日米国学界の相違点。

1.米国の学術界は厳格 2.米国の学術界権威主義的ではない
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Glocal Life @glocal_life

日本と米国の学術界の違いが、誤解の元だったよね。 ①米国の学術界は厳格: Twitterで学術論議をしようという発想が、まず生まれてこなかった。私の盲点。逆に日本は博士号がない人が、普通に教授になっていたりして、「学術的な厳格さ」が、そこまで求められない社会の土壌がある。(→続き)

2019-01-01 19:13:35
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→続き)特に人文系に限ると、日本の研究者の方が、米国の研究者より、遥かに出版物が多いが、これは「日本では、学術的な出版物に、そこまでの厳格さが求められない」からだ。米国では、peer-reviewといって、その分野の権威者のブラインドのレビューを何度も何度も重ねないと、出版にこぎつけない→

2019-01-01 19:15:45
Glocal Life @glocal_life

だから、欧米の人文系の学術出版物が、日本語に翻訳されることは多いけど、日本の人文系の学術出版物が、英語に翻訳されることは、ほとんどない。日本の人文系の学問は、日本国内でのみ生産・流通・消費される「極めて閉鎖的な特徴」を持っている。日本でも理系の学問は、海外との交流も多い(→続く)

2019-01-01 19:19:39
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(→続く)日本のフェミニズムの議論も、そうだよね。欧米のフェミニズム理論は、日本語に翻訳されるが、日本のフェミニズム理論が、英語に翻訳されることは、ほとんどない。翻訳者から「学術的な厳格さが足りない」と思われている。だから日本の情報が知りたい人も、最初から英語の文献をあたる(→続

2019-01-01 19:23:19
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私も高名な日本のフェミニストの本も何冊も読んだけど「学術書というよりエッセイ(随筆)なのかな?」と思った(それはそれで勉強になったけど)前提としている社会状況が違うと、最初から議論が成立しにくいよね…

2019-01-01 19:24:59
Glocal Life @glocal_life

日本と米国の学術界の違い ②米国の学術界は、権威主義的な傾向が、極めて少ない 米国の学術界は「学問としては、極めて厳格」だけど、日本に比べると、権威主義的な傾向が、極めて少ない。何も知らない高校を卒業したばかりの18歳の学生が、高名な教授を敬称なしのファーストネームで読んだりする。

2019-01-01 19:30:26
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私は11年間、米国西海岸の大学で、学部生&院生として過ごしたが、フォーマルな場以外「~教授」と呼んだことがない。教授達を、ずっとファーストネームで呼び捨てにしてたし、自分が教授になってからも、学生から名前で呼び捨てされてた。だから、日本の文脈で「学術界の権威」という意識が希薄だった

2019-01-01 19:34:19
Glocal Life @glocal_life

あと、学者ってお金にならないから、米国では社会的にもそこまで尊敬される感じもしない。米国人の友達に「大学で教えています」と言っても「へ~(好きなことを仕事にできて)良かったね」という反応でしかない。修士号まで取る人口も多いから、学術界を「特別な場所」と感じる理由が少ないのかも。

2019-01-01 19:38:17
Glocal Life @glocal_life

日米の学術界の相違点 ①米国の学術界は厳格 ②米国の学術界は権威主義的でない なので、私が学術的な素養を訴えた時は「私は厳格な学術的な訓練を受けてきた」ということが主意で、そこに権威主義的な意味合いを、そこまで持っていなかったのだと思う。日本の文脈と違うことに、気がつかなかった。

2019-01-01 19:42:04
Glocal Life @glocal_life

LGBTQの議論でも、米国では「当事者と学術界の健全な交流」が確立していて、当事者も学術理論から学ぶし(学ばない当事者は、当事者同士の議論にも付いていけなくなる)研究者が当事者を威圧することもない。なので日本社会の歪な構造(学術理論に無知な当事者や当事者と研究者の力関係)に無知だった

2019-01-01 19:48:40
Glocal Life @glocal_life

無知は言い訳にならないことを重々承知しているが「日本語で発言する人間は、全員日本社会の文脈で発言しているんだろう」というのは偏見であり、差別としか言えない(例:帰国子女への差別)私のアカウント名が示すように、私の興味はあくまで「日本社会と米国社会の比較」なのを、ご了承願いたい。

2019-01-01 19:51:16
Glocal Life @glocal_life

私の経験からすると、日本の研究者と議論する時は、理系の人との議論の方が、ずっと楽にできる。理系は「緻密な論理の積み重ねの論文」になれているが、文系の人は「センスが良いフィーリングで、なんとなく書いた学術論文」が許されているので「緻密な論理の積み重ね」に慣れていない人が多い(→続き

2019-01-01 21:00:21
Glocal Life @glocal_life

(→続き)なので、文系の研究者は、ただ単に「フィーリングが合わない」と、すぐに感情的に批判してきたりする。そして、その批判は、論拠が薄弱であったり、論理的に破綻していたりする。日本の文系の学術訓練は、もっと真面目にやった方がいいんじゃないかな?内輪でしか話が通じなくなるよ?

2019-01-01 21:03:48
Glocal Life @glocal_life

あと、日本の文系の研究者の特徴は「枝葉末節にこだわるが、全体的な議論を把握するのが苦手」ということだ。英語に翻訳され評価された数少ない日本語の文系学術書に、小熊英二さんの『単一民族神話の起源』があるが、これも「細部にこまかい日本の研究者の長所」が評価されたので(→続き)

2019-01-01 21:07:14
Glocal Life @glocal_life

米国の研究者に言わせると「全体的な議論については、もっと改善の余地が余地がある」という評価が多かった。細部はもちろん大事であるが、細部はあくまで全体の議論を積み重ねるために損ざうするのだ。「枝葉末節にこだわるが、全体的な議論を把握するのが苦手」は、本末転倒としか言いようがない。

2019-01-01 21:08:57
烏賀陽 弘道 @hirougaya

コロンビア大学の大学院で学んだとき、教授は学生を"colleagues"(同僚たち、同輩たち)と呼んでいました。外交官や銀行員、士官軍人など教授より実学に通じた学生が多数いるので、自然にそうなります。ですから授業も「教授が教える」というより「教授と学生がディスカッションする」場でした。 twitter.com/glocal_life/st…

2019-01-01 23:31:20