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ある日、任天堂のバンダイナムコ担当のIさんから、Wiiでダウンロード販売を始めるので、ローンチでドリラーをやってもらえないかと打診があったのです。
2019-01-08 16:19:24早速プログラマに相談するとWiiはゲームキューブと互換性があるので、ゲームキューブの「ドリルランド」を元にすれば早く創れそうだという事でした。 そして簡単に移植してもらうと、動いて遊べるまではすぐにできたのです。
2019-01-08 16:20:36だからまずは通常のドリラーのルール部分を移植して、これがうまくいったら残りの4つのアトラクションを切り分けて、ダウンロード販売すればドリラーだけで5本のソフトができると考えました。 でも実際はそううまくはいかなかったのです。 つづく
2019-01-08 16:22:00ドリラークロニクル第73回! 「ドリルランド」を基にして「ミスタードリラーワールド」を創ることにしたのです。 pic.twitter.com/A3A7IF9Nui
2019-01-16 09:48:20ドリルランドはドリラーシリーズの決定版として力を入れて制作した製品でしたが、海外販売では取り扱わないと決定されてしまい、海外で発売できなかったのが残念でした。
2019-01-16 09:48:53製品の出来はとても評判が良く、海外のファンからも「なぜドリルランドを海外で発売してくれないのか?」と問い合わせが来るほどだったので、何とかしたいという思いがずっとあったのです。
2019-01-16 09:49:15でもダウンロードコンテンツなら、販売経費も少なくて済みますし、せっかく創った遊びを海外の人たちにも遊んでもらえるようにできると考えたのです。 しかも一気に5本の製品ができるのですから、やらない手はないと思いました。
2019-01-16 09:49:37これなら低予算で短期決戦でいいものができるんじゃないか。そう思われてプレゼンし、製品会議を通してプロジェクト化されたのです。
2019-01-16 09:50:04しかしいざ、本格的に進めてみると、移植のみと思われていたステージの増加が容易ではないことがわかりました。また、ゲームキューブとWiiが互換性があるから簡単と思われていたカスタマイズも予想よりも元のプログラムが流用できないことが判明したのです。 つづく
2019-01-16 09:50:35ドリラークロニクル第74回! ゲームキューブとWiiが互換性があるから簡単と思われていたカスタマイズも予想よりも元のプログラムが流用できないことが判明したのです。 pic.twitter.com/ST1fZkpxav
2019-01-23 10:05:54結局一から創ることになってしまいました。 おまけに取説は画像を取り込んで表示するだけの予定だったのですが、任天堂の仕様に合わせてプログラムで起動する電子取説を組み込まなくてはならないということもわかってきて、それはそれで結構な作業量となりました。
2019-01-23 10:06:39結局基本のドリラーを創るのが精一杯で、5本創るのは断念しましたが、それでも予算はあっという間に足りなくなってしまいました。
2019-01-23 10:07:15さらにプログラム作業と企画のステージデザインのトライ&エラーによって開発費は瞬く間に増加しました。元々低予算で創る計画だったので、たった2ヶ月遅れただけで予算オーバーとなってしまったのでした。
2019-01-23 10:07:46結局Wiiのダウンロードコンテンツビジネス自体がそれほど振るわず、ドリラーもダウンロード数が思うように伸びませんでした。 結果、開発費の回収もままならず、赤字プロジェクトとなってしまったのです。
2019-01-23 10:08:27ダウンロードコンテンツを甘く見過ぎていました。これはわたしの失敗です。 しかし、これでダウンロードコンテンツを創るということがどういうことかを実感できたのは収穫だったと思います。
2019-01-23 10:08:59そして何よりこれでWiiでドリラーを遊びたいと思った人は、店の品切れを気にすることなく、いつでも手に入れられるようになったのだからいいかなと思いましたが、それももう今ではサービスが終了して、手に入れられなくなってしまったようで残念です。 おしまい
2019-01-23 10:09:40