鳥嶋真也さんの、『エンデバー小講座』

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さてここでエンデヴァーについてもう一度振り返っておきましょう。エンデヴァーは1986年に事故で失われたチャレンジャーの代わりとして、1987年に建造が開始され、1992年から運用が開始された機体で、スペースシャトル全機の中で最も若い機体です。

2011-04-30 00:00:02
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エンデヴァーという名前は、18世紀に英国のジェイムズ・クックが使用したHMSエンデヴァー(Endeavour)から採られています。米国英語でのスペルはEndeavorですが、英国英語ではEndeavourであり、その由来からシャトル・エンデヴァーは後者のスペルが使われています。

2011-04-30 00:03:03
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エンデヴァーの名前は他のシャトルとは違い、全米の小中高生から募集されて選ばれたものです。1988年に募集が開始され、1989年に、当時のジョージ・H・W・ブッシュ大統領によって発表されました。

2011-04-30 00:06:03
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もう一つ特筆すべき事として、エンデヴァーは建造の際、それまでのオービターには無かったドラッグシュート(ブレーキ用のパラシュート)や新しい電子機器など、新しい装備が盛り込まれました。これらは後にすでに建造されていた他のオービターにも採用されています。

2011-04-30 00:09:01
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またエンデヴァーは、ディスカヴァリーやアトランティスを建造した際のスペアパーツを利用する事で建造され、この事は建造費を安く押さえる事につながりました。

2011-04-30 00:12:01
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エンデヴァーはこれまでのミッションでいくつもの印象的な成果を残してきました。例えば1993年に行われたSTS-61ミッションでは、1990年に打上げられすぐに問題が発見されたハッブル宇宙望遠鏡の修理を実施し、そのままでは役に立たないとまで言われたハッブルを救う事に成功しました。

2011-04-30 00:15:01
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また、1998年のSTS-88ミッションでは、国際宇宙ステーションに米国のユニティモジュールを輸送し、すでに軌道上にあったロシアのモジュールであるザリャーにドッキングさせ、国際宇宙ステーションが名実共に"国際"になった、その歴史的な瞬間をエンデヴァーは創り出しました。

2011-04-30 00:18:01
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また、日本人で2番目の宇宙飛行士となった毛利衛宇宙飛行士が初めて搭乗したのも、このエンデヴァーでした。その後も毛利飛行士の2回目の飛行を含め、若田光一飛行士や土井隆雄飛行士と言った日本人宇宙飛行士が多数、エンデヴァーに搭乗しています。

2011-04-30 00:21:01
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もう1つ小ネタ。スペースシャトルの両脇に付いている固体ロケットブースタ(SRB)は、打上げ後海上から回収され、メンテナンスの後再使用されますが、今回の打上げに使われるSRBのパーツには、エンデヴァーの最初の飛行で使われた物が含まれていたりします。

2011-04-30 00:24:01