【書き起こし】「ジャーナリスト安田純平さんに聞く シリアで拘束された3年間」安田純平×山崎やよい×保坂修司×荻上チキ 2018年11月15日(木)放送分 TBSラジオ 荻上チキ・Session-22 #ss954

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橋本 至 @kid75

保:専門柄、安田さんが捕らえられていた武装組織の実態について、何らか分かる情報があればぜひ教えていただければと思います。もちろんその前に、まずはご苦労様でしたと言わなければいけないのですけれども。 荻:そうですね。よろしくお願いします。

2019-01-14 20:02:24
橋本 至 @kid75

蓮:それでは今夜のゲストをご紹介します。ジャーナリストの安田純平さんです。 安田純平さん:よろしくお願いします。 荻:よろしくお願いします。安田さん、お帰りなさい。 安:ありがとうございます。

2019-01-14 20:02:24
橋本 至 @kid75

荻:またこうしてスタジオでお会いできて、非常に嬉しいです。どうでしょうか、帰国されてから健康状態などを気にされている方も多いと思うのですけれども、病院などに通われたり心療内科に行かれたりといったことは、今されているのですか?

2019-01-14 20:02:25
橋本 至 @kid75

安:帰国してから数日検査入院をして、ピロリ菌に感染していたことが分かりまして。生水をずっと飲んでいたので、恐らくその影響で胃潰瘍と十二指腸潰瘍を、これはもう現地でもずっとチクチクと痛かったんですけど、恐らく生水の影響だろうということと、

2019-01-14 20:02:25
橋本 至 @kid75

ヘルニアになっていまして、腰がですね。ずっと寝っぱなしで身動きできない時間がすごく長かったんですけど。その時はもう筋肉がごっそり落ちまして、その頃ちょっとした段差も越えられなくて何度も転んでたんですけど、最後の半年ぐらいは部屋の中を歩いたりできたんですけど、

2019-01-14 20:04:13
橋本 至 @kid75

それでもやっぱり全体的に弱ってしまっていて、それが腰にきているというのと。あと心療内科については、影響が出るのはもう少し先だろうということを言われていて、3か月ぐらい経ってからフラッシュバックとかあるかもしれないって言われているんですけど。

2019-01-14 20:04:13
橋本 至 @kid75

朝とか、寝て起きたときに周りの音を伺って、身動きしちゃいけないんじゃないかとか、あと捕まっている時に自分の家にいる夢を見て「これはもう家にいるんだ」と。だから「ドアを開けて外に出れば帰れるんじゃないか」というような夢をたくさん見たんですけど、実際今家にいて目が覚めたときに、

2019-01-14 20:04:14
橋本 至 @kid75

これが夢なのか、捕まったままで夢を見ているのか、家にいるのかが分からないときがあって、これは時間が経てば慣れてくるんだと思うんですけど。

2019-01-14 20:04:14
橋本 至 @kid75

荻:ただ強烈なトラウマ体験ですから、実際に症状が出てからだけではなくて、いろいろなプロフェッショナル、専門家の方に早めに接続していただけると大変うれしいなと思います。なんならいくつか紹介したりしますので。

2019-01-14 20:04:14
橋本 至 @kid75

ではあらためてですね、安田さんのプロフィール、そして拘束から解放までの経緯を簡単にまとめました。蓮見さん、お願いします。

2019-01-14 20:04:14
橋本 至 @kid75

蓮:安田純平さんは1974年生まれの現在44歳。信濃毎日新聞の記者を経てフリージャーナリストに転身されます。その後イラクやシリアなどの中東を取材。2015年、シリアで拘束され、それが3年以上におよび、2018年10月下旬、突如解放され帰国しました。

2019-01-14 20:09:01
橋本 至 @kid75

荻:その解放も非常に唐突ではあったのですけれども、合間合間には安田さんの情報が非常に少ない状況、そして政府がどうしているのかということが分からない状況で、報道仲間、特に中東で取材している方って横とのつながりが多かったりするので、

