アルター・オブ・マッポーカリプス #8

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

三本足のカラスはサツバツナイトの肩に止まり、何かを報せた。直感的にサツバツナイトは理解した。「ゲーッ!」カラスが飛び立つと、それがイクサの火蓋を切った。「イヤーッ!」「イヤーッ!」二人のリアルニンジャは戦闘を開始した! 49

2018-12-24 23:30:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」サザナミ・ニンジャがチョップを繰り出すと、サツバツナイトは打ち払い、逆の手を腹に叩き込んだ。「イヤーッ!」「グワーッ!」後退しながらサザナミ・ニンジャは触手で突き刺そうとした。「イヤーッ!」サツバツナイトは打ち払い、逆の手を腹に叩き込んだ。「グワーッ!」50

2018-12-24 23:32:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヌウ……」サザナミ・ニンジャは慎重に間合いを取る。サツバツナイトはチャドー呼吸を深める。マフラー布の端がブスブスと音を立てて橙色に燃え始める。橙色の輝きは彼のブレーサーにも灯っていた。サザナミ・ニンジャは顔をしかめた。ジュー・ジツのカタは恐らくドラゴン・ニンジャ・クラン由来。51

2018-12-24 23:35:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

それだけでもサザナミ・ニンジャにとっては不快な示唆である。しかしその底にある正体不明の圧力を彼は感じ取り、警戒した。サザナミ・ニンジャは暗黒の船団の主であり、その号令ひとつで不死の船が浮上し、地上を蹂躙する。しかし今この場は戦場ではない。カラテで決着をつけねばならぬ。 52

2018-12-24 23:39:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

物見遊山の気楽な殺戮に、極限のカラテはそぐわしくない。彼は心底不快だった。触手が捕らえたままのモータルの命を吸いつくし、抜け殻を振り捨てる。「無粋ぞ」サザナミ・ニンジャは繰り返した。一方のサツバツナイトはチャドー呼吸を深めながら、一瞬最大のカラテを狙おうとしていた。 53

2018-12-24 23:43:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

シンウインターとの戦闘で負った深手を、今も彼は必死に治している。それは今の彼のカラテを大きく制限するものとなり得たが、彼にこの戦線を離脱するつもりは到底なかった。これ以上深手を追えば爆発四散する。極限の状況は、一方で、彼のカラテを新たな境地へ連れてゆこうとしている。 54

2018-12-24 23:48:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジュー・ジツの構えは研ぎ澄まされ、張り詰める。敵の攻撃がくれば、それを捌き、無効化し、反撃を当てる。理論上、これを繰り返す事で全ての敵を倒す事ができる。「スウーッ……ハアーッ……」チャドーが深まる。五体が動く。ならば、やってみせるだけだ。やらねば、目的を果たせぬ。 55

2018-12-24 23:52:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サツバツナイトのニューロンに、ニンジャスレイヤーの後姿が、そしてケイトー・ニンジャの不敵な笑いがよぎった。止まっていた時が流れ出した。「イヤーッ!」サザナミ・ニンジャは左触手で攻撃!「イヤーッ!」サツバツナイトは裏拳で弾き、瞬間的な接近からの肘打ちを当てる!「グワーッ!」 56

2018-12-24 23:56:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」サザナミ・ニンジャは水平チョップで首を切断にかかる!サツバツナイトは前傾姿勢でチョップを躱し、サソリめいた足裏の蹴りを加える!「グワーッ!」サザナミ・ニンジャは後退しながら右触手で薙ぎ払う!サツバツナイトはメイアルーアコンパッソで回避しながら蹴る!「グワーッ!」 57

2018-12-24 23:58:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤッ!イヤーッ!」フェンシングめいた速度で左右触手の刺突が繰り出される。サツバツナイトは半身姿勢となり、目と鼻の先に触手を通過させる。サザナミ・ニンジャは凄まじい怒りで満たされた目を白く光らせている。それは時の重みの力である。だがサツバツナイトはその凄まじさに抗った。 58

2018-12-25 00:01:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼はこの時、迫る脅威を極限まで単純化した。木人にチョップを打ち込み、振り子鎌を避け、バイオ葦を毎日飛び越える訓練を彼は絶やさず続けてきた。全てはタイミングであり、カラテである。神話であろうと、タイセン=サンの溌剌たるカラテであろうと、同じである。それはゼンめいた認識であった。 59

2018-12-25 00:04:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「グワーッ!」繰り出されるカラテを、あるいはいなし、あるいは受け、あるいは躱し、そのたびに彼は反撃を打ち込んだ。一打一打がサザナミ・ニンジャにとってどれほどのダメージとなるかは定かではない。しかし現にサザナミ・ニンジャは押されていた。「イヤーッ!」「グワーッ!」 60

2018-12-25 00:07:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「グワーッ!」サザナミ・ニンジャが打撃を繰り出すたび、逆にサツバツナイトの打撃が入り続ける。打撃が入るたび、彼のカラテのうち、ひとたびはブラド・ニンジャのカラテドレインを受けて枯れ果てた領域に、ゼンめいたカラテが染み渡ってゆく。 61

2018-12-25 00:14:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

これに対し、サザナミ・ニンジャは驚くべき速度でタタミ6枚距離飛び下がり、攻撃を待ち構えた。肩から生えた触手に力を漲らせ、素手のカラテで対処しようというのだ。しかし、それを待っていたかのように、サツバツナイトは不意に動いた!「イヤーッ!」「グワーッ!?」 62

2018-12-25 00:18:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サザナミ・ニンジャは顔面に打撃を受けた。同時に、肩の触手がサツバツナイトを切り裂いていた。否、それは一瞬前にサツバツナイトが後ろに置いてきた残像に過ぎない。橙の炎となって残像が爆発したとき、サツバツナイトは防御の崩れたサザナミ・ニンジャにセイケン・ツキを喰らわせていた。 63

2018-12-25 00:20:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チャドー奥義ジキ・ウチ。そしてチャドー奥義ジキ・ツキ。完全に入った。サザナミ・ニンジャは震えながら後退し、堪えた。サツバツナイトは踏み込み、再度ジキ・ツキを当てた。「イヤーッ!」「グワーッ!」 64

2018-12-25 00:23:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジキ・ツキを受けたサザナミ・ニンジャは爆発四散しかかり、耐えた。そこに再度、サツバツナイトはジキ・ツキを当てた。「イヤーッ!」「グワーッ!」サツバツナイトはザンシンした。サザナミ・ニンジャはサツバツナイトを見た。不可解の極み。彼は畏怖した。そして……「サヨナラ!」爆発四散した。65

2018-12-25 00:25:25