論語_八佾第三_17
子貢
欲去告朔之餼羊
子曰
賜也
爾愛其羊
我愛其禮
子貢が
告朔に捧げられる羊をやめようと提案した
孔子が言った
子貢よ
あなたは羊を惜しむだろうが
私は伝統を重んじる
大嘗祭に宗教色が強いのは否定しないが、あのタイミングで仕事が発生する伝統工芸が多数あるので、技術継承のためなるべく華やかにやってほしい。山形のベニバナも、大嘗祭がなければ生産が完全に絶えていたろうし。山藍の摺り衣に至っては大嘗祭ぐらいしか出てくるタイミングがない(誰が染める?)。
2018-11-30 21:49:54だってだって、もう滅多に目にすることのない、古典天然染料を使った染織が、業界第一人者の手で染められ織られ、ここぞとばかりにぎょうさん出てくるのよ?!あそこで見られる着物の色が、ホントの日本の古典色なのよ。もうこの機会を見逃す手はない!
2018-11-30 22:14:42黄櫨染とか!山藍とか!黄蘗とか!! もうここでしか見られない。下手するともう一生これらの色を見るチャンスのないひとは少なからずいると思う。
2018-11-30 22:17:55忘れてました。現代化学12月号、出てます。今月の結晶美術館は、造岩鉱物の話を。さりげなく、死んだオヤジに関係する標本の写真を一個忍ばしていたりします。よろしければどうぞ。 pic.twitter.com/QcwLg8iUNt
2018-12-01 00:32:07新嘗祭のうち、新天皇最初の御即位後最初に行うもの、でしたっけ。天皇が一回だけできるハロウィンパーティ、というところなのかな。
2018-12-01 22:04:35この大嘗祭に関しては、染織に関していえばいろんな指定があって。特に新天皇が一番上に羽織る小忌衣は、白い麻布の上に、簡素な青摺の紋様が入ってなければならず、それが、トウダイグサ科のヤマアイを使わなければならないとか、とにかくしきたりが多い。
2018-12-01 22:08:46ただ、平安末期には大嘗祭のレシピはかなり絶えていたらしく、これは江戸期に掘り起こして桜町天皇の時に復活させたとある。その時ヤマアイを献上したのは吉宗。そのあとは、京都の石清水八幡の森に生えるヤマアイを使う習わしになってるようだ。
2018-12-01 22:12:06この、ヤマアイの青色色素が、世にも珍しい安定ラジカルアニオンであるシアノヘルミジンという化合物であるという話は前にも書いた。 sites.google.com/site/fluordoub…
2018-12-01 22:42:05しかし、その後、家で育ててみたら、ヤマアイの成長点近くにはかなり多くのシアノヘルミジン前駆体があるらしく、先端だけを摘んで摺染に使うとかなり青くなるのを見出した。辻村氏が1980年代に発見した銅媒染の技術が平安期にあるとは思えず、どうもこのあたりに答えがあるらしい。
2018-12-01 22:46:57ヤマアイによる摺染めは、まったく日持ちしない、ホントに一回ぽっきりで、いいとこ2週間ぐらいしかもたない。大正天皇の小忌衣は、写真で見ると見事に茶色になってる。当然、蓼藍文化に押されて完全に廃れてしまい、そんなものに興味をもつ人はほとんどいない。このTLにも、オレを含め二人だけだ。
2018-12-01 22:56:18ヤマアイの色素の謎はともかく、大嘗祭になると、そんな千年も前の、化石のような染色技術がぽんぽん出てくる。染色家みんなが延喜式のレシピを見て頭を悩ませる。なんて素敵なロストテクノロジー復活儀式なんだろう、と思う。
2018-12-01 23:01:57大嘗祭みたいな古い儀式は、モチベーションが現代の価値観と照らして形骸化しやすいのは否めない。しかし、歴史が長い国でないと、ああいうのはないんだよね。実りと繁栄を祝う儀式だ。それをサポートするのは、流行りに流されず古典工芸技法を大事にしてる数少ないプロフェッショナルだよね。
2018-12-02 00:38:38生産性に乏しく、美麗だが長持ちしない。コストが高すぎるので、古典工芸はほとんど駆逐され、その原型はもはや庶民の手に届くところにはほとんどなくなってしまった。しかし、それを自分の手でトレースすると、平安のひとの息吹を追体験することができる。その色は、千年前のひとが見た色。
2018-12-02 00:45:28なんて儚い色なんだろう、と振り返ることができる。また、褪せて消えていく染め色を惜しみながら慈しみ、自分もそれに合わせ齢を重ねていった、そんな時代を改めて感じさせてくれる。日本人はそういう気質があったのだ。
2018-12-02 00:49:36象徴天皇の是非とか財源が本質論なんだけど、そこは識者にまかせるとして。それよか個人的にはギリギリ生き残った工芸に興味がある。そこにぶら下がれないとなかなか生き残れない。それを失うと、かつての日本人の息吹を感じさせる拠り所がまた減ってしまう。
2018-12-02 01:00:16それらに、現代の価値観が持ち込めないのは、宗教的儀式だからだ。それも、皇室が囲い込んだ、とびきりキラーの儀式。伊勢神宮の式年遷宮より強い。だから時を超えてそのまま残っている。
2018-12-02 01:06:09