@momo4endeさんの「美しい村の金のなる木」のお話

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

美しい村がありました。豊かな海、豊かな山。田畑を耕し、魚を獲り、木の実を採り、豊かな自然の恵みを受けて、自然の力の大きさに畏怖と尊敬の念を持って、感謝と祈りを捧げ、お祭りをし、歌い踊り、人々は毎日を暮らしていました。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

テレビや新聞が、そんな村の暮らしのことを「貧しい、古くさい、効率が悪い」と言いました。もっと新しく、もっと豊かに、もっと楽に、もっと賢く、もっと便利に、もっと自由に、と村人にささやきました。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

すすめられるままに、村人はローンを組んで、最新の、効率の上がる機械を買いました。確かに効率は上がって収穫量も増えましたが、それにともなって売り物の値段は下がってしまったので、ちっとも儲かりませんでした。

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暮らしは楽にならず、苦しくなる一方で、素晴らしい機械のためのローンを支払うために、以前よりも働かなければなりません。働いても、働いても、追いつきません。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

こんな苦労は自分だけで十分だと、思いました。自分のこどもには、こんな苦労はさせたくない、と思いました。こどもには学歴をつけて、会社員になってもらいたいと思いました。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

村には学校はあるけれど、立派な会社はありませんでした。会社員になるためにはトウキョウに出なければなりません。村のこどもたちは大きくなるとトウキョウへ出てしまって村に帰ってきませんでした。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

村にも、立派な会社があったなら！立派な会社があれば、こどもたちもトウキョウに出て行くことはないでしょう。村人は金のなる木を村に植えることにしました。金のなる木は「安全」で「平和」で「クリーン」でとても立派な会社が管理しているのでした。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

村に金のなる木が植えられました。村人たちの多くは金のなる木を管理する会社の会社員になりました。暮らしに困ることはなくなり、村には立派な施設も次々と建ちました。不思議なことに、金のなる木を植えてからというもの海から穫れる魚はとても大きくなりました。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

金のなる木の中心はとても熱い炎が燃えていて、その熱で湯を沸かして電気を作ってトウキョウに送っているとのことでした。金のなる木の中の炎にうっかり近寄ると死んでしまうこともありました。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

とても素晴らしい金のなる木でしたが、数年も経つと、入ってくるお金よりも出ていくお金の方が多くなってきました。そこで、村人たちは、もう一本、金のなる木を植えることにしました。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

そうしてまた数年経つと、またお金が乏しくなってくるので、また一本、もう一本と、村には６本もの大きな金のなる木が植わっています。

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一番最初に植えた金のなる木は４０年も経ち、外側も内部もずいぶんぼろぼろになりました。しかし、中心の炎の勢いは衰えません。しかし、ハイロにするにもとてもお金が必要なので、ハツデンし続けるしかありませんでした。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

美しい村に大きな地震がきました。金のなる木は次々と倒れて、外側や内部が吹き飛んで煙がでました。そして、目には見えない炎の灰が村に降り注ぎました。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

金のなる木を管理している立派な会社、クニの首相、テレビや新聞、トウキョウ大学の教授は「デマに惑わされてはならない、冷静に判断して行動してください」と村人たちに言いました。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

テレビの中で偉いエダノさんも、優秀なアナウンサーも、立派なトウキョウ大学教授も「ただちに影響はありません」と繰り返し言っています。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

しかし目には見えない炎の灰の濃度が高いということで、「風評被害」があるからか、魚や若布、野菜や果物、お米も作ることも出荷することもできなくなりました。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

美しい村には目には見えない炎の灰が降り積もっています。倒れてしまった金のなる木の中心の炎は今もまだ、くすぶり続けています。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

美しい村の人々は生まれ育った愛着が深いこの美しい村を離れることは、身が剥がされるように辛いことでした。村人と村は一心同体なのでした。金のなる木を村に植えたのも、村の「発展」のためでした。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

「美しい村の金のなる木」のお話でした。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

原子力発電所はみんなの「私さえ良ければ他はどうなっても構わない」というエゴで決して建ったんやない、と思う。エゴがなくなれば、全てが解決するんとちゃう、と思う。原子力ハツデン所はエゴを超えたとこにあるんやと思う。

もも（財研出版　共同代表） @momo4ende

金のなる木を受け入れた村人は、村をほんまに愛してる。