2019-01-14 20:09:02
橋本 至 @kid75

そうした方々とよく安田さんの安否を気遣うというか心配するような話し合いをしていましたね。そして拘束された安田さんの動き、時系列と共に伺っていきたいと思います。

2019-01-14 20:09:02
橋本 至 @kid75

蓮:2015年6月22日、安田純平さんは案内人と共に深夜にトルコから徒歩でシリアに入り、そこで2人組に連れられ、ホブス工場に入れられます。翌日、近くの民家に監禁。26日の深夜、車で移動し、集合住宅の地下牢に入れられ、その後一戸建ての民家に移動しています。

2019-01-14 20:09:03
橋本 至 @kid75

荻:ホブス工場というのは、地元のパンのような。 安:パンの工場ですね。 荻:まず6月22日に地元に行くということですけれども、当時2015年6月、どういった状況の中で何を取材するために安田さんは向かわれたのですか?

2019-01-14 20:09:03
橋本 至 @kid75

安:当時、イドリブ県の中で主要都市であるイドリブ市であるとかジスル・シュグール市という所を反政府派が制圧しまして、イドリブ県をほぼ反政府側が押さえたと。

2019-01-14 20:09:03
橋本 至 @kid75

当時イスラム国が非常に注目される中で、お互いにいがみ合っていた反政府側が、一つの同盟組織みたいなものを作って対抗しようという動きが出ていまして、政府のような一つの圧倒的な権力があるわけではない所で一定の安定を見せていた時期で、

2019-01-14 20:09:04
橋本 至 @kid75

それがどういうものを背景に、人々の共通の倫理観というのはイスラムなわけですけど、スンニ派の。そのイスラムがどう機能しているのかなとか、アサド政権でもないイスラム国でもない地域の人々の社会が、外部から見て理解し得るものなのかどうかというところを見たいなというのがありまして。

2019-01-14 20:09:04
橋本 至 @kid75

荻:反政府組織、一定の自治があるとも伝えられていたので、それが実相どうなっているのか、そして人々がどう暮らしているのかというものを取材するのが目的だったのですね。そして6月22日に案内人と共にシリア入りをするわけですけれども、現地に入るタイミングで案内人の方とはぐれて、

2019-01-14 20:09:04
橋本 至 @kid75

そこで別の2人組がやってきて安田さんが連れていかれた、ということになるわけですね。

2019-01-14 20:13:45
橋本 至 @kid75

安:そうですね。元々の話では、この案内人と入って、で、山道なんですね。道路なんかもないんですけど。山道を入っていって、シリア側から迎えに来る車が入れる所まで歩いていって、そこで車に乗って中まで行くという話だったんですけど、

2019-01-14 20:13:46
橋本 至 @kid75

電話がたまにしか通じないので、トルコの電波が入るんですね、その辺りは。山なのであまり入らないんで、案内人が「ここで待ってろ」と。「自分が車が来たかどうか見に行くから」ということで2往復ぐらいしてたんですけども。

2019-01-14 20:13:46
橋本 至 @kid75

で、待っている間に家族連れがシリア側から来まして、その家族をエスコートしてきた2人と、山道の案内をするもう1人がいて、その家族をトルコ側に送った後に「シリアに行きたい奴はいるか」って言って、「おまえ行きたいなら一緒に行こう」という話で、そちら側と一緒に入っちゃったんですけど。

2019-01-14 20:13:46
橋本 至 @kid75

荻:「その時は、振り返ってもなぜついていったのかわからない」というふうに会見でおっしゃっていましたけれども。

2019-01-14 20:13:47
橋本 至 @kid75

安:そうですね。当時トルコ側がシリアとトルコの国境をかなり厳しく警備していて、シリア側から入ってくる人間を銃撃したりということも起きていたので、トルコ側の国境警備を自分としてはかなり警戒していたので、

2019-01-14 20:13:47
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