は以前、刀について教わっていた小笠原先生に「先生……伝じゃなくて【山城様式】じゃだめですかね……?」と言ったところ「末兼……お前何言ってるんだ……。【風】だ、風。山城風ぐらいにしかなってない」と
2018-11-17 23:40:17僕はよく「くたばれ五箇伝」といってますが、五箇伝というのは明治の本阿弥 光遜あたりの本で初めて出てきます。嘘も方便、というか『よくわからないからこういうのを参考にしなさい』といわれたものを、そこから研究が進まないものだからずっとそれを【正しいこと】として使っている。
2018-11-17 23:45:09研究は金石文、刀の場合は銘です。これと文献。やはり文字資料は強い。史料、そして科学調査で行います。 科学者として文化財研究に口を出してくるのは二流ですね。一流であればその分野で食えています。また、科学調査は【否定要因にはなっても肯定要因にはなりえません】エセ科学には気を付けよう!
2018-11-17 23:53:56