アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、宝島10話演出:絶望の船
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カイジが好きで始めた、カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。 今回は、宝島10話演出。 前回は、宝島8話演出。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2019/01/… 上記ブログのtogetter版: togetter.com/li/1310653 ─── 他: togetter.com/id/makimogpfb
2019-01-27 14:00:15高屋敷氏演出 宝島10話1 アニメ・宝島は、スティーブンスンの原作小説を、大幅に改変してアニメ化した作品。監督は出崎統氏。高屋敷英夫氏は、偶数回の演出を務める(表記はディレクター)。 今回の脚本は篠崎好氏で、コンテが出崎統氏、演出が高屋敷英夫氏。
2019-01-27 14:01:50高屋敷氏演出 宝島10話2 詳細は、ブログに書きました: 宝島10話演出:絶望の船 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2019/01/… #はてなブログ 宝島(高屋敷氏演出回)に関する記事一覧: makimogpfb2.hatenablog.com/archive/catego…
2019-01-27 14:04:17高屋敷氏演出 宝島10話3 今回の話: 宝島にもうすぐ到着するヒスパニオラ号にて、反乱の噂を聞いたジムは、シルバー(料理長)と共に真偽を確かめに行くが、博打をしている男達がいただけだった。しかしその後ジムは、シルバーが元海賊であり、部下を集めて宝の横取りを図っていることを聞いてしまう。
2019-01-27 14:06:22高屋敷氏演出 宝島10話4 冒頭、料理・食事シーンがあるが、美味しそうな食事シーンは、高屋敷氏の担当作に多く出てくる。挙げればキリがないが、DAYS・グラゼニ(脚本)と比較。 pic.twitter.com/AqdyENcTCO
2019-01-27 14:07:45高屋敷氏演出 宝島10話5 船がもうすぐ宝島に着くと知り、心踊るジムは、日記を書きながら眠りこける。同室のレッドルース(船のオーナー・トレローニの執事)は、そんなジムに毛布をかけてくれる。優しいお爺さんは、色々な作品で印象に残る。花田少年史・蒼天航路・DAYS・めぞん一刻(脚本)と比較。 pic.twitter.com/3Iu8wF4j9V
2019-01-27 14:09:23高屋敷氏演出 宝島10話6 ジムは金銀財宝の夢を見るが、相当に幼い。 高屋敷氏は、キャラクターのコミカルさ・幼さを強く描写する。 1980年版鉄腕アトム(脚本)、元祖天才バカボン(演出/コンテ)、めぞん一刻・カイジ2期(脚本)と比較。 pic.twitter.com/A6NqYDU1ib
2019-01-27 14:10:27高屋敷氏演出 宝島10話7 そんな折、見張り係のパピーがジムを呼び出し、反乱を企てている男達がいると話す。パピーは関西弁を話すお調子者として描かれており、カイジ(脚本)の、関西弁を話すうさんくさい男・船井と少し重なるものがある。 pic.twitter.com/lXj5YnqKsj
2019-01-27 14:11:24高屋敷氏演出 宝島10話8 パピーに導かれ、何やら企てている男達を目にしたジムは、その事をシルバー(料理長)に話す。そこでシルバーは、ジムと共に調査に行くことにする。ジムはそれを喜ぶ。喜ぶ姿が、これまた幼い。カイジ2期・陽だまりの樹・グラゼニ(脚本)、ベルサイユのばら(コンテ)と比較。 pic.twitter.com/PXwXUW5fBT
2019-01-27 14:12:47高屋敷氏演出 宝島10話9 シルバーとジムが、反乱を企てる男達がいるのかどうか密かに見に行った所、亀レース賭博に興じる男達がいるだけだった。高屋敷氏は、カイジ(脚本)はじめ、相当に博打場面に縁がある(オリジナルでも結構出る)。カイジ2期(脚本)と比較。 pic.twitter.com/gdDAdbXACu
2019-01-27 14:13:55高屋敷氏演出 宝島10話10 翌日の夕方、ジムは夕陽を見ているシルバーを目にする。意味深な夕陽の織り成す「間」の描写は数多い。F-エフ-・コボちゃん(脚本)、元祖天才バカボン(演出/コンテ)、ベルサイユのばら(コンテ)と比較。 pic.twitter.com/SfeZ10kmml
