百年前新聞 1918年末特集『読者が選ぶ今年の重大ニュース1918』

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速報◆26日、大阪朝日新聞の夕刊に、昨日の関西新聞社通信大会の記事が載る。「白虹（はっこう）日を貫けり」の文言が問題となり、「白虹事件」が起こる。 ＝百年前新聞社 (1918/08/26)

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【社主のニュース解説】《社会》 本日、大阪朝日新聞が寺内内閣批判の記事を掲載しました。以前より政府のシベリア出兵や米騒動問題に、厳しい批判を加えていた大阪朝日新聞ですが、記事中の「白虹日を貫けり」の文言が問題となりました。「白虹日を貫く」とは、中国の故事で内乱の前兆を指します。

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【社主のニュース解説】《社会》 大阪朝日新聞に書かれた「白虹（はっこう）が日を貫く」とは、秦の始皇帝の暗殺未遂事件のときに起きたという天体現象。政治批判の文言としては、天皇暗殺をも意識させかねず不穏当です。しかし、編集幹部が刷り直しを命じたときには、すでに1万部が出回っていました。

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【社主のニュース解説】《社会》 大阪府警察部新聞検閲係は、大阪朝日新聞の記事中の「白虹日を貫けり」の文言を取り上げ、新聞紙法違反で告発の準備を進めています。現在世論は寺内内閣への批判が激しく、政府は、その急先鋒である大阪朝日新聞を弾圧する機会をうかがっていたものと思われます。

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【社主のニュース解説】《社会》 大阪朝日新聞に掲載された寺内内閣批判の記事は次のとおり。 「我大日本帝国は今や恐ろしい最後の裁判の日に近づいているのではなかろうか。『白虹日を貫けり』と昔の人が呟いた不吉な兆が黙々として肉叉を動かしている人々の頭に雷のように響く。」

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速報◆1日、大阪朝日新聞が、今後の「不偏不党」宣言とともに、これまでの政府批判が不穏当だと認める社告を1面に掲載する＝写真＝。政府批判をやめ、政府追随の論調に方針転換。8月の「白虹事件」以後、弾圧を受け続けた朝日新聞が、国家権力に屈服。事実上の全面降伏。 ＝百年前新聞社 (1918/12/01) pic.twitter.com/1I9F8D0NVZ

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速報◆4日、大阪朝日新聞の「白虹事件」をめぐる裁判で判決。大阪朝日新聞は、発行禁止処分を免れる。大阪控訴院検事長は、今月1日に掲載された事実上の降伏宣言を読み、「もう追及するには及ばぬ。発行禁止の必要はない」と語る。 ＝百年前新聞社 (1918/12/04) 関連記事： twitter.com/100nen_/status…

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【社主のニュース解説】《社会》 本日、「白虹事件」裁判が終結しました。今年の夏、大阪朝日新聞が、シベリア出兵や米騒動に対する前寺内内閣の対応の悪さを批判するために書いた記事が発端でした。警察の検閲係が「白虹（はっこう）日を貫けり」と書いた記事を取り上げ、弾圧を加え続けてきました。

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【社主のニュース解説】《社会》 「白虹事件」が明るみになって以来、大阪朝日新聞は警察・政府からの弾圧のほか、右翼団体の襲撃なども受けました。これらに耐えかねた同社は、社長・編集局長・社会部長の退社とともに、政府批判をやめ、政府に追随する記事を書くという事実上の降伏を宣言しました。

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【社主のニュース解説】《社会》 政府批判の急先鋒だった大阪朝日新聞が弾圧に屈し、降伏したことで、新聞業界には震撼が走っています。今の原敬内閣は別として、これまでのような政党無視の反民主主義的・超然主義的な政府だとしても、批判すれば発禁処分の危機となれば、新聞の萎縮も予想されます。

