アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、F-エフ-シリーズ構成:人の思いを背負って走る「自分」

アニメカイジに感動し、かつ高屋敷英夫さんは子供~大人になるまで、よく見る名前なので気になった…と思ったがこの方の歴史は膨大すぎた。 今回は、F-エフ-のシリーズ構成について。 前回はF-エフ-31話(最終回)脚本。 https://togetter.com/li/1298904 続きを読む
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まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きで始めた、カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。今回は、F-エフ-シリーズ構成(総括)。 前回は、同作31話(最終回)脚本。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/12/… 上記ブログのtogetter版: togetter.com/li/1298904 他: togetter.com/id/makimogpfb

2018-12-23 14:00:12
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括1 アニメ・F-エフ-は、六田登氏の漫画のアニメ化作品。破天荒だが天才的な運転技術を持つ青年・赤木軍馬が、レーサーとなり成長していく姿を描く。 監督は真下耕一氏で、高屋敷氏はシリーズ構成・全話脚本を務める。

2018-12-23 14:00:51
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括2 詳細は、ブログに書きました: F-エフ-シリーズ構成:人の思いを背負って走る「自分」 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/12/… #はてなブログ

2018-12-23 14:02:26
リンク カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 F-エフ-シリーズ構成:人の思いを背負って走る「自分」 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 アニメ・F-エフ-は、六田登氏の漫画をアニメ化した作品。破天荒だが天才的なドライビングテクニックを持つ青年・赤木軍馬が、様々なドラマを経てレーサーとなり、数々の勝負を繰り広げていく姿を描く。監督は真下耕一氏で、高屋敷氏はシリーズ構成・全話脚本を務める。 ─── 本記事を含めた、当ブログにおけるF-エフ-の記事一覧:http://makimogpfb2.hatenablog.com/archive/category/%23F-%E3%82%A8%E3%83%95- ─── 今回は、高屋敷氏の、本作における「
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括3 今回は、高屋敷氏の、本作における「シリーズ構成」を中心に考察し、シリーズ全体をまとめていきたい。 各話の詳細記事一覧: makimogpfb2.hatenablog.com/archive/catego… togetter版: togetter.com/t/F-%E3%82%A8%…

2018-12-23 14:05:37
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括4 まず1話からして、このシリーズの軸の一つが「軍馬と聖(軍馬のライバル)の物語」である事を、強烈に印象づけている。 1話と23話の、夕陽の強調(アニオリ)も上手い。また、あしたのジョー(特に2)の脚本経験も存分に生かされている。画像は、ジョー2(脚本)との比較。 pic.twitter.com/2p4HbxOrj3

2018-12-23 14:07:27
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括5 1話の聖の台詞「サーキットじゃな、お前より速いやつはゴマンといるんだぜ」(原作では別人の台詞)を、軍馬と聖の再会時の合言葉として使い、最終話の「世界には…お前より速い奴は…ゴマンといるぜ…世界には…」(アニオリ台詞)に繋げるという構成にも唸る。 pic.twitter.com/FnF7S1sybJ

2018-12-23 14:08:31
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括6 1話~2話では、父と子の確執を通して「自分の存在理由」、「自分とは何か」も描かれる。軍馬は、聖の言葉や、父との口論から、レーサーになるという目標を立て、「男の顔」になって上京していく。この、上京シーンの追加も見事だった。 pic.twitter.com/dVr7N8Lc5E

2018-12-23 14:09:38
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括7 原作では、長きにわたり「父と子」の物語が展開されるが、アニメでは、「自分」というものを描く構成になっていく。これは、高屋敷氏が長年投げかけているテーマで、同氏の並々ならぬこだわりが感じられる。本作はアニオリも多く、アグレッシブな情熱も感じる。

2018-12-23 14:11:59
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括8 3話では、タモツ(軍馬の親友)の母が「自分の思う通りに生きろ」と言う(アニオリ)。こちらも、高屋敷氏が多くの作品で出す、「自分の道は自分で決めろ」が表れている。 カイジ(シリーズ構成・脚本)でも、カイジが覚醒するにつれ、自分で道を決めるようになっていく。 pic.twitter.com/tjaOXVMrsT

2018-12-23 14:14:09
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括9 つまりシリーズ序盤では、「自分とは何か」→「自分の道は自分で決めろ」が丁寧に描かれている。上京というシチュエーションも、それにマッチしており、何故アニメで、軍馬やタモツの上京シーンをじっくり追加したのかが見えてくる。

2018-12-23 14:14:58
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括10 6話では、純子(ヒロインの一人)の亡き恋人・龍二が見ていたという「得体のしれない何か」を、再び見せてやると軍馬が宣言。ここで、自分=人の思いを背負って走るレーサーとなるのだ、という具体的な目標が出来ていく。ここでも、「自分とは」が突き詰められる。

