アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、F-エフ-31話(最終回)脚本:月下の旅立ち

アニメカイジに感動し、かつ高屋敷英夫さんは子供~大人になるまで、よく見る名前なので気になった…と思ったがこの方の歴史は膨大すぎた。 今回は、F-エフ-31話脚本。 前回はF-エフ-30話脚本。 https://togetter.com/li/1296730 続きを読む
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まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-31話23 この壮絶な光景を見ても、将馬(軍馬の異母兄)は彼等を見下す。そんな彼を、ユキ(軍馬を慕う、赤木家の元使用人。将馬に囲われていたが逃走)はビンタし、去る(アニオリ)。 ビンタも、よく出る。ベルばら(コンテ)、ど根性ガエル(演出)、カイジ2期・めぞん一刻(脚本)と比較。 pic.twitter.com/RCmptqPIVP

2018-12-16 14:39:25
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話24 レースが終わり、皆は帰っていく(アニオリ)。英二郎(タモツの父で、軍馬のメカニック)は、タツ(タモツの母)とヨリを戻す(原作にて、人間同士の勝負は軍馬が勝ったが、メカニックとしての勝負は、タモツが勝ったという解説がある)。 pic.twitter.com/K1mfJ1ZlqH

2018-12-16 14:40:27
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話25 そしてユキは飛行機に乗り、何処かへ旅立つ(アニオリ)。 純子(ヒロインの一人)とルイ子(聖の恋人)は、取り残された者同士、意気投合する。 最終回にキャラが旅立つ展開を、高屋敷氏は多く取り扱うが、原作で薄幸のユキを旅立たせたのは驚き。 pic.twitter.com/hL3YgNXqGo

2018-12-16 14:41:25
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話26 夜のサーキットに佇む軍馬は、聖のヘルメットの埃を、優しい手つきで払う(アニオリ)。 優しい手つきで、物や人を撫でる場面は、よく出る。 めぞん一刻・マッドハウス版XMEN(脚本)と比較。 pic.twitter.com/63T9CcwZiy

2018-12-16 14:42:33
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話27 そしてそれを、満月が見守る。万物を「見ている」ような月の「間」を、高屋敷氏は実に多く出す。 はじめの一歩3期・火の鳥鳳凰編(脚本)、エースをねらえ!(演出)、蒼天航路(脚本)、元祖天才バカボン(演出/コンテ)と比較。 pic.twitter.com/hGO5PvJtv0

2018-12-16 14:43:29
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話28 聖のヘルメットを拾い上げた軍馬は、タモツと頷き合う。そして聖の遺言通り、前へと、そして「世界」へと歩を進める(アニオリ)。友と共に「前に進む」のは、家なき子最終回(演出)を思い出させる。 pic.twitter.com/ltYMcsaGix

2018-12-16 14:46:32
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話29 そして、軍馬の戦績が表示される。間には空白があり、末尾にはこう書かれている。「F1グランプリ出走予定」と…(アニオリ。原作では、かなり後の話)。 pic.twitter.com/cqC2KjnaQk

2018-12-16 14:47:44
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ1 話を追っているうちに薄々感じていたのだが、やはりアニメでは、「青春の輝きと、その終焉、そして旅立ち」が描かれている。 この構成は、高屋敷氏の大きな特徴であり、それが直球で表れている。

2018-12-16 14:49:46
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ2 家なき子最終回(演出)では太陽に向かいレミ達が、あしたのジョー2最終回(脚本)では太陽に見送られながら、丈が旅立つ。 F-エフ-の場合は、月が見守る中、軍馬が旅立つ。この事からも、「太陽と月」は、高屋敷氏の作品世界で、非常に重要な役割を担っているのがわかる。 pic.twitter.com/dGY1cMhHh6

2018-12-16 14:52:02
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ3 また、「自分とは何か」→「自分で選んだ道を行け」→「自分を確立しろ」→「己を強く保て」→「自分を超えろ」→「そして前に進め」と、「自分」にまつわる構成にもなっている。これは、カイジやグラゼニのシリーズ構成/脚本にも適用されており、その一貫性に驚く。

