燭へし同棲botログ：正月飾りの日

燭へし同棲bot @dousei_skhs

【正月飾りの日】 「長谷部くん、そっちは確認できた？」 「ああ」 「大事なものはこれで全部揃ってるかな」 「メモにあるものは買ったはずだ」 「ふんふん……そうだね。漏れはないみたい」 「……たくさんあるな」 「まあね。でもお正月の準備はちゃんとしなくちゃ」 「それはそうだ」

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「さて長谷部くん。僕はこれからお散歩がてら、ちまちましたもののラスト買い出しに行こうと思うんだけど」 「俺も行く」 「ありがとう。デートだね」 「何を買うんだ？」 「無視しないで」 「車出すか？　歩いて行くつもりだった？」 「車出そうと思ってたけど」

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「それなら俺、あれが欲しい。みかん」 「みかん？」 「みかん」 「段ボールに入ってるやつ？」 「うん」 「それは是非とも買わなくちゃ。よく思い出してくれたね」 「こたつも出したから、食べたいと思って」 「こたつでみかんは定番だからね」 「そうだろう」

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「あっ、そうだ。帰りに鶴さんのところに顔出してもいい？」 「構わないが……今行って大丈夫か？　忙しいんじゃないか」 「あっちから呼ばれてたんだよ。何か渡したいものがあるんだって」 「……」 「……たぶん同じこと考えてるけど、大丈夫だよ。鶴さんだって一応いい大人だから……」

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「あいつが取りに来いといったときに渡されるのは大体ろくでもないものだ」 「まあまあ。今日はたぶん伽羅ちゃんも駆り出されてると思うし、会えるんじゃないかな」 「なんで」 「鶴さんのお手伝いとか、おそらくそういうことに」 「かわいそうに……」 「労わりに行こうか」 「行く」

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「じゃあとりあえず買い出しに……」 「あ、光忠、光忠」 「なに？」 「宗三のところにも寄っていいか」 「宗三くん？　いいよ」 「今のうちに、小夜のお年玉を渡しておきたい」 「お正月は会えないかもしれないもんね」 「ああ」 「オッケー。でもあんまり大金入れたらダメだよ」

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「入れてない」 「去年宗三くんに注意されてたじゃない」 「……今回は大丈夫……」 「ふふ。可愛いのはわかるけどね。僕も貞ちゃんとかついつい甘やかしちゃうから」 「ん……」 「さて、出掛けようか。……鶴さんのところで捕まらないことを祈ろう」 「……ああ」

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「帰ったら僕は主に食べ物系の準備をするから、長谷部くんは玄関とかにお正月飾り準備してくれる？」 「わかった」 「……んふふ」 「？　なんだ」 「いや、共同作業っていいなと思ってさ」 「……光忠」 「んー？」 「楽しみだな。これからも、いろいろと」 「……うん。そうだね。楽しみだ」 【了】