多田道太郎『複製芸術論』読書メモ集

多田道太郎『複製芸術論』(講談社学術文庫、1985)の読書メモをまとめました。
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荒木優太 @arishima_takeo

「ルネッサンス期の絵画にキリストを横から描いたものがあり、これは非キリスト教化の第一歩だという説がある。どの角度からでも対象をながめうるというのは、とらわれない批判的態度の表明であり、あるときは権威への挑戦である」(多田道太郎『複製芸術』)。おぉ、おもしれー。

2018-11-16 23:52:06
荒木優太 @arishima_takeo

だから作家のインスピレーションというけれども、それは息吹ということでしょう。この息吹はね、作者の息吹である前に、まず面接状況のなかでの聞き手や観客の息吹だと思う。by多田道太郎『複製芸術』

2018-11-16 23:55:07
荒木優太 @arishima_takeo

真善美社をつくった中野泰雄はどうです。この人はパトロンとしてひじょうに重要ですよ。小泉三申以上ですね。遺産を全部、真善美社の事業に蕩尽してしまった。これがアプレゲール・クレアトリスだ。by多田道太郎『複製芸術』

2018-11-16 23:58:45
荒木優太 @arishima_takeo

「「やっぱり」ということばは、日常会話でも学術論文でももっとも愛好されていることばの一つである。これは外国語に翻訳できない日本的特長をもつ。権威がすでに定まっていて、それに「やっぱり」頼るという態度の表現なのである」(多田道太郎『複製芸術』)。やっぱり!

2018-11-17 00:01:54
荒木優太 @arishima_takeo

(本当は全然リアリティないぜ)。

2018-11-17 00:02:14
荒木優太 @arishima_takeo

「『不如帰』は印税ではなく、出版した民友社は儲け放題で、そのかわり百版になったらうんとお礼すると約束し、そのため、九十九版は二万部も刷ったという。これは高浜虚子が証言している」(多田道太郎『複製芸術論』)。へぇー。

2018-11-19 10:57:16
荒木優太 @arishima_takeo

新聞屋が商売ならば、大学屋も商売である。商売でなければ、教授や博士になりたがる必要はなかろう。by夏目漱石「朝日入社の辞」

2018-11-19 10:59:25
荒木優太 @arishima_takeo

貧乏を讃美しないこと。絶対的に窮乏すればすばらしい芸術が生まれるというわけではけっしてない。たえず貧乏を呪いつづけること。by多田道太郎『複製芸術論』

2018-11-19 11:01:10
荒木優太 @arishima_takeo

「徳冨蘆花はベスト・セラー『不如帰』の成功にもかかわらず、流行作家になろうとしなかった。「文学というものは決して職業とすべきものではありますまい。筆によって生活するとなったら、文学位危険な職業はないでしょう」といった」(多田道太郎『複製芸術論』)。それな。

2018-11-19 11:03:15
荒木優太 @arishima_takeo

多田道太郎『複製芸術論』読了。圧倒的鷲田清一。元祖・鷲田、プロト・清一。アランの散文論を若い頃に摂取したようだが、あのエッセイ感がワシキヨ調に寄与してるんだろうか。いまでいう山本芳明の仕事に通じる文学経済論(「芸術家の待遇の歴史」)が個人的には勉強になった。

2018-11-19 11:10:11
荒木優太 @arishima_takeo

ベンヤミンのやーつは知らずに書いたそうだ。

2018-11-19 11:13:01
荒木優太 @arishima_takeo

ところで、鷲田清一の若い頃(?)の髪型、つーか前髪、これどうなってんだ?? pic.twitter.com/N9d9I0z0Qt

2018-11-19 11:14:21
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荒木優太 @arishima_takeo

マンガは新しい神話であるとすれば、いまは神々の競うべきときである。by多田道太郎『複製芸術論』

2018-11-19 11:18:44