2018-12-16 14:53:26
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ4 そして、「生きざま」「どう生きるか」にも重点が置かれている。これもまた、カイジ、アカギ、グラゼニ(シリーズ構成/脚本)、あしたのジョー2(脚本)、めぞん一刻(脚本/最終シリーズ構成)など、高屋敷は数多く描く。これもまた、同氏の作品を追っていくと感銘を受ける。

2018-12-16 14:54:19
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ5 話が進むにつれ、主人公が大きく成長していく構成も、高屋敷氏の得意分野。 特に、少年や青年が「男」になっていく話作りが非常に上手い。 画像は、成長・豹変の例。本作と、めぞん一刻(脚本・最終シリーズ構成)、DAYS(脚本)、カイジ2期(脚本・シリーズ構成)との比較。 pic.twitter.com/J11dlgwaGy

2018-12-16 14:56:14
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ6 あと、ジョー2(脚本)と本作を比較すると、共通するものが多く出て来る。 かたやボクシング、かたやモータースポーツなのに、何故か同じカテゴリのものを見ているような感覚に陥る。それだけ、スポーツというより、前述した「生きざま」にスポットが当たっている。

2018-12-16 14:57:10
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ7 高屋敷氏がシリーズ構成・脚本を担当した野球アニメであるワンナウツやグラゼニにおいても、「生きざま」が描かれる。 ワンナウツの場合は、「勝負」にこだわる渡久地の、グラゼニの場合は、「好きで選んだ道」である野球に人生を賭ける夏之介の姿が印象深い。

2018-12-16 15:01:06
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ8 アカギやカイジ(シリーズ構成・脚本)でも、ギャンブルものである以上に、生きざまや、どう生きるか…が前面に出ている。 こういった共通点があるので、時代もジャンルも違うのに、これらが「同じカテゴリ」のように感じる。それだけ、高屋敷氏は個性が強いのだと思う。

2018-12-16 15:05:06
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ9 聖と軍馬の間に芽生えた感情(愛情)に目を向けてみると、「二人だけの世界」に突入した結果と言える。 カイジ(脚本・シリーズ構成)でも、圧倒的孤独の中で、互いの存在を感じ合った佐原とカイジの間に、特別な感情が生まれる。 そして両作とも、片方が死んでしまう。

2018-12-16 15:05:45
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ10 さらに遡ると、あしたのジョーの丈と力石の関係がある。 奇しくも高屋敷氏は、あしたのジョー1にて、丈が(死した)力石に対し、友情や愛情を超えた感情を抱いていたことを述懐する回の制作進行を担当しており、何らかの影響を受けた可能性がある。

2018-12-16 15:06:31
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ11 こういった「魂を通わせた相手との死別」は悲劇であるが、主人公達は、これを通し「真の愛」を知る。劇場版スーパーマリオ(脚本)では、「勇気とは真の愛から生まれる」という直球台詞があり、高屋敷氏の持つ「人間愛」についてのポリシーが窺える。

2018-12-16 15:07:03
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ12 色々な試練や経験を経て、最後に軍馬は前に進む。1話で彼が言う「前だ、前に行くんだ」(アニオリ台詞)ともリンクしており、構成の妙を感じる。また、家なき子(演出参加)のテーマ、「前へ進め」も踏まえると感慨深い。

2018-12-16 15:07:52
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ13 今回のサブタイトルは、「さらば軍馬! めざせ世界最速の男!!」。これは、旅立つ軍馬へのエールとも取れる。思えば、「赤木軍馬という男が、どう生きるのか」を見守る構成にもなっていた気がする。そして最後は、彼を見送る形になっているのではないだろうか。

2018-12-16 15:08:38
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高屋敷氏脚本F-エフ-31話まとめ14 次回は、本作における高屋敷氏の「シリーズ構成」について述べて行きたい。 それにしても、1話ずつ半年以上付き合ってきたのもあるが、本作が大好きになってしまった。 高屋敷氏の担当作の中でも、脚本作としては、2つ目あたりのピークだと思う(1つ目は80年代初頭)。

2018-12-16 15:13:41