アルター・オブ・マッポーカリプス ＃７

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「AAARGH……！」「兄者よ！チィーッ……！」ウン・ニンジャは落下してゆくア・ニンジャを気遣い、そして、執拗に攻撃を繰り返すザイバツの精鋭ニンジャに対する怒りを沸騰させた。全身をカラテが巡り、右目の毒を瞬時に燻蒸消毒！そしてそのカラテを全方位に解き放った！「ウンーッ！」　24

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KA-BOOOOOM！「「グワーッ！」」アサルト・カラテ爆発がディミヌエンド達を吹き飛ばした。ウン・ニンジャは怒りにその目を燃やし、追い打ちの全方位カラテミサイル射出の構えをとった。そして……上空に出現した新たな影に気づいた。ジュウニヒトエ姿のニンジャは狂おしい笑いでウンを見た。　25

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

静止するシャドーバージの上に、長い髪をざわつかせるそのニンジャ……パープルタコと、神獣じみて壮麗な毛皮を輝かせる狼のニンジャ……フェルファングの姿があった。ウンは狼のアトモスフィアにフェンリル・ニンジャの面影を感じ取った。「ウン……！」「アカチャンね、素敵よ、貴方」　26

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

吹き飛ばされた精鋭ニンジャ達が空中でバランスを取り、カラテを構え直した。ナムサン……ここまでの連続攻撃は彼女のジツを伏線とした誘導戦術であった。アサルトカラテ射出直後のウンにはパープルタコのジツを防ぐ余力がない。「素敵……でも、果てているわね、それではいけないわ」凝視！　27

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウン……！？」ウン・ニンジャの視界に、大小さまざまなクラゲが乱れ舞った。「ウン！ウンッ！」ウン・ニンジャは凄まじいカラテでクラゲを破壊してゆく。現実には、カナシバリ・ジツを受けたように痙攣し、もがいている！神代のリアルニンジャが！　28

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「我から手を離せ、パープルタコ＝サン」フェルファングが注意した。パープルタコはフェルファングの毛並みを撫でていた。狼は彼女にソウルの力を分け与えていたのだ。「アララ」彼女は素直に従った。「こんな時でもないと触れられないのに」「当然だ。我に触れる権利は、かなり限っておる」　29

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グランドマスターになりたいのなら、ギルドに貢献した方がいいのよ、色々と……」「我は誇り高き狼の王。既にして、貴様らの遥か上の存在である」「素敵ね」パープルタコはウン・ニンジャを見た。精鋭たちのバージが注意深く間合いを取る。動きは封じたが、不用意に近寄れば、待つのは死だ。　30

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

目的はベッピンの破片であり、リアルニンジャの総殲滅ではない。まして神話のアとウンをこの場で滅ぼすなどと、大業にも程があった。このまま動きを封じる事ができれば最善であるが……「ア！」落下しながら、ア・ニンジャがカラテミサイルを放った！「GROWL！」フェルファングが反応！　31

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

宙を蹴り、フェルファングはア・ニンジャに向かってゆく！撃たれたカラテミサイルに大顎で喰らいつく！「GRRRRRRR！」溢れる力に毛を逆立て、その走りを止める事はない。浮石のひとつに着地して身構えるア・ニンジャに、フェルファングは襲い掛かる！「GRRRRRR！」　32

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ア！」ア・ニンジャはフェルファングの首を掴みにゆく！暴れる神狼とオスモウめいて格闘するア・ニンジャに、再びスパルトイ達が向かってゆく！これにてもはやダークニンジャの眼前の敵はサナダ・ニンジャに限られた。ダークニンジャの全方位カラテ警戒は今やサナダ・ニンジャ一人に集束する！　33

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」狙い澄ましたダークニンジャのワン・インチ・パンチをサナダが受けると、彼の背中側の空気が竜巻となって散った。全ダメージを完璧な防御によって散らしたのだ。「何者だ。戦士よ」サナダが問う。「カツ・ワンソーに仇なす者」ダークニンジャは答えた。「そして貴様は所詮、死者だ」34

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……」メンポの奥で、サナダ・ニンジャの目が、訝しみをもって微かに細められた。「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」ガ、ガ、ガ、ガ……瞬間的なカラテ応酬！チョップとチョップが噛み合い、鍔迫り合いとなる！「死者だと？」「然り。貴様の歴史は江戸戦争で終わった」　35

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」ガガガガ！両者の甲冑の欠片が宙を舞った。「サナダ・ニンジャよ。場をたがえておるぞ。単に邪魔だ。この世に貴様の居場所は無し」「ほざくがいい……」「否」ダークニンジャはサナダを見据えた。そして呟く。「死なば太陽/サンズ渡し賃」36

