アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、F-エフ-シリーズ構成:人の思いを背負って走る「自分」

アニメカイジに感動し、かつ高屋敷英夫さんは子供~大人になるまで、よく見る名前なので気になった…と思ったがこの方の歴史は膨大すぎた。 今回は、F-エフ-のシリーズ構成について。 前回はF-エフ-31話(最終回)脚本。 https://togetter.com/li/1298904 続きを読む
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まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括24 ユキもまた、軍馬が、走らなければ生きていけない人間であることを理解しており、彼女の「走って」という言葉は、「生きろ」と同義語。 将馬に囲われ、自分の道を閉ざされた彼女は、全てを軍馬の夢に捧げており(莫大な資金含む)、だからこそ胸を打つ。

2018-12-23 14:39:21
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括25 ユキの想いは、13話で軍馬が確立した「自分=人や自分の思いを背負って走るレーサー」という境地を再び呼び起こす。 また、ユキが預かっていた、軍馬の母の指輪が超高額なもので、英二郎(タモツの父)のマシンを借りる手助けになったのも劇的で、伏線回収が秀逸。 pic.twitter.com/5v2oYud1z9

2018-12-23 14:42:10
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括26 つまり1クールで軍馬が辿り着いた境地「自分=レーサー」を大きく揺さぶる出来事が、1クール後に起こり続け、2クール目以降、彼はギリギリまで追い詰められる。それは、「自分を保つ」ことが出来るかどうかの試練とも取れる。ここも、高屋敷氏の構成が上手い。

2018-12-23 14:43:14
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括27 そして30話中盤~最終話、軍馬は聖との、最初で最後のF3レースに挑む。自分とは何かを見つめ、自分を確立し、自分を揺さぶる試練に耐え、軍馬は最後に、自分を超える局面を迎える。一足先に自分を超えた聖が、自分を超える方法を教えてやる…と言うのも良い。 pic.twitter.com/TaShX89z3v

2018-12-23 14:44:06
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括28 聖に導かれて自分を超え、優勝した軍馬だが、聖が死んでしまう。激しい勝負の中、「二人の世界」に行った軍馬は、聖に友情や愛情を超えた感情を抱くようになり、聖の亡骸を抱きしめ、彼を担いで歩く。様々な人の思いを背負った軍馬だが、最後に聖の思いを背負う。 pic.twitter.com/6mM8gLST7r

2018-12-23 14:48:09
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括29 この時点で、軍馬は13話の「これでも一応レーサー」から、「人の思いを背負う、プロのレーサー」となる。それは成長であると同時に、青春の終焉でもある。 原作では、この後もまだまだ物語は続くが、アニメでは、これを完結とするべく構成したのではないだろうか。

2018-12-23 14:49:07
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括30 ちなみに、はだしのゲン2(脚本)では、ゲンの母が、ゲンに背負われながら逝く(この逝き方はアニオリ)。本作における、聖の亡骸を背負う軍馬(これは原作通り)と重なるものがあり、感動的。 pic.twitter.com/1aVNPKY9GF

2018-12-23 14:50:05
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括31 そしてラスト、月が見守る中、軍馬はタモツと共に前へ進む(アニオリ)。これもまた、高屋敷氏が、家なき子(演出)や、あしたのジョー2(脚本)で見せた、「旅立ち」展開。「自分」を巡る哲学的・心理学的要素と、青春譚とを合流させる、同氏の巧みな手腕が見られる。 pic.twitter.com/yGFPZB2rHL

2018-12-23 14:51:09
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括32 あと、「裏の主役」として、「全てを見ている太陽と月」の活躍が見られる。これは、数多く見られる高屋敷氏の特徴で、本作でも強烈に出ている。まさかラストを飾るとは思わなかった。原作の裏主役は軍馬の父・総一郎であり、この点でも原作とアニメは大きく異なる。 pic.twitter.com/81uMxgeUAn

2018-12-23 14:53:06
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高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括33 高屋敷氏のシリーズ構成は、本作のようにオリジナル多めであっても、原作に忠実であっても、自分のテーマを前面に押し出すのが非常に上手く、相当に我が強いのではないかと思っている。だからこそ、同氏のキャリアは長いのかもしれない。

2018-12-23 14:53:47
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括34 個人的に、高屋敷氏の紡ぐ「男の物語」は非常に好み。本作にしろ、めぞん一刻(最終シリーズ構成・脚本)にしろ、カイジ(シリーズ構成・脚本)にしろ、「男の成長と生きざま」が感動的に描かれる。本作はそれが期待以上だった。ただただ、同氏に脱帽するしかない。

2018-12-23 14:54:28
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏シリーズ構成F-エフ-総括35 最後になりますが、F-エフ-のDVDはレンタルリリースされています(宅配レンタル含む)。 少しでも興味を持たれた方、昔見たけど、うろ覚えの方は、ご参考まで。

2018-12-23 14:57:55