2019-01-27 14:14:48高屋敷氏演出 宝島10話11 ジムは夕陽が大好きだと言うが、シルバーは、すぐに姿を隠し、人の心を闇夜に突き落とす夕陽が、大人になると嫌いになったと話す。それでも美しいから、負けないように夕陽を見るのだとも言う。 出崎派(高屋敷氏含む)は夕陽にこだわるが、その理由の片鱗が見られ、興味深い。 pic.twitter.com/P3Ct97R73n
2019-01-27 14:17:37高屋敷氏演出 宝島10話12 夜、意味深にランプが映る。とにかくランプは頻繁に登場し、状況や心情と連動したり、全てを見ているものとして扱われたりする。カイジ2期(脚本)、空手バカ一代(演出/コンテ)、アカギ(脚本)と比較。 pic.twitter.com/87Ce1tQJmy
2019-01-27 14:18:27高屋敷氏演出 宝島10話13 そしてジムはまたしても、眠れないなどと思いつつ熟睡して夢を見るが、この夢も相当コミカルで幼い。 じわじわ来るベルサイユのばら(コンテ)のマリーの妄想や、ルパン三世2nd(演出/コンテ)にて、不二子にスルーされるコミカルなルパンと比較。 pic.twitter.com/qYKT8yWs6M
2019-01-27 14:19:35高屋敷氏演出 宝島10話14 夢の中で、ジムはシルバーを「男の中の男」と評す。 なんとなくだが、カイジ(脚本)にて、船井(後にカイジを騙す)にすっかり心を許してしまうカイジと重なってくる。 pic.twitter.com/QmWGuCKVmT
2019-01-27 14:20:23高屋敷氏演出 宝島10話15 ジムの夢の中のシルバーはジムに手を差し伸べ、ジムはそれを掴もうとする。 手と手のコミュニケーションは、数え切れないほど出る。 カイジ(シリーズ構成)、MASTERキートン・F-エフ-(脚本)と比較。 pic.twitter.com/MHUl4i2Dr0
2019-01-27 14:21:14高屋敷氏演出 宝島10話16 夢から覚めたジムは空腹になり、リンゴ樽の中に入ってリンゴを食べ、居眠りする。 食いしん坊&眠りこける姿が幼い描写は頻出。F-エフ-(脚本)のアニオリ場面と比較。 pic.twitter.com/Eng8y6dTRe
2019-01-27 14:22:10高屋敷氏演出 宝島10話17 話し声がしたので起きたジムは、リンゴ樽の隙間から様子を窺う。そして、シルバーがフリント海賊団の操舵手だったこと、彼が仲間を集めて財宝の横取りを企てていることを知る。 カイジ(脚本)にて、仲間に裏切られるも、ガラスで仕切られ手出しできないカイジと比較。 pic.twitter.com/LY58R7g33a
2019-01-27 14:23:07高屋敷氏演出 宝島10話18 パピーは、シルバー一派に脅され、シルバー側に付くことにする。こちらも何やら、カイジ(脚本)にて、カイジを騙す船井と重なるものがある。 pic.twitter.com/rNuJV96KsL
2019-01-27 14:24:00高屋敷氏演出 宝島10話19 シルバーの正体を知ってしまったジムは涙を流して絶望する。カイジ(脚本)にて、仲間に裏切られて涙を流し、崩れ落ちるカイジと比較。かたや演出、かたや(絵を管理できない)脚本、ここまでシンクロしてくるのは驚異的。 pic.twitter.com/RDxs4ZkMTu
2019-01-27 14:24:58高屋敷氏演出 宝島10話まとめ1 遂にシルバーが正体を現すわけだが、カイジ9話(脚本)とのシンクロ具合に驚かされた。 カイジも本作も、船での出来事であり、裏切られたカイジ/ジムが、ただ見るしかできない所も同じ。 そして、本作では財宝、カイジでは金をめぐる対立構造なのも共通。
2019-01-27 14:26:51高屋敷氏演出 宝島10話まとめ2 つまり状況さえ揃えば、かたや演出作、かたや脚本作であっても、最終的な映像が似てくることが、今回も確認できた。 こういった不思議なシンクロ現象が起こり続けるのも、高屋敷氏の担当作を追う上で面白いところ。
2019-01-27 14:27:36高屋敷氏演出 宝島10話まとめ3 今回は、高屋敷氏の持ち味である「キャラクターの幼さ」が上手く作用し、終盤の、シルバーの裏切りに絶望するジムが引き立っている。 脚本作(特にシリーズ構成作)でも凄まじいものがあるが、本作のような演出作でも、ここらへんは同氏の計算高さを感じる。
2019-01-27 14:28:17高屋敷氏演出 宝島10話まとめ4 あと、興味深いのは、夕陽に関するジムとシルバーの会話。ここは、本作スタッフそれぞれの解釈がぶつかっているのではないだろうか。「夕陽が嫌い」は神に反抗する出崎統監督らしいし、太陽や月を信仰しているっぽい高屋敷氏は、「夕陽が大好き」なジム側かもしれない。
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