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

英雄はメンポの影の目を血走らせた。それは確かにサナダ・ニンジャ自身が詠んだ辞世のハイクであった。江戸戦争の西軍に列し、殺しの限りをつくして戦い、数百の矢をその身に受けて、テンプルの廃墟にもたれて詠んだハイクだった。突然の自己認識が、イクサの高揚と神秘的な使命感を揺らがせた。　37

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

己は死者。サナダ・ニンジャは悟った。彼は並のリアルニンジャではなく、虚無の絶望にとらわれた瞬間はほんのコンマ数秒に過ぎなかった。「イヤーッ！」「イヤーッ！」咄嗟に繰り出したカラテをダークニンジャの速度が僅かに上回った。光めいた時間の迷いすら、極限の戦士のイクサにおいては……！　38

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ！」脇腹に受けたカラテの衝撃が全身に広がる！サナダ・ニンジャは内なるカラテを解き放ち、鎧を爆散させた。「イヤーッ！」弾け飛ぶ甲冑の中から、八度のチョップを叩き込む！しかしダークニンジャは全てをいなし、逸らした！既に把握しきっていた！ボイリングメタルを殺したカラテを！　39

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……！」サナダ・ニンジャはなお一撃のチョップを繰り出そうとした。その時、彼の首は胴体を離れていた。それまでじっと宙に静止していたダークニンジャの大ツルギが高速回転し、意識の外からの致命の一撃を達成したのである。「…アッパレ」吹き飛ぶ首が呟き、英雄は爆発四散した。「サヨナラ！」40

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サツガイは首を傾げ、まずキンカク・テンプルを見た。そして黒いトリイをくだり来るヒャッキ・ヤギョと、ザイバツの厄介な戦士たちを見た。ア・ニンジャを、ウン・ニンジャを見た。ザンシンを解くダークニンジャを見た。ダークニンジャは向かってきた。狙いは門の中央。ベッピンの破片である。　41

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ンンー」サツガイは首を傾げた。「イヤーッ！」ダークニンジャがツルギを飛ばし、サツガイに斬りつけた。サツガイは中指と人差し指を並べて立て、力を込めて刃を止めた。「オイ！ケジメさせる気か！」弾き返した大ツルギを、ダークニンジャは咄嗟にブレーサーで防ぐ。タタミ50枚距離弾かれる！　42

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ンンー……」彼はそれからシトカ市街に顔を向けた。フードの下の暗黒の中で、彼は何を思ったか。地上を進み来る、モータルとニンジャ達。掲げられた大漁旗。くだらない、と笑ったであろうか？否。彼は重大な何かを感じた。ニンジャとモータルをまじえたこの時代の者達を率いる数人を凝視した。　43

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ちょっとアレ、気になるから」サツガイはマントを翻した。「わ、我が主よ！」ジツに集中していたカシマールが慌てた。「貴方のお手を煩わせるなど……！」「ここを守っておけ、お前」サツガイはカシマールの頭を掴んだ。「ア……アイエ、アイ、アバババーッ！」カシマールは新たな力を授かった。　44

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

再び向かい来るダークニンジャはカシマールに任せ、サツガイは斜めに飛んだ。「アバババババ……アー……アアア……」「イヤーッ！」ダークニンジャがハッポースリケン・モニュメントの中央に向かう！カシマールは笑い出す！「アアア……アハハハハ！」ダークニンジャを見据え、力を込める！　45

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サツガイは浮石を踏み、さらに跳んだ。「イヤーッ！」彼は空中で静止した。訝しげに、己の右足首を見た。「イヤーッ、あれ？イ……あれ？」赤黒く燃える鉤縄が絡みつき、喰らいついていた。「ンン……？」赤黒く！燃える！縄！それは地上から！伸びている！　46

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ン」サツガイは地上、縄を投げ放った者を見た。それは赤黒く燃える装束を身に着けたニンジャであり、メンポには「忍」「殺」の恐るべきレリーフが刻まれている。「これは……」コメントしようとしたサツガイの身体が、凄まじい速度で地上に向かって引き寄せられた！「イヤーッ！」「グワーッ！？」47

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

地上！ニンジャスレイヤーは左手でフックロープを引き寄せ、矢めいた速度で飛んできたサツガイを……右手で殴りつけた！「イヤーッ！」主観時間が泥めいて鈍化し、赤黒く燃える拳はサツガイの神秘的な影めいた顔面にゆっくりとめりこみ……弾き飛ばした！「グワーッ！」　48