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【読者が選ぶ今年の重大ニュース】《年末特集》 〈第16位〉8/30 レーニン狙撃事件 計2132pt ロシアのレーニン首相が女革命家によって狙撃されました。一命は取りとめましたが、今も首に弾丸が埋まったままです。これが健康に悪影響を与えている可能性も否定できません。 twitter.com/100nen_/status…

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【号外】ロシア・ソヴィエト政権のレーニン首相、狙撃さる！ 首・肺に弾丸が命中し、出血多量の重体。犯人の女革命家は逮捕。 ＝百年前新聞社 (1918/08/30) ▼狙撃の瞬間（再現） pic.twitter.com/2yvuRtfxPe

2018-08-30 12:00:13

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【号外】ロシア・ソヴィエト政権のレーニン首相、狙撃さる！ 首・肺に弾丸が命中し、出血多量の重体。犯人の女革命家は逮捕。 ＝百年前新聞社 (1918/08/30) ▼狙撃の瞬間（再現） pic.twitter.com/2yvuRtfxPe

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【社主のニュース解説】《国際》 本日、ロシア・ソヴィエト政権の首相、レーニン氏が、革命家に狙撃されました。モスクワのミヘリソン武器工場での演説を終え、帰りの自動車に乗る直前、エスエル（社会革命党）左派の女性、ファニヤ・カプラン女史が駆け寄り、3発の銃声をとどろかせたものです。

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【社主のニュース解説】《国際》 撃たれた3発の弾丸のうち、1発はレーニン氏のコートを貫通しましたが、残り1発は首、1発は肺に命中。病院には別の暗殺者が潜むおそれがあるため、出血多量の重体となったレーニン氏は、自宅のアパートに運びこまれ、呼ばれた医師がすぐに手術に取りかかりました。

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【社主のニュース解説】《国際》 しかし、レーニン氏に命中した2発の弾丸のうち、首の近くに埋もれた銃弾は、危険すぎたため手術で摘出することはできませんでした。弾丸は今後も、レーニン氏の首に埋めこまれたまま放置される予定です。この弾丸が、レーニン氏の健康状態に与える影響は不明です。

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【社主のニュース解説】《国際》 今回のレーニン氏暗殺未遂事件の犯人、カプラン女史はすぐ逮捕されましたが、拳銃をだれから手に入れたか話すのを拒否。すべて自分の信念にもとづくものだと主張しています。しかし裏には、イギリス諜報部員、シドニー・ライリー氏(44)の暗躍もうわさされます。

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訃報◆3日、ロシアのエスエル（社会革命党）左派党員、ファニヤ・カプラン、処刑。28歳（誕生:1890/2/10）。先月30日、レーニン暗殺未遂事件を起こし、逮捕。本日裁判がおこなわれ、即日銃殺。 ＝百年前新聞社 (1918/09/03) 関連記事： twitter.com/100nen_/status…

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【読者が選ぶ今年の重大ニュース】《年末特集》 〈第15位〉7/24 野口英世の黄熱病の病原体発見 計2264pt 野口英世先生が、エクアドルの危機を救い、日本とエクアドルの国交樹立にもつながりました。まさに日本が誇る世界最先端の細菌学者で、ノーベル賞も期待されます。 twitter.com/100nen_/status…

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【号外】日本の野口英世が、エクアドルで黄熱病の病原体を発見。病原体をレプトスピラ・イクテロイデスと命名。 ＝百年前新聞社 (1918/07/24) ▼細菌学者・野口英世(41) pic.twitter.com/yfXpMtGD1R

2018-07-24 12:00:18

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科学◆27日、医学博士の野口英世(41)が、アメリカを出発。エクアドルへ向かう。ロックフェラー財団の要請を受けて、黄熱病の病原体を見つけるため。パナマ運河周辺で船員が黄熱病に感染することがあり、円滑に貿易をするためにも原因究明が求められている。 ＝百年前新聞社 (1918/06/27)

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科学◆15日、野口英世(41)が、南アメリカのエクアドルに到着。すぐさま黄熱病の研究に入る。 ＝百年前新聞社 (1918/07/15)