2018-12-23 14:18:00
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括11 この「得体のしれない何か」は、25話にて、覚醒した軍馬が見せることになる(原作とはニュアンスが異なる)。こうした伏線回収もドラマチックかつ、高屋敷氏の構成技術が光る。また、6話も25話も、軍馬と純子の心の交流が描かれており、その繋がりも見事。 pic.twitter.com/awlsgIdOio

2018-12-23 14:18:53
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括12 7話の完全オリジナル回では、軍馬はユキ(もう一人のヒロイン)の思いも背負うことになる。 聖は、「奴は“今”を走っている」と軍馬を評し、「走るしかない」とも言う。 自分を確立し、人の思いを受け止めるには「走る」しかない、レーサーの生き方が提示されていく。 pic.twitter.com/lYtqDJZumf

2018-12-23 14:19:58
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括13 そして1クール節目13話では、タモツの「赤木軍馬という男は、皆の夢を叶えてくれる男だべ」(ほぼ原作通り)に対し、軍馬は「これでも一応レーサーなんだぜ」と応える(アニオリ)。ここで彼は「自分=レーサー」と覚醒し、父の幻影を打破し、その先にいる聖に挑む。

2018-12-23 14:21:22
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括14 どんなにダメージを負ったマシンであろうと、どんなに周回遅れであろうと、聖を一瞬だけでも抜こうとする軍馬の姿は感慨深く、そのボルテージは凄まじい。しかも、殆どがアニオリなのが驚き。 pic.twitter.com/mqBCwqrnrL

2018-12-23 14:22:26
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括15 整理すると、序盤にて自分の道を自分で決め、0.5クールで自分の具体的な使命・目標が定まり、1クールの節目には「自分とは何か」が確立される流れとなる。この構成力には本当に敬服する。カイジなどのシリーズ構成においても、このような緻密な構成技術が見られる。

2018-12-23 14:23:19
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括16 15話の白タク稼業回では、赤ちゃんの両親から代金を取らないという、原作と真逆の行動を軍馬が取る。これは13話のアニオリ展開で、彼を大きく成長させた故の措置だと思われる。ともあれ、彼の魅力が倍増しており、印象深い。 pic.twitter.com/iOX878pRjE

2018-12-23 14:24:12
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括17 16、17話では、資金難から「レーサーである自分」と、親友のタモツを失う危機に陥り、軍馬は故郷へと赴く。そこで亡き母の愛を噛み締めるが、彼は故郷と決別。また、ユキの変貌は、いつまでも子供でいられないという、青春のほろ苦さが出ている。 pic.twitter.com/2SZh2Wjmkz

2018-12-23 14:25:12
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括18 この、シリーズ折り返し地点にて「青春と、その終焉」という、ジョー2(脚本)でも出た要素が表出。 高屋敷氏脚本のジョー2最終回では、丈が燃え尽き、青春を終える。(サブタイも「青春はいま…燃え尽きた」)。本作も、同氏のジョー2に対する思い入れが炸裂している。

2018-12-23 14:28:05
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括19 18話では、「走らなければ生きていけない」軍馬と聖の宿命が語られ、20話では、軍馬のFJ1600レース初優勝と、タモツとの別れが描かれる。初優勝を機に、タモツに依存気味の軍馬がタモツに突き放される格好になり、彼の大きな転機となる。

2018-12-23 14:28:52
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括20 21~22話では、タモツ抜きで走らねばならない軍馬の試練(孤独との戦い)、23話では、病を抱える聖の、「死ぬまで生きてみせる」という覚悟が描かれる。 そして、夕陽が聖の前に軍馬を「連れてくる」。前述通り、高屋敷氏が脚本参加したジョー2の要素が非常に強い。 pic.twitter.com/uBxYqN3v3y

2018-12-23 14:32:17
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括21 24~25話では、軍馬がF3に上がる。この段階になると、青春の終焉に向かう流れが色濃くなり、軍馬も成長。F3マシンを乗りこなし、「得体の知れない何か」を見る境地に至った彼は、前述通り、純子との約束も果たす。2クールを迎える直前、この展開にした技術も凄い。 pic.twitter.com/nWLRgFGk0M

2018-12-23 14:34:59
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括22 26~29話のアニオリ展開は、軍馬が13話で確立した「自分=レーサー」という境地を激しく揺さぶる。軍馬はマシンとライセンスを失ってアイデンティティ喪失の危機に陥り、ライセンスが戻った直後には純子と大喧嘩。更に異母兄・将馬と殴り合って心身ズタボロになる。 pic.twitter.com/KwtVlKrZNN

2018-12-23 14:37:35
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まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括23 そんな軍馬を引っ張り上げたのは、もう一人のヒロイン・ユキであった(30話序盤のアニオリ展開)。ユキの語る「私の知ってる軍馬様」は、他者から見た軍馬であり、ここでも軍馬は「自分」と向き合う事になる。

2018-12-23